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2025年10月9日 20:56

クマ襲撃相次ぐ 秋田は3.5倍 市街地でも「常識通用しない」人狙うワケ

クマ襲撃相次ぐ 秋田は3.5倍 市街地でも「常識通用しない」人狙うワケ
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 9日朝に捕獲されたヒグマの映像です。大きく鋭い爪も確認できます。相次ぐクマの被害、秋田では出没情報が去年の3.5倍に上っています。

巨大ヒグマ2m超 市街地にも

猟友会
「2025年10月9日。箱罠ナンバー1。ヒグマ1頭捕獲した」

 9日朝、箱罠にかかったのは、巨大なヒグマ。

猟友会
「箱罠を壊そうとしてほえている。ドアを壊そうとしている。結構でかい」

 北海道砂川市。地元猟友会が撮影しています。大きく鋭い爪を立てて暴れています。現場にいた猟友会の支部長に話を聞きました。

「捕獲しても、また入って来る」
「捕獲しても、また入って来る」
北海道猟友会 砂川支部
池上治男支部長

「(Q.大きさは?)2メートルは優に超えていて2メートル20センチかな。体重はおそらく200キロは優にある」
「(Q.なぜ箱罠を仕掛けていた?)目撃情報と、あまりにもヒグマは注意報が出ているくらい、かなり捕獲しても、また入って来る。母子ヒグマがかなりいた。餌(えさ)を求めて徘徊(はいかい)する」

 9日に捕獲したヒグマは他にも。砂川市の市街地では、朝も住宅の近くを移動する子グマが目撃されています。

小学校近くの踏切でヒグマが目撃
小学校近くの踏切でヒグマが目撃

 8日は午後4時半ごろに、小学校近くの踏切でヒグマが目撃されたことを受けて、猟友会が動きました。

 住宅から近い林に設置した箱罠です。

住宅から近い林に設置した箱罠
住宅から近い林に設置した箱罠
猟友会
「クマは間違いなく入っている。これから近づいて様子を見に行く」

 恐ろしいうなり声を上げ、威嚇してきます。体長は、約1メートル70センチ。

池上支部長
「いち早く夜明けとともに。町場に近いところだから。小学校など先に早朝に確認に行ったら、予想通り入っていた」
2カ月半ほどで9頭捕獲
2カ月半ほどで9頭捕獲

 この2カ月半ほどで、9頭捕まえています。

「個体数が多過ぎる。ヒグマを捕獲したとしてもまた縄張りの関係で入ってくる状況。キバで暴れてかじっている。それくらい獰猛(どうもう)であると。こういうヒグマの映像を皆さんに見てもらうことで、実際に人間が一人で立ち向かうことは絶対にできない」

 市街地では、クマによる被害が相次いでいます。

「常識通用しない」人狙うワケ

 秋田県では、散歩をしていた82歳の女性が突然クマに襲われました。体長80センチほどのクマは、飛び上がり、女性の顔を引っかきました。

「『わあ、クマだ』しか分からない」
「『わあ、クマだ』しか分からない」
クマに襲われた女性
「いや。びっくり。『わあ、クマだ』しか分からない。そのクマもガッとやって『クマだ』って言ったら逃げていったから良いけど、もっと襲われたら大変だった」
クマ出没情報
クマ出没情報

 東北では今年、クマの出没情報が去年よりも大幅に増えています。なかでも秋田県は去年より2210件も増え約3.5倍に。

 秋田市の住宅のすぐ目の前に現れたクマ。7日、住民が2階から撮影した映像です。人を気にする様子もなく、栗を食べています。この大胆な行動から、クマの目撃が増えている訳が見えてきました。

秋田市の住宅でも…
秋田市の住宅でも…
撮影者
「ポリポリ外から食べているような音が聞こえて、もしかしてすぐ近くに来ているかもと。懐中電灯で下を照らしてみたら、すぐそこまで来ていた。ここまで身近に出てくると注意して遭遇しないようにするだけでは、自分も含め家族に危険が及ぶと思うので。恐怖心はもちろん、警戒心もある」

 なぜクマは、人のすぐ近くまで迫ってくるのでしょうか?

岩手大学農学部 山内貴義准教授
岩手大学農学部 山内貴義准教授
岩手大学農学部 山内貴義准教授
「人慣れして人を恐れないクマが増え、一部の個体は行動が大胆に。去年まで(クマが)出なかったという常識が通用しない時代が来るかも。一段階、ギアを入れてクマ対策を本格的に進める必要がある」
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