12日に行われた毎年恒例の東京・目黒区「さんま祭」では、たくさんのサンマが振る舞われました。今年は豊漁という声も聞かれますが、専門家は「見せかけだ」と指摘しています。どういうことでしょうか?
「目黒のさんま祭」には1500人
もくもくと白い煙とともに香ばしい香りが会場内に広がります。炭火で焼かれ皮はパリッと、身はふっくら仕上がったサンマです。
近年、不漁が続いていましたが、今シーズンはサイズが大きく脂乗りも抜群。13倍を超える抽選で当選した目黒区民1500人が、気仙沼でとれた旬のサンマを楽しみました。
「おいしい」
「脂が乗ってて、家で焼くサンマと違って、中までホクホクでおいしい」
そんななか、会場ではサンマの追加配布のアナウンスがありました。当選権を持たない来場者が一斉に受付に向かいます。
4年連続で抽選に外れたという夫婦も、慌てて受け付けへ。アナウンスからわずか5分。受け付け前には最後尾が見えないほどの行列ができていました。
毎年、漁獲量に応じてサンマが追加配布されるといいますが…。
4年連続で落選していた夫婦は、念願のサンマの引換券をゲット。今年は、およそ500匹のサンマが追加されました。
「すごいおいしい。身はしっかりして」
「香ばしくていい感じ」
回遊ルート変化で漁獲増加 来年は?
今年、初のサンマの水揚げが行われた北海道根室市では、漁獲量が173トンと去年の2.6倍。他の地域でも、13年ぶりに「休漁発令」が出されるほどの漁獲量がありました。ところが…。
「(ピーク時に比べると)非常に少ない水準なので、そういう意味では豊漁とは言えない。いろいろかみ合ってうまく取れたことが、ここまでの経過かなと」
専門家によると、漁獲量が増えたのはサンマの回遊ルートが変わったことが大きな要因だといいます。
近年、サンマの群れの大半はロシアのEEZ(排他的経済水域)へ入り、その後南下するというルートをたどっていました。
しかし、今年は水温の影響もあり、サンマの群れがロシアのEEZには行かず手前で南下。日本の漁船にとって、漁獲しやすい場所がサンマの回遊ルートになっていたため、例年より漁獲量が増えたのではないかといいます。
サンマの漁獲量は、この16年でおよそ9分の1まで激減しています。
まもなくシーズンも終わりを迎える今年のサンマ。来年以降どうなるかはまだ読めないということです。
(「グッド!モーニング」2025年10月13日放送分より)