社会

2025年10月13日 12:02

ひまわり8号が緊急登板!わずか1日で観測復旧の舞台裏

ひまわり8号が緊急登板!わずか1日で観測復旧の舞台裏
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■わずか1日 気象観測の早期復旧の訳

10月12日未明に気象庁のHPなどで衛星画像が正常に見られない状態になりました。ただ、12日夜にはすべての画像が正常に見られるようになりました。宇宙空間を飛ぶ気象衛星の障害が、1日もかからずに復旧したことになります。作業員が行って直すわけにはいかない宇宙空間で、どのように復旧を行ったのでしょうか。

実は日本の気象衛星「ひまわり」は2台が同時に地球を回っています。今回、障害が発生したのは「ひまわり9号」で、もう1台の「ひまわり8号」に切り替えたため短い時間で復旧ができたのです。

■日本の気象衛星の歴史

気象衛星ひまわりは1977年にはじめて打ち上げられ、日本の衛星観測の歴史が始まりました。「8号」は2014年に種子島宇宙センターから打ち上げられ、翌年から2022年まで本運用機として観測を続けていました。2022年12月に本運用機の役割を「9号」に譲りましたが、その後も地球を回り続けてバックアップを続けていたのです。なお、「9号」は現在、再び正常な観測データを提供するため冷却作業をしているとのことです。

ただ、「8号」もいつまでも飛び続けるわけにはいきません。あと数年でバックアップとしての役割も終える計画です。気象庁は次世代の気象衛星としてすでに「10号」の整備を進めています。「10号」では線状降水帯や台風などの予測精度を抜本的に向上させる技術が組み込まれるということです。

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■台風23号が遠ざかり秋雨前線が停滞

気象衛星が大きな役割を果たす台風の観測。最新の衛星画像を見るとすでに伊豆諸島を通過して、遠ざかりつつあることが分かります。ただ、日本海から朝鮮半島、中国大陸にかけて、東西に長く伸びる雲の列が見られます。これは秋雨前線に伴う雲です。今週はこの秋雨前線が日本列島に停滞し続ける見込みで、九州から東北にかけては曇りがちな一週間になる見通しです。

日本列島に秋雨前線が停滞
日本列島に秋雨前線が停滞

一方、この雲から外れる北海道は木曜日ごろまで晴れる見込みで、朝は冷え込みが強まるでしょう。秋雨前線の南になる沖縄は夏空で、まだまだ30℃以上の真夏日が続く見通しです。

変化の少ない一週間
変化の少ない一週間
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