社会

モーニングショー

2025年10月10日 19:08

台風22号が直撃の八丈島 停電・断水…自力で倒木撤去 風速50m超の暴風雨で深い爪痕

台風22号が直撃の八丈島 停電・断水…自力で倒木撤去 風速50m超の暴風雨で深い爪痕
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 9日、台風22号が直撃した八丈島では、観測史上最大の記録的な大雨となって50メートルを超える暴風も吹きました。建物の屋根などが飛ばされて、今も停電が続くなど住民の生活に影響が出ています。

車横転 建物倒壊…ベランダなくなる

 屋根が飛ばされてしまった建物。倉庫として使われていましたが、骨組みだけになってしまいました。

「風の音はすごかった」
「風の音はすごかった」
撮影者
「(Q.屋根はどこに?)全然分からない。結構散らばっていて。風の音はすごかった」

 建物の壁が吹き飛ばされ、道路にまで散らばった家財道具。

 台風の被害に遭う前と比べると、建物のほとんどが崩れ落ちているのが分かります。

建物のほとんどが崩れ落ちている
建物のほとんどが崩れ落ちている

 市街地では大きな被害にあった建物があちこちにありました。こちらの建物は外壁が崩れ落ち、その下には破片が広がっています。

 千切れた電線は道路にまで垂れ下がり、とても危険な状態です。

千切れた電線は道路に垂れ下がり危険な状態
千切れた電線は道路に垂れ下がり危険な状態

 被害に遭ったこちらのアパート。よく見ると、2階のベランダ部分が根こそぎなくなっています。ガラス戸も割れ、吹きさらしの状態に…。

2階のベランダ部分が根こそぎなくなっている
2階のベランダ部分が根こそぎなくなっている

 雨がおさまり外に出てみると、街中では何台もの車が横倒しになっていました。道路には建物の一部がそこら中に散らばっています。

街中では何台もの車が横倒しに
街中では何台もの車が横倒しに

倒木が道路封鎖…自力脱出

 これらの被害が確認されたのは、2つの山に挟まれた市街地です。

2つの山に挟まれた市街地
2つの山に挟まれた市街地

 風が吹き抜けやすい地形で、最大瞬間風速54.7メートルの暴風が確認されたのもこの地域でした。
 
 バーベキュー場の公衆トイレも便器がむき出しに。タンクも外れて水が漏れ出ています。その傍らには、がれきが散乱。

バーベキュー場の公衆トイレも便器がむき出しに
バーベキュー場の公衆トイレも便器がむき出しに

 養鶏場を営むカルディアファームの鈴木さんはこう話します。

カルディアファームの鈴木さん
カルディアファームの鈴木さん
「早朝まで自宅にいて6時に本格的にやばいと思って、(経営している)鶏舎に向かったんですよ。車に乗って。それでもう死ぬ思いをしながら運転して」

 9日朝、自宅からおよそ3キロ離れた鶏舎の様子を確認に向かったといいます。

鶏舎の様子を確認に向かった
鶏舎の様子を確認に向かった
「破損箇所を修復して、えさやりをして」

 幸い、被害は少なくニワトリたちも無事。しかし、その帰り道。

「帰れなくなっちゃったんです」
帰り道倒木でふさがれる
帰り道倒木でふさがれる

 来る時は通行できた道が倒木で完全にふさがれてしまったのです。

「私チェーンソーを使う仕事もしているので、たまたま車にチェーンソーが2台乗っていた」

 持っていたチェーンソーで、倒木を1本1本切断。

持っていたチェーンソーで倒木を1本1本切断
持っていたチェーンソーで倒木を1本1本切断
「自分で切って自分でどけた。1人でやって1時間ぐらいかかった」

 自力で倒木をどかして、ようやく自宅へ向かいましたが、その先にまたしても大きな倒木が。

その先にまたしても大きな倒木
その先にまたしても大きな倒木
「また車通れねえじゃんって、その時は1人のおじいさんが反対車線からきたので、一緒に(撤去作業を)やった」

 今度は2人掛かりで30分かけ倒木を撤去。通常5分の道のりが9日は3時間かかったそうです。

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記録的暴風雨の爪痕 町の景色一変

「線状降水帯」
「線状降水帯」

 非常に強い勢力を保ったまま伊豆諸島を直撃した「台風22号」。9日の朝5時半ごろ、そして8時半ごろと立て続けに「線状降水帯」が発生しました。

 これは国際宇宙ステーションから見た「台風22号」。台風の目がハッキリと確認できますが、それだけ勢力が強いという証拠です。

国際宇宙ステーションから見た「台風22号」
国際宇宙ステーションから見た「台風22号」

 そして最大瞬間風速54.7メートルが観測されたのは午前5時半ごろ。想像を絶するほどの雨と風に住民は…。

島民
「人の命とか、家が飛ばされるとか、そういうところの怖さが今も強くなっています」
50メートル超の風速を観測(20年ぶり)
50メートル超の風速を観測(20年ぶり)

 50メートルを超す風速を観測したのは20年ぶりのこと。

 これは9日午前6時ごろ、避難所から住民が撮影した映像です。

撮影者 ノリヒトさん
「あ、これ多分一歩でも外出したら吹っ飛ばされちゃうかもしれないな」

 町が設置したライブカメラでは、普段と景色が一変。9日は、猛烈な風雨で視界が真っ白に。画面に映っていた電柱のようなものが倒れてしまいました。

八丈町設置カメラ
八丈町設置カメラ

 気象庁は、警報の基準をはるかに超える現象だとして、9日朝、八丈町に「大雨特別警報」を発表しました。

 12時間で降った雨の量は349.0ミリ。これは観測史上最大。記録的な大雨となりました。

9日午前3時ごろから停電
9日午前3時ごろから停電

 このホテルでは、9日午前3時ごろから停電。9時間たった昼すぎになっても復旧のめどは立っていませんでした。

 八丈島では、10日6時時点でおよそ5630軒が停電したまま。さらに…。

「島では朝から断水が続いています」
「島では朝から断水が続いています」
島民
「島では朝から断水が続いています。いまだに復旧するめどは立っていません」

 夕方になり後片付けを始めた住民たち。

島民
「この台風は、77歳ですけど一番強かった。やっぱり怖い、自然の地震や台風は。久しぶりに、この年でビビった」

 午後5時半すぎ。こちらのすし店も明かりがついていません。

明かりがついていないすし店
明かりがついていないすし店
島民
「家は全部トタン屋根で、それが飛んじゃった。修理ができないしシートをかぶせるしかない」

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年10月10日放送分より)

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