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2025年10月8日 19:33

散歩中の女性をクマが襲撃 スーパー“侵入”も 被害相次ぐ

散歩中の女性をクマが襲撃 スーパー“侵入”も 被害相次ぐ
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 8日も各地でクマによる被害が相次ぎました。秋田では散歩中の女性がクマに襲われる瞬間が撮影されていました。

散歩中の女性を…クマが襲撃

 専門家も珍しいと言う、クマが人を襲う一部始終を捉えた映像。白い帽子の女性が、散歩をしています。道路の向こう側を見ると、黒い影がクマです。女性の後を追うように立ち止まり、走り始めます。

追いかけるように走るクマ
追いかけるように走るクマ

 2つ目の防犯カメラの映像。まだクマは、追いかけるように走っています。

女性に飛び掛かるクマ
女性に飛び掛かるクマ

 そして3つ目の防犯カメラで…。女性に飛び掛かり、クマはその後、かなりの速さで画面奥に走り去ります。体長は80センチほど。

 女性は通りかかった車に助けを求めます。その後車に乗り、近くのコンビニに駆け込み、店員が消防に通報しました。女性は目の下を一針縫うけがをしました。

防犯カメラ映像提供者
「初めてです。よそではいろんな所でクマが出たと大騒ぎしてますが、ここの周辺では初めてですね」
周辺にはJRが走る
周辺にはJRが走る

 現場は、秋田県大仙市内にある国道。周辺にはJRが走り、スーパーや道の駅もある市街地。さらに拡大すると、川を挟んで山があることが分かります。

大仙市の職員
「人通りが多い所にクマが出ない。大前提であるので、そういう所にも頻繁に出てくると対応が難しい」
岩手大学農学部 山内貴義准教授
「あれはパニック状態になっている。視界に入る人をかたっぱしから襲ってくる。どつくとか、外にはじき出すとか、そういう攻撃はよくある。パニック状態がよく分かったので貴重な映像だと思う」
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「レジに行ったらクマが」 住民緊迫

 クマの被害は、東北だけではありません。

 スーパーの店内に見える黒い影、クマです。あわてるそぶりはなく、ゆっくりと退店するクマ。

群馬県沼田市
群馬県沼田市

 駐車場の写真、車が数台止まっています。この時店内には、30〜40人の客がいたということです。クマが立ち去った店には、ひび割れたすしのショーケースが残されていました。

店の関係者
「確認に行ったらクマと鉢合わせした」

 群馬県沼田市のスーパーの店内にクマが侵入。男性客(76)、男性客(69)の2人が軽傷でした。クマと争った店の関係者の腕には、クマに付いていた血が残されています。

腕にはクマに付いていた血が…
腕にはクマに付いていた血が…
店の関係者
「ちょっとこのへんつかまれて。払いのけたら店内の方にまたどっか行っちゃった」

 現場は、沼田駅から2キロほどにあるスーパー。周辺には住宅も点在します。

 クマの足取りが分かってきました。

 店の外にあるごみ箱をあさっていたクマ。外にいた男性を襲います。

鮮魚売り場を荒らし、すし売り場へ
鮮魚売り場を荒らし、すし売り場へ

 店内に入ってすぐの所の、果物売り場には荒らされた様子はなく、奥にあった鮮魚売り場を荒らし、さらに、奥にあるすし売り場に向かいます。

 店内では客の男性(76)がクマに襲われました。両腕をクマに引っかかれ、病院に搬送されました。もはや、買い物中も安全とは言えない状況。

 スーパーにはクマよけ鈴を持参した客も…。

買い物客
「山に行かなくても出てくるね。歩く時は(鈴を)着ける」
「今まで他人事な感じはしてたが、他人事ではない感じ」

 8日に秋田でも起きたクマ被害。立地の共通点がありました。

岩手大学農学部 山内貴義准教授
岩手大学農学部 山内貴義准教授
山内准教授
「森林とかもしくは、川ですね。川が一番アクセスしやすくて。河畔林で草がボーボー生えていると、夜であれば全く気がつかずに街中まで出てこられる」

 長野県飯田市でも、住宅の庭を走るクマが目撃されています。

果樹農家
「今、ちょうど収穫の直前なので。私たち生活しているので、クマも山奥へ戻って行ってもらいたい」
岩手県北上市
岩手県北上市

 岩手県北上市内の山林で、男性とみられる遺体が見つかりました。引っかかれたような傷があり、警察は、クマに襲われたとみています。この山では、キノコ採りに出掛けていた男性(73)が行方不明になっています。

被害急増 「2年前」がカギ

宮城県加美町
宮城県加美町

 先月、宮城県で撮られた映像。物置のような建物にいるクマが映し出されています。ニワトリや七面鳥が食べられる被害が出ています。

 この10年で過去最多となったクマ被害。なぜ被害が増えているのでしょうか。

山内准教授
「今年はかなりエサが不足していておなかを空かせているクマが多い。10・11月はどんぐりやブナの実を選択的に食べて冬眠に備えるが、エサ資源が今年は少ない。身体の小さい個体、親子連れが外にはじき出され、街中まで出ている」

 さらに、2年前にも相次いだクマの出没。“アーバンベア”が成長したという見立てもあります。

“アーバンベア”が成長したという見立ても
“アーバンベア”が成長したという見立ても
「2年前、ブナが大凶作の年があってクマが多く出た。その時の(学習した)個体が今、人身事故を起こしている可能性」
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