中国で延べ23億人以上が大移動するという秋の大型連休・国慶節が始まりました。今年も海外旅行先の一番人気は日本です。万博の開催もあり、特に中国からの旅行客が増えているのが関西国際空港です。
牛肉持ち込んだ男性「私に捨てろということか?」
中国国内の高速道路を捉えた映像を見ると、まるでイルミネーションのように車のブレーキランプが輝き、大量の車が列をなしているのが分かります。
世界遺産・万里の長城では人がすし詰め状態で先に進めないほどに。中国では国慶節に伴う大型連休が始まり、各地で大混雑。この8日間で延べ23億人以上が国内外へ移動すると言われています。
「東京の中を散策して有名なグルメを食べます。トンカツ、カレーとか」
日本旅行する女性
「コンサートが横浜で開催されるから見に行くの。ついでに花火大会も見るわ」
中国の旅行サイトによると、行きたい旅行先で人気ナンバーワンに輝いたのは日本。特に今年は万博が開かれている大阪が人気を博しています。
関西国際空港では外から多くの観光客が来ています。検査カウンターでは手荷物の中に持ち込み禁止品が含まれていないか検査をしています。
持ち込まれた荷物の中に禁止品がないか、日々最前線で検査をし安全を守る「動植物検疫」。
こちらは中国・武漢から来た男性。荷物の中から出てきたのは謎の黒い小さな袋。
「これは牛?」
男性
「ああ、牛だよ」
正体は牛肉。持ち込みは禁止されていますが…。
「牛肉だよ、牛肉!私たちが海外旅行に行く時は皆これを必ず食べるんだ」
家族3人で日本へのツアーを申し込み来日。旅行の合間のおやつとして持ってきたといいます。
ここでガイドも駆け付け、持ち込めないことを伝えると、男性は不機嫌になり問い掛けますが…。
「こういう肉製品は全部持ち込めないですよ!」
男性
「分かったよ!私に捨てろということか?」
ガイド
「捨てて下さい」
周囲の説得もあり、男性は牛肉が入った袋を渡し、その場を後にしました。
家畜の伝染病の侵入を防ぐため、肉類や卵などは海外からの持ち込みが禁止されています。禁止品が持ち込まれていないか検査しているのが「動物検疫所」です。
服の中から大量のソーセージ「隠してる?」
禁止品が持ち込まれる中、水際の対応で検査官たちが頼りにしている相棒の存在が、動植物検疫探知犬です。入国した人たちの荷物の中に持ち込みが禁止されている肉製品や野菜などが入っていないか、次々と嗅いでいきます。
どう知らせるのかというと、荷物のにおいを嗅いでお座り。このお座りこそ、持ち込み禁止品が含まれている可能性がある合図です。
中国・上海から旅行で来た夫婦。今では入手困難な万博のチケットをゲット。連休中に観光するといいます。
荷物から出てきたのは、持ち込み禁止であるリンゴなどの果物。
「これ今食べようと思って…」
検査官
「NO!EAT!」
その場で食べようとする男性でしたが、検査官から制止され、しぶしぶ応じました。
先月30日時点で摘発した禁止品件数は87件。毎日ほぼ同じくらいの持ち込み禁止品が出てくるといいます。
多くの外国人観光客が訪れるなか、持ち込み禁止品は中国人観光客だけでなく…。
インドネシアから仕事で来たという女性。キャリーケースの中にはいっぱいの荷物があります。
「ちょっと確認します。これオニオン?」
女性
「はい、そうです!」
一つずつチェックしていく中、ピンク色の衣類の下にある紺色の衣類をすぐさま手にする女性。検査官がチェックする前にすかさず回収した理由。それは、なんと服の中に大量のソーセージが。
「これパティって書いてあるね」
女性
「ビーフ」
検査官
「ビーフだよね。そうそう。これダメだ」
まさかの状態で見つかった持ち込み禁止品、検査官が問いただします。
「これなんで服に巻いてあるんですか?」
女性
「中でボトルぶつかるから。それから…」
検査官
「隠しているとかじゃないですか?」
女性
「じゃないです!」
「隠していたのではない」と強く主張する女性ですが、服に貼り付いたソーセージをはがしていく女性。そのまま検査を通過するつもりだったのでしょうか?
念入りに検査を続けますが、服に隠していたソーセージ以外は特に問題がなく終了。
「海外に発生している病気が日本に入ってきちゃう可能性があるので、次から絶対に持ってこないで下さい」
女性
「はい、分かりました。すみません」
「私豚肉は食べるのダメだから。日本では豚肉のソーセージだけ。難しい…」
「韓国は2000円くらい」のコメ持ち込み
韓国から来た男性は、何やら大きなオレンジ色の袋を持っています。
「あーそれか!中が見たいんですよね。開けてもいいですか?」
男性
「うわー開けたらさ…」
袋を開けるのを拒み続けます。
「テープはあるので!」
男性
「テープは大丈夫ですけど…あー…」
検査官
「中見ないと…」
男性
「あーいやいや大丈夫です」
検査官
「いいですかね?すみません!」
開けるのを拒み続けていましたが、しぶしぶ納得し袋を開けると、なんと中には大量のコメが。
「おコメですよ?」
検査官
「そうなんですけど、病害虫が(コメに)いないことを確認しないとダメなので…」
海外からの新たな病害虫が日本に侵入するのを防ぐため、植物防疫所では生の野菜や果物などが持ち込まれていないか検査をしています。
「はい、問題ありません。ありがとうございます!閉めていただいて大丈夫です」
男性は検査証明書を持っていたためクリアしました。持ってきた理由を聞くと…。
大阪で店を営む兄のために韓国から持ってきたといいます。韓国のコメの値段について聞くと…。
日本より値段の安い母国から持ってきたおコメとともに、兄のもとへと向かっていきました。
持ち込まれた禁止品の数々。多くの外国人が訪れるなか、今後も厳しく検査していくといいます。
河本俊博次長
「外国から肉製品を日本に持ち込ませない。各国で使われているSNSを使って、日本の動物検疫制度の周知にも取り組んでいるところではあります」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年10月2日放送分より)