社会

グッド!モーニング

2025年10月13日 13:37

「今年はサンマ豊漁」は見せかけ? 「目黒のさんま祭」に1500人 来年以降どうなる

「今年はサンマ豊漁」は見せかけ? 「目黒のさんま祭」に1500人 来年以降どうなる
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 12日に行われた毎年恒例の東京・目黒区「さんま祭」では、たくさんのサンマが振る舞われました。今年は豊漁という声も聞かれますが、専門家は「見せかけだ」と指摘しています。どういうことでしょうか?

「目黒のさんま祭」には1500人

 もくもくと白い煙とともに香ばしい香りが会場内に広がります。炭火で焼かれ皮はパリッと、身はふっくら仕上がったサンマです。

 近年、不漁が続いていましたが、今シーズンはサイズが大きく脂乗りも抜群。13倍を超える抽選で当選した目黒区民1500人が、気仙沼でとれた旬のサンマを楽しみました。

13倍の倍率を当選した目黒区民1500人
13倍の倍率を当選した目黒区民1500人
来場者
「おいしい」
「脂が乗ってて、家で焼くサンマと違って、中までホクホクでおいしい」

 そんななか、会場ではサンマの追加配布のアナウンスがありました。当選権を持たない来場者が一斉に受付に向かいます。

一斉に受付へ
一斉に受付へ

 4年連続で抽選に外れたという夫婦も、慌てて受け付けへ。アナウンスからわずか5分。受け付け前には最後尾が見えないほどの行列ができていました。

 毎年、漁獲量に応じてサンマが追加配布されるといいますが…。

念願のサンマの引換券をゲット
念願のサンマの引換券をゲット

 4年連続で落選していた夫婦は、念願のサンマの引換券をゲット。今年は、およそ500匹のサンマが追加されました。

夫婦
夫婦
夫婦
「すごいおいしい。身はしっかりして」
「香ばしくていい感じ」
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回遊ルート変化で漁獲増加 来年は?

サンマの水揚げ(北海道 根室市)
サンマの水揚げ(北海道 根室市)

 今年、初のサンマの水揚げが行われた北海道根室市では、漁獲量が173トンと去年の2.6倍。他の地域でも、13年ぶりに「休漁発令」が出されるほどの漁獲量がありました。ところが…。

水産研究・教育機構 冨士泰期主任研究員
水産研究・教育機構 冨士泰期主任研究員
水産研究・教育機構 冨士泰期主任研究員
「(ピーク時に比べると)非常に少ない水準なので、そういう意味では豊漁とは言えない。いろいろかみ合ってうまく取れたことが、ここまでの経過かなと」

 専門家によると、漁獲量が増えたのはサンマの回遊ルートが変わったことが大きな要因だといいます。

サンマの回遊ルート
サンマの回遊ルート

 近年、サンマの群れの大半はロシアのEEZ(排他的経済水域)へ入り、その後南下するというルートをたどっていました。

 しかし、今年は水温の影響もあり、サンマの群れがロシアのEEZには行かず手前で南下。日本の漁船にとって、漁獲しやすい場所がサンマの回遊ルートになっていたため、例年より漁獲量が増えたのではないかといいます。

 サンマの漁獲量は、この16年でおよそ9分の1まで激減しています。

サンマの年間水揚げ量
サンマの年間水揚げ量

 まもなくシーズンも終わりを迎える今年のサンマ。来年以降どうなるかはまだ読めないということです。

(「グッド!モーニング」2025年10月13日放送分より)

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