列車同士の衝突から18時間。帰宅ラッシュを迎えた今も影響が続いています。事故はなぜ起きたのでしょうか。
田園都市線“衝突”混乱続く
列車事故の混乱は、帰宅ラッシュを迎えた今も続いています。なぜ列車同士が衝突したのか。なぜ影響は6日にまで及んだのでしょうか。
事故が起きたのは、5日午後11時すぎ。
「もうすぐ鷺沼とアナウンスが流れて、すごい音がなって揺れて急停止した」
事故を起こした当該の列車。衝突した車体には、大きく傷が入りめくれ上がっています。車輪は脱線している状態です。
「急に大きい音がして、止まったと思ったらもう動かない感じ。ざわざわし始めてやばいのかなと」
見習い期間中だった運転士が運転する列車。速度超過が事故につながったことが分かってきました。
運転士は見習い中…なにが?
東急田園都市線で起きた列車同士の衝突事故。午後4時を過ぎ、まだ列車に遅れが出るなどの影響が続いています。
5日午後11時すぎに東急電鉄から通報が入ります。
「梶が谷駅で上りの電車で、電車同士の接触でけが人なし。遅延あり」
東京・渋谷と神奈川・中央林間を結ぶ東急田園都市線。およそ115万人が利用する首都圏の大動脈です。
事故が起きたのはその中ほどに位置する梶が谷駅。渋谷から鷺沼駅の間で運転を見合わせました。
5日午後11時すぎ、田園都市線の梶が谷駅に向かう上りの普通列車が、停車していた回送列車に衝突しました。
回送列車は、速度超過していたためオーバーラン防止の信号を受信。所定の位置より手前で停止。最後尾の車両がはみ出し、普通列車がぶつかりました。
回送列車には、見習い運転士と指導係の運転士が乗っていました。普通列車の運転士は、非常ブレーキを操作したものの、間に合わなかったということです。
「最後部の車両が残っていた時に各駅停車が入ってきた。普通だとATC(自動列車制御装置)が止めるが、ちょうど間の悪い微妙なところで、ATCが働かなかった」
事故車両の乗客は、梶が谷駅で降ろされました。
「2時間待たされて、外に出された。『タクシー乗って帰って下さい』と」
「(Q.タクシーは見つかった?)見つからない。電話してもタクシーが出払っているから、他の所に電話したら『アプリでやってください』『電話では対応しない』と言われた」
列車衝突から18時間…“混乱”続く
不可解な点は、一夜明けた6日も、運転が再開しなかったこと。
「大井町線、田園都市線ともに溝の口駅からの運転再開の見込みがたっておりません」
二子玉川駅前、多摩川にかかる橋を動かない列車を横目に多くの人が会社や学校を目指します。
「宮崎台(駅)から1時間ちょっとくらい歩いた。大学の授業があったので毎日の電車のありがたみを感じられそう」
列車だけではありません。車やタクシーを利用した人も多く、並行して走る国道246号も渋滞。そのため振り替え輸送のバスも満員。
「午前9時15分から(待ってる)」
「(Q.1時間半待っているが)しんどい」
「3分おきに来てるというけど本当に来てるかしら?」
列車もバスも再開のめどが立たないなか、こちらはフル稼働です。駒沢大学駅付近、レンタルキックボードが60台止められる場所が、1台しかない状況となっていました。
「これがないと行けないので、助かりました」
人身事故など、数時間で復旧するケースもあるなか、なぜ運転再開が遅れたのでしょうか?
「国の運輸安全委員会の事故調がぶつかり方がおかしいと、調査が入ったためにとまっている。珍しい事故だと調査が入ったオーケーが出れば2時間以内くらいに復旧できるはず」