9日、台風22号が直撃した八丈島では、観測史上最大の記録的な大雨となって50メートルを超える暴風も吹きました。建物の屋根などが飛ばされて、今も停電が続くなど住民の生活に影響が出ています。
車横転 建物倒壊…ベランダなくなる
屋根が飛ばされてしまった建物。倉庫として使われていましたが、骨組みだけになってしまいました。
「(Q.屋根はどこに?)全然分からない。結構散らばっていて。風の音はすごかった」
建物の壁が吹き飛ばされ、道路にまで散らばった家財道具。
台風の被害に遭う前と比べると、建物のほとんどが崩れ落ちているのが分かります。
市街地では大きな被害にあった建物があちこちにありました。こちらの建物は外壁が崩れ落ち、その下には破片が広がっています。
千切れた電線は道路にまで垂れ下がり、とても危険な状態です。
被害に遭ったこちらのアパート。よく見ると、2階のベランダ部分が根こそぎなくなっています。ガラス戸も割れ、吹きさらしの状態に…。
雨がおさまり外に出てみると、街中では何台もの車が横倒しになっていました。道路には建物の一部がそこら中に散らばっています。
倒木が道路封鎖…自力脱出
これらの被害が確認されたのは、2つの山に挟まれた市街地です。
風が吹き抜けやすい地形で、最大瞬間風速54.7メートルの暴風が確認されたのもこの地域でした。
バーベキュー場の公衆トイレも便器がむき出しに。タンクも外れて水が漏れ出ています。その傍らには、がれきが散乱。
養鶏場を営むカルディアファームの鈴木さんはこう話します。
9日朝、自宅からおよそ3キロ離れた鶏舎の様子を確認に向かったといいます。
幸い、被害は少なくニワトリたちも無事。しかし、その帰り道。
来る時は通行できた道が倒木で完全にふさがれてしまったのです。
持っていたチェーンソーで、倒木を1本1本切断。
自力で倒木をどかして、ようやく自宅へ向かいましたが、その先にまたしても大きな倒木が。
今度は2人掛かりで30分かけ倒木を撤去。通常5分の道のりが9日は3時間かかったそうです。
記録的暴風雨の爪痕 町の景色一変
非常に強い勢力を保ったまま伊豆諸島を直撃した「台風22号」。9日の朝5時半ごろ、そして8時半ごろと立て続けに「線状降水帯」が発生しました。
これは国際宇宙ステーションから見た「台風22号」。台風の目がハッキリと確認できますが、それだけ勢力が強いという証拠です。
そして最大瞬間風速54.7メートルが観測されたのは午前5時半ごろ。想像を絶するほどの雨と風に住民は…。
「人の命とか、家が飛ばされるとか、そういうところの怖さが今も強くなっています」
50メートルを超す風速を観測したのは20年ぶりのこと。
これは9日午前6時ごろ、避難所から住民が撮影した映像です。
「あ、これ多分一歩でも外出したら吹っ飛ばされちゃうかもしれないな」
町が設置したライブカメラでは、普段と景色が一変。9日は、猛烈な風雨で視界が真っ白に。画面に映っていた電柱のようなものが倒れてしまいました。
気象庁は、警報の基準をはるかに超える現象だとして、9日朝、八丈町に「大雨特別警報」を発表しました。
12時間で降った雨の量は349.0ミリ。これは観測史上最大。記録的な大雨となりました。
このホテルでは、9日午前3時ごろから停電。9時間たった昼すぎになっても復旧のめどは立っていませんでした。
八丈島では、10日6時時点でおよそ5630軒が停電したまま。さらに…。
「島では朝から断水が続いています。いまだに復旧するめどは立っていません」
夕方になり後片付けを始めた住民たち。
「この台風は、77歳ですけど一番強かった。やっぱり怖い、自然の地震や台風は。久しぶりに、この年でビビった」
午後5時半すぎ。こちらのすし店も明かりがついていません。
「家は全部トタン屋根で、それが飛んじゃった。修理ができないしシートをかぶせるしかない」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年10月10日放送分より)