社会

ABEMA NEWS

2025年9月27日 09:01

始まる前は酷評、今は1日20万人超の大混雑「大阪・関西万博」閉幕まであと2週間時点での評価は ひろゆき氏「採算度外視でおもしろいものを作れるのが万博」

始まる前は酷評、今は1日20万人超の大混雑「大阪・関西万博」閉幕まであと2週間時点での評価は ひろゆき氏「採算度外視でおもしろいものを作れるのが万博」
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 大阪・関西万博の閉幕まで、あと2週間ほどになった。一般来場者数は2000万人を突破する大盛況で、9月に入って閉幕前の駆け込みもあり、1日20万人超が当たり前になっている。

【映像】9月に急増!大阪・関西万博の入場者数

 その一方で、問題視されているのが「死に券」だ。閉幕までの来場予約枠が、すべての時間で埋まってしまい、前売り券を購入していても、使用できない券が、130万枚以上も出ているという。

 こうした状況になった背景として、開幕前の“酷評”が指摘されている。万博に批判的な声が多かったが、それを覆す盛況ぶりで“手のひら返し”をする人も少なくない。『ABEMA Prime』では、残りわずかの大阪・関西万博は、現時点でどのような評価となるのか考えた。

■閉幕間近で大混雑 持っていても入れない「死に券」130万枚

死に券

 万博チケットの購入法は、8月17日までは「来場日時未定」チケットを発売(「1日券」大人7500円)し、購入後に来場日時を指定できる仕組みで、「通期パス」(3万円)、「夏パス」(1万2000円)も用意されていた。これが8月18日から、購入時「日時指定が必須」になった。博覧会協会の高科副事務総長は、7月の時点で「早期の予約を強くおすすめ。購入したけど希望日に行けないという事態が起きないように」と呼びかけていた。

 万博協会によると、すでに閉幕(10月13日)までの来場予約枠が完売(累計一般来場者数2052万6483人、9月20日時点)。買ったものの、来場予約をしていない“未使用券”が約130万枚超にのぼる。なお愛知万博では未使用券が99万枚(5.7%)だった。日本国際博覧会協会・石毛事務総長は9月8日、「希望の日時に来場予約ができなくても払い戻しはしない」(朝日新聞社)とコメントしている。

 大阪府議会議員の山田けんた氏は、未使用チケットについて「返金すべき」と主張している。「チケットの説明文には『会期中に購入でき、いつでも1回入場可能』と書いてある。それでも残り3週間がすべて満席なのは、消費者庁マターではないか。予約の上限があり、『行けない日時がある』とは書いてあるが、『行けない期間がある』とは書いていない。払い戻しも『協会が認めればできる』という規約のため、柔軟に検討して欲しい」。

 フリージャーナリストの林信行氏は、「2023年時点で、前売り券の売れ行きが悪いからと、企業に約700万枚購入させていた。JR西日本は、社員に3枚ずつ、契約社員は1枚ずつ配った。そういう人たちが、チケット返金で得するとなると、何か違うのではないか」と指摘する。

 「2ちゃんねる」創設者のひろゆき氏も、「企業がタダ同然でもらった券を、国が税金で買い取るのはマズい。買い取りは無理なので、行けるように最大限の努力はするが、映画の前売り券のように『期限が過ぎた』はいくらでもあると思って、みんな買っているだろう。文句を言うのなら、8月に行っておけば良かった」と同調する。

 林氏によると、「ミャクミャクは『気持ち悪い』と言われていたが、手のひら返しですごい売り上げだ。友人が万博に出展しているが、今年の売り上げがミャクミャクグッズだけで達成したという。それだけ高い収益性がある」そうだ。

 一方で「予約システムなどのシミュレーションがダメだった。そのぶん各パビリオンが工夫して、並ばずに中に入れるようにしたが、すべての工夫を把握するのは無理で、混乱が生じている」とも語る。

 行列ができるパビリオンには、一定の傾向があるようだ。「人気のイタリア館では、日本との関係性を伝える映像が、5分ほど流れる。その空間に入れるのが40〜50人ずつでストップしてしまう。フランス館やスペイン館は、すべてのコンテンツが数分ずつで回り続け、常に人が流れる」。

■問題点も開催中にクリア 開幕後の評価を上げた万博に7割が「満足」

7割が満足

 指摘された万博の問題点としては、「万博予算の増大」「工期の遅れ」「2億円トイレ無駄論」「大屋根リング不要論」「パビリオンの工事費未払い問題」などがあった。とはいえ、来場者の7割が万博に「満足」しているというデータもある。三菱総合研究所が万博に来場した経験のある20〜60歳代の男女500人を対象に行ったアンケートでは、大変満足26.4%、満足46.6%、普通19.6%、不満5.6%、大変不満1.8%との結果が出た。

 林氏は「手のひら返しはいいことだ」と感じている。「東京オリンピックでキャンセルカルチャーが起き、今後大きな国家事業ができなくなると絶望した。今回の万博では、ユスリカの大発生にせよ、ほぼ2週間で問題が解決している。水質汚染についても、汚染の可能性があったため、一時中止して調査しただけだが、ソーシャルメディアでは『地球の終わり』のように騒がれた。批判は悪くないが、必要以上に言う必要があるのか」。

 ひろゆき氏は「営利企業ではないから万博は面白い。営利企業であれば、たくさん入ってもらい、さっさと見てもらうのが正解だ。ただ万博は金でやっているわけではないから、少人数にしか見せないパビリオンがあっていい」と考えている。

 そして、「ホスピタリティや効率性を追求しない。建設費もめちゃくちゃかかり、ペイするわけがない。税金やスポンサーにより、採算が合わず、他のところで見られないものを見るイベントだ。効率を考えた時点で、万博ではなくなる」との持論を述べた。

 一方で、ひろゆき氏はかつて、万博を批判していたこともある。ここを問われると「パビリオンの具体的な情報が一切なかった。何が面白いのかわからずに、赤字確実なのだとすれば、やらない方がいいと思った」と弁明する。

 しかし「採算度外視でおもしろいものを作れるのが万博だ」といった観点からは、好意的に見ている、「民間の遊園地も面白いが、採算性を取ってしまう。万博では落合陽一氏のnull2(ヌルヌル)やiPS細胞を見られるなど、採算度外視のものがある。行ける人は行った方がいいイベントという意味で、『行く価値がある』と言った」。 (『ABEMA Prime』より)

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