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命を救うドクターヘリが整備士不足で飛ばせない拠点が出てきています。また、都市部にある車の整備工場でも、整備士が足りず廃業が相次ぎ、その影響が広がっています。
ドクターヘリが10月運休へ
急病人の搬送に活躍するドクターヘリ。先週、ある運航会社のホームページには運休を知らせる案内が掲載されました。
ヒラタ学園のリリース
「継続的な運航体制の維持が困難となり、一部の運休をせざるを得ない状況となりました」
「継続的な運航体制の維持が困難となり、一部の運休をせざるを得ない状況となりました」
運休の知らせが出るのは、今年2回目。理由は整備士の不足です。休職や退職が相次ぎ、残った整備士に十分な休みを確保できない状況になっています。
来月は、東京や大阪など全国10の拠点で4日から6日間、ドクターヘリを運休します。
ヒラタ学園の担当者
「他社と駆け付けられるエリアをカバーし合って、本当に必要な時に飛ばせないことがないように努めます」
「他社と駆け付けられるエリアをカバーし合って、本当に必要な時に飛ばせないことがないように努めます」
自動車整備の志願者が過去最低
整備士が足りないのは、ドクターヘリだけではありません。
福井自動車 土田千恵社長
「困った時にパッと整備ができない。『(車が)壊れたのですぐ何とかして』って整備ができる時代はもう終わりました」
「困った時にパッと整備ができない。『(車が)壊れたのですぐ何とかして』って整備ができる時代はもう終わりました」
東京・千代田区にある車の整備工場。顧客の8割は仕事で「公用車」や「配送車」を扱う法人ですが、周りの整備工場が次々と廃業し、依頼が集中しているといいます。
「40年くらい前は、千代田区だけで(整備工場が)40社くらいあった。それが今は10社を切りました。そうすると、残っている整備工場に集中してしまうので、予約がまず取れなくなる。整備にも時間がかかる。何日間も(車を使った)仕事ができないことになってしまう」
国家資格でもある「自動車整備士」の志願者数は、昨年度3万5504人で、ピークだった2004年度の半分以下になっています。
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相次ぐ廃業 業務は増加
新しい“なり手”が減っていることに加えて、こんな影響もあります。
「(自動車に)いろんな機能が追加されている分、“新しい整備”の作業も増えてきている。そのための人材も“育成”していかないといけない」
例えば、4年前から搭載が義務化されている「自動ブレーキ」。カメラやレーダーが周囲を正しく捉えているか、新しい装置を使って確認します。
「車検」も最近は電子化されていて、タブレットの操作に慣れない高齢の整備士もいるといいます。
「あれもこれもできないんだったら、マンションに建て替えて貸す方が、都心だったらいいよねってなれば、(整備工場を)やめちゃう。整備士の給料が一般の平均よりも100万円近く低い。まずは整備士の雇用条件を上げていかないと」
整備士の待遇を改善するには、これまで無料にしていた「洗車」や「代車」の費用などの見直しが必要だといいます。
「部品の値段も上がっているので、ここも価格転嫁しないといけない。どうしても自動車って税金もすごくかかるじゃないですか。そういうところを(減税して)少し抑えていただいて、一般ユーザーの負担があまり増えないような状態で、(整備士の待遇を)整えていく必要性はすごくあるのではと思います」
(「グッド!モーニング」2025年9月29日放送分より)
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