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集中豪雨によって車両274台が水没した、三重県四日市市の地下駐車場。浸水を防ぐための“止水板”が作動しませんでしたが、4年前から、その状態だったことが26日に明らかになりました。なぜ放置されたままだったのでしょうか。
発生から2週間も車搬出始まらず
地下1階に車を止めていた男性。愛車はダッシュボードまで水に浸かりました。
車が被害に遭った 中村泰三さん
「これは木目ですけど真っ白に。シートもベタベタでした」
「これは木目ですけど真っ白に。シートもベタベタでした」
管理会社と連絡が取れたのは、大雨から10日後の22日になってからでした。
車が被害に遭った 中村泰三さん
(Q.管理会社から連絡は)
「一切それがなくて。こちらから電話して、自分の車の確認と車番を伝えて。月極で借りていても、くすの木さんから連絡はなかった」
(Q.管理会社から連絡は)
「一切それがなくて。こちらから電話して、自分の車の確認と車番を伝えて。月極で借りていても、くすの木さんから連絡はなかった」
車274台が被害を受けた『くすの木パーキング』。管理会社によると、ほぼ全ての車の所有者が判明し、25日までに227台の持ち主が被害状況の確認に訪れました。ただ搬出は、まだ始まっていません。
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被害者「人災だと思っています」
26日に開かれた有識者による初会合では、国土交通省が2021年の時点で、止水板の故障を把握していたことが明らかになりました。
国交省 三重河川国道事務所 伊藤秀則副所長
「本来管理者である国としては、速やかに代替的な措置を含めた対応を行わなかったことについて、利用者の方々におわびを申し上げた次第です」
「本来管理者である国としては、速やかに代替的な措置を含めた対応を行わなかったことについて、利用者の方々におわびを申し上げた次第です」
この駐車場は、官民一体で行う『第三セクター方式』で運営されています。大規模な修繕は「国」、日常的な修繕は「管理会社」が行うことになっていましたが、止水板の修理はどちらが行うか不明確なまま、約4年わたり放置されていたといいます。
国交省 三重河川国道事務所 伊藤秀則副所長
(Q.止水板を定期的に点検は)
「毎月点検してもらっています。最新の月報でも“故障”ということになっています」
(Q.止水板を定期的に点検は)
「毎月点検してもらっています。最新の月報でも“故障”ということになっています」
愛車が浸水被害を受けた男性は、1997年の開業時から月極契約をしていました。大雨は過去にもありましたが。
車が被害に遭った 中村泰三さん
「東海豪雨(2000年)で浸水したが、ここは助かった」
「東海豪雨(2000年)で浸水したが、ここは助かった」
当時は、止水板が正常に作動したため、今回も心配していなかったといいます。
車が被害に遭った 中村泰三さん
「車は自分の思いとか、たくさんの思い出が詰まっている。この車はしばらくずっと乗っていようと思っていたので、さみしいというか、どこに気持ちを持っていったらいいか。ショックですね。くすの木パーキングに関しては、私は人災だと思います」
「車は自分の思いとか、たくさんの思い出が詰まっている。この車はしばらくずっと乗っていようと思っていたので、さみしいというか、どこに気持ちを持っていったらいいか。ショックですね。くすの木パーキングに関しては、私は人災だと思います」
いまだ始まらない車の搬出。費用は管理会社が負担することに決まりましたが、日程のめどは立っていません。補償についても、まだ何も決まっていないということです。
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