社会

ABEMA NEWS

2025年10月1日 12:31

外国人客にとっては「当たり前」も店員は困惑…日本で“チップ”は普及する? 税務上の懸念も

外国人客にとっては「当たり前」も店員は困惑…日本で“チップ”は普及する? 税務上の懸念も
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 今年上半期、日本を訪れた外国人観光客は2000万人を超え、過去最多となった。チップにどう対応するか、対応を迫られている。

【映像】チップに店員困惑…外国人は“ビックリ”(実際の映像)

 オーストラリアからの観光客は「日本のレストランでチップを払おうとしたけど、店員さんが気まずい感じになってしまった」と苦笑。「渋谷のレストランできのう払ったよ。席にチップを置いて店から出たわ」と語るロシアからの観光客。「なんで払おうと思ったの?」と尋ねると「なんで!? 当たり前のことじゃん」と驚いていた。外国人客らは日本に来て当たり前にチップを払おうとするが、相手が困った顔をするので渡す側も困ってしまうという。

 もらう側はどうなのか、ABEMA的ニュースショーは外国人観光客が利用するお店や施設など30件以上に取材を申し入れた。「回答は差し控えたい」と取材には応じてくれなかったものの、「従業員に任せている」という声も聞いた。

 浅草の着物店「龍巳メンズ館」の雄太店長は「チップって結局気分でしょ。あんまり『いらない、いらない』って言っても失礼に当たるし、状況で判断。チップが義務になると面白くない。『しなければならない』は面白くない」と複雑な思いを口にした。

 日本は従来からおもてなしの文化。サービスは料金に含まれていることが多いが、本来おもてなしにお金は不要という風習が根強い。では、今後日本でもチップ制度が一般的になったらどうか。日本人観光客に「チップを払ったことは?」と尋ねると「ないです」「払ったことない」「払いたくない」と答えて「おもてなし文化だから、日本はそれが当たり前な感じ」「物価高。それじゃなくてもお金がかかるので余計なところにはお金をかけたくない」と理由を語った。

 元国税調査官の根元和彦さんは「店員が個人で受け取った場合は雑所得。チップでもらったお金が年間20万円以下であれば確定申告をする必要はない。いったんお店に(チップが)集まってから従業員さんに渡した場合は給料という扱いになる」と指摘

 もしチップを秘密にした場合については「税務署に把握されたとしたら追徴されて、過少申告加算税という10〜15パーセントがプラスされる」と解説した。

 月島もんじゃ「ウマウマ」では新しい取り組みを始めていた。モバイルオーダーの中にチップの金額を選べる機能があり、チップをお会計に乗せて支払えるシステムになっている。ウマウマの村井さんは「海外の飲食店従業員はチップのおかげで給料が高いので、日本もそうなったら飲食業界がもっと良くなる」と語った。

(『ABEMA的ニュースショー』より)

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