大阪府東大阪市で元交際相手の佐藤ありささん(33)を刃物で刺して殺害したとして、自営業の永久寛史容疑者(51)が逮捕されました。亡くなった佐藤さんは3年ほど前から「胸ぐらをつかまれる」などのトラブルを複数回、警察に相談していました。事件の4日前にも口論となり、110番通報していたということです。
51歳の男 店舗兼住宅で殺害か
現場となったのは、近鉄奈良線の枚岡駅から700メートルほど離れたところにある、店舗兼住宅。佐藤さんは3階の部屋で、床の上に血を流して倒れている状態で見つかり、腕などには複数回刺された傷がありました。
事件は1日午後1時半過ぎ、永久容疑者が「人を刺した」と警察に出頭してきたことで発覚します。
直後、佐藤さんの知人男性からも110番通報が。「佐藤さんが元彼の家に行ったので、近くまで送った。車で待っていたが、なかなか戻ってこず、監禁されているかもしれない」といった内容でした。
午後2時ごろ、永久容疑者の自宅を訪れた警察官が佐藤さんを発見。その場で死亡が確認されました。玄関には鍵がかけられていたといいます。
数年前から交際していたとみられる2人。永久容疑者が経営するバーに通う客は1カ月ほど前、2人に会っていました。
「基本マスター(永久容疑者)が1人。忙しくなったら手伝いに降りてくる」
(Q.佐藤さんが)
「そうですね。私が知っているのは(一緒に)暮らしてたような感じ」
しかし、つい最近になって。
(Q.(容疑者と)一番最後に会ったのは)
「4日前かな9月末。いつもだったら佐藤さんに会うんだけど、いなかったので『どうしたの』って聞いたら『別れた』って」
警察にトラブル相談 4日前も口論
佐藤さんは3年前から複数回にわたり、警察にトラブルを相談していたことも新たに分かりました。
「見かけたのは1年ちょっと前。(店の前に)警察官が立っていた」
2022年6月以降、警察による介入は合わせて5回。「胸ぐらをつかまれた」などの軽微な暴行や「口論になった」という相談を佐藤さんがしていたといいます。
直近では事件4日前の先月27日、佐藤さんが永久容疑者の家に荷物を取りに行った時に口論になったといいます。ただ、佐藤さんは事件化を望んでいなかったため、警察は、永久容疑者への口頭注意で対応を終えていたということです。
10年前に離婚したという元妻が取材に答えました。現在、永久容疑者との間にできた子どもと生活しています。
「『こんな人間おるか』って思うぐらいのド地獄でした。正直、私も子どもたちも恨みつらみしかなくて。私も子どもたちと一緒に、その時はずーっとストーカー行為受けていた。突然キレるんですよ。子どもも投げ飛ばされたり、いきなりバーンって。とにかく暴れた。携帯も木端みじんになるまで割られたり、私の指をひねって引っ張って剥離(はくり)骨折とか、すぐけがさせちゃう」
取り調べに対し、永久容疑者は容疑を認めています。
「私の中で感情が一気に暴発してしまい、殺意を持って刃物で刺した。当然、包丁で人を刺すと死んでしまうと十分に理解しています」