社会

グッド!モーニング

2025年10月8日 12:36

沖縄・宮古島5m巨大人食いザメ ジョーズ級vsハンター死闘 漁業&観光業に深刻影響

沖縄・宮古島5m巨大人食いザメ ジョーズ級vsハンター死闘 漁業&観光業に深刻影響
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 観光地・沖縄県の宮古島で、島民を悩ませているのが「巨大人食いザメ」です。漁業や観光業に深刻な影響が出るなかで、島民の生活を守るため、サメの駆除を行うハンターの姿を追いました。

ジョーズ級vsハンター死闘

 日本有数のリゾート地・沖縄県の宮古島。海の透明度が高い今の時期、ビーチは多くの観光客でにぎわっています。

 しかし、この美しい海を巡り、島民の間ではある不安が…。それは、頻繁に出没するサメの存在です。宮古島の近海では、サメによる被害が続出しているということです。

サメが魚を奪う“横取り被害”多発
サメが魚を奪う“横取り被害”多発

 沖縄県では、漁師が釣り上げている最中の魚をサメが奪う“横取り被害”が多発。被害は年々、増加傾向にあるといいます。

漁師
「この近海はサメの被害で、ひどい時は(魚が)1匹も上がってこない。漁師の島に、サメは百害あっても一利もない」
DIVE宮古島オーナーの砂川博一さん(70)
DIVE宮古島オーナーの砂川博一さん(70)

 サメが増え続ければ、観光客が襲われる恐れもあります。そうした事態を避けるために活動しているのが、DIVE宮古島オーナーの砂川博一さん(70)です。

 漁師とダイビングショップ経営の“二刀流”をこなしつつ、40年にわたってサメの駆除も行っています。

 人望が厚い砂川さんの元には、県外から来た多くの常連客の姿がありました。

常連客
「(宮古島にいる時は)絶対毎日来る。たまり場みたい」
「(みんな)ヒロさんに集まっている。ダイビングとは別で。だいたい月1回、1週間(砂川さんに)会いに。会いにだけ」
釣り針の大きさも通常の倍以上
釣り針の大きさも通常の倍以上

 常連客の協力を得て、サメの駆除に臨みます。今回のターゲットは3メートル以上の大型のサメで、釣り針の大きさも通常の倍以上です。

 仕掛けを海中に沈めると、いったんそのまま陸に戻ります。翌日、決戦の日を迎えます。

砂川さん
「大きい(サメ)が掛かっているように、お祈りしようか」
「じゃあ、行こうか」
果たしてサメは…
果たしてサメは…

 仕掛けを沈めた場所まで向かいます。果たして、サメは掛かっているのでしょうか?

砂川さん
「ほら、掛かってるでしょ!しっかりつかんでおけよ!」

ハンター1時間命がけ対決

体長5m超えジョーズ級のイタチザメ
体長5m超えジョーズ級のイタチザメ

 すぐさまロープを手繰り寄せると、現れたのは体長5メートルはゆうに超える「ジョーズ」級のイタチザメ。雑食で攻撃性が高く、人を襲うことでも知られています。

激しく抵抗する巨大ザメ
激しく抵抗する巨大ザメ

 大人数で協力してサメを引き上げようとしますが、激しく抵抗する巨大ザメとの戦い。砂川さんはサメが海面上に姿を見せる一瞬を狙って、モリを打ち込もうとします。

砂川さん
「頭狙え!今だ今!早く抜け!」
ようやく仕留めることができた巨大ザメ
ようやく仕留めることができた巨大ザメ

 そして激闘の末、ようやく仕留めることができた巨大なサメ。発見から駆除までに1時間近くかかりました。砂川さんが手にした折れかけのモリが、サメの力の強さを物語っています。

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観光客恐怖「泳ぐの怖い」

合計4匹のサメを駆除
合計4匹のサメを駆除

 この日は合計4匹のサメを駆除。その中には仕掛けに引っ掛かり、海の中ですでに死んでいた個体もいました。

腹がパンパンに膨らんだメス
腹がパンパンに膨らんだメス

 遠目にはあまり大きくないように見えますが、実際に引き揚げてみると巨大です。腹がパンパンに膨らんだメスです。腹の中には、数十匹の赤ちゃんがいるといいます。

トラックからはみ出るほど…
トラックからはみ出るほど…

 港に戻ると、すぐさまクレーン車を使って引き揚げ。改めてサメの大きさが伝わってきます。トラックの荷台に載せますが、はみ出すほどです。

埼玉県から来た観光客
「これが海にいると思うと、泳ぐのが怖くなります。マジでこれ怖い」
地域活性化につなげる新たな試み
地域活性化につなげる新たな試み

 地元の高校では解体したサメの肉を料理として提供したり、それらを体験するツアーを企画したりするなど、地域の活性化につなげる新たな試みが始まっています。

「駿河湾にも」温暖化異変

東海大学 海洋学部 海洋生物学科 堀江琢准教授
東海大学 海洋学部 海洋生物学科 堀江琢准教授

 しかし、なぜ宮古島近海でサメが増えているのでしょうか?

東海大学 海洋学部 海洋生物学科
堀江琢准教授

「地球温暖化などで魚種が今までいた生息域とちょっと変わっている。そういった影響もあるのかもしれない」
「最近は(駿河湾でも)小さいイタチザメも出現」
「最近は(駿河湾でも)小さいイタチザメも出現」

 今後、本州近海でもサメの出没が増える可能性があるといいます。

「分布域がどんどん北のほうに上がってきている。昔はほとんど出現しなかったけど、最近は(駿河湾でも)小さいイタチザメも出現するようになってきた」
砂川さんが胸に秘める思い
砂川さんが胸に秘める思い

 そうしたなか、サメに立ち向かい続ける砂川さん。胸に秘める思いを聞きました。

「(観光客が襲われたら)宮古の経済、3割くらいは落ちる。若い人がよく来ているから。(観光客が)来なくなる。(サメを)捕らないと、観光客1人でも(襲われたら)怖いから」

(「グッド!モーニング」2025年10月8日放送分より)

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