社会

ABEMA NEWS

2025年10月1日 12:01

「制度自体がおかしい」ふるさと納税“ポイント廃止”&認定取り消し…課題山積でもやめられない事情に専門家が指摘

「制度自体がおかしい」ふるさと納税“ポイント廃止”&認定取り消し…課題山積でもやめられない事情に専門家が指摘
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 10月1日から、ふるさと納税は仲介サイトのポイントの付与がなくなる。これまではポータルサイトなどを通じて10万円を寄付すると3万円相当までの返礼品がもらえた上、ポイントももらえたが、このポイント付与ができなくなった。

【映像】ふるさと納税“ルール違反”で取り消しとなった3自治体

 地域経済の問題に詳しい神戸国際大学の中村智彦教授は「根本的に制度自体がおかしい」と指摘する。

「富裕層が得する制度、たくさんお金を持っている人が、たくさん(税金を)返してもらえる制度になっている。また、大都市部から多額の税金が流出してしまい、都心の自治体からはインフラの整備が難しくなるということで抗議の声が上がっている」(中村智彦教授、以下同)

 ふるさと納税には、返礼品の調達費も含めた経費を5割以下にしなければならないというルールがある。このルール違反で、9月30日から3つの自治体が指定対象外となった。ふるさと納税は地域のためになっているのだろうか。

「自分たちの商品が売れて活性化しているところもある一方で、市町村によってはふるさと納税の収入に依存してしまっているところも出てきている。それは本来の趣旨ではないし、ふるさと納税をやめたら、その自治体は存続できなくなる」

「ふるさと納税のルールを厳しくすることで、制度を使う人が減る。総務省は、徐々に制度をフェードアウトさせたい、というのが本音だと思う」

 またニュース番組『ABEMAヒルズ』コメンテーターで、ダイヤモンド・ライフ編集長の 神庭亮介氏は、以下のように見解を示す。

「個人として最適な行動(=ミクロ)と、行政や経済に最適な行動(=マクロ)が一致していないという典型的な合成の誤謬だ。最大限に利益を享受しようと個人個人が動いた結果、社会全体としては歪んだ方向に進んでしまう」(神庭亮介氏、以下同)

「私も含めて、税金や社会保険料が高く、どうにかして取り戻したいと思っている人は多い。ふるさと納税は必要悪のようなもので、多くの人はふるさと“減税”、ふるさと“節税”という意識だろう。逆に言えば、十分な減税さえ受けられるなら、途中に『ふるさとの特産品』という要素を介在させる必要はないのではないか」

(『ABEMAヒルズ』より)

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