社会

モーニングショー

2025年9月25日 15:06

コスト↓栄養価↑野菜と一緒に魚を育てる取り組み「場所選ばず生産」 国産キャビアも

コスト↓栄養価↑野菜と一緒に魚を育てる取り組み「場所選ばず生産」 国産キャビアも
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 今、魚と野菜を同時に育てるという取り組みが全国的に広がっています。水や肥料を節約できるだけでなく、栄養価の高い野菜が育つ持続可能な農法として注目されています。

野菜もビタミンC豊富、生でも食べやすく

 大量に泳いでいるのはチョウザメ。そしてチョウザメの卵といえば、黒く輝く世界三大珍味の一つ、キャビア。

 日本に流通しているキャビアのほとんどは輸入品ですが、こちらのキャビアは国産で希少なコチョウザメの卵を使用しています。さらに…。

野菜と一緒にとれる
野菜と一緒にとれる
株式会社プラントフォーム
大塚咲穂さん

「ここで生産されているキャビアはですね、こちらにいるチョウザメを利用して葉物野菜をメインに生産(や収穫)を独自で行っているシステムです」

 なんと、湖からではなく野菜と一緒にとれたものなんです。「魚と野菜を一緒に育てる」不可能を可能にしたこの取り組みが今、全国で拡大しています。

神奈川県藤沢市
神奈川県藤沢市

 神奈川県藤沢市にあるビニールハウスの中には、大量の葉っぱが茂った筒状の白いタワーがズラっと並んでいます。

床下には魚が
床下には魚が

 さらに、このビニールハウスにはもう一つ特徴があります。床下にはなんと、チョウザメやコイなど数百匹以上の魚が。

株式会社アクポニ
濱田健吾代表取締役

「これは床下で魚を養殖して、その飼育水を循環させてお野菜を育てているという“アクアポニックス”という農法」
アクアポニックスとは?
アクアポニックスとは?

 “魚と野菜を一緒に育てる”このシステム。魚のフンなどを微生物が分解することで栄養分豊富な水ができます。その水が野菜を通ることでろ過され、再び水槽へ戻るという循環となっています。

 日本大学との共同研究によると、この農法で育った野菜は通常と比べビタミンCが豊富で、生でも食べやすくなっているといいます。さらに…。

株式会社アクポニ 濱田健吾代表取締役
株式会社アクポニ 濱田健吾代表取締役
「アクアポニックスは水替えが一切不要なんです。浄化された水が魚の水槽に戻ってくるので、水替えは一切不要になります」

 手間もかからず、コストも大幅に削減できるといいます。

「この施設内だけで肥料の循環が完結していますので、ここでは農園に入れるものは魚の餌(えさ)だけですね。農園から外に捨てるものっていうのは、ほとんどないんですね」
野菜などは前菜やスイーツに使用
野菜などは前菜やスイーツに使用

 こうして育てられた野菜などは飲食店にも広がっています。前菜やスイーツにはからし菜やエディブルフラワーと呼ばれる食用花などが皿に添えられていきます。お客さんの反応は?


「すごい今っぽい取り組みというか、環境面を考えていてすてきだなと。そういうのでお花とかできるんだなと。おいしかったです」
小川珈琲 小川雄次取締役
「自然環境にも優しくて地産地消という形で、自社のレストランの一番近くでとれた食材を使う面で魅力的だなと思っています」

 野菜と魚を同時に育てるアクアポニックス。

濱田代表取締役
「場所を選ばず食べ物を生産できる技術ですので、一つの農法、産業として定着させて、こういった技術を次の世代に引き継ぎたい」

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年9月25日放送分より)

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