71歳の男が運転する車が暴走し、3人をはねて1人が死亡しました。防犯カメラには猛スピードで横断歩道に突っ込む車が捉えられていました。
現場に不可解な点
名古屋駅のすぐ近く。横断歩道を多くの人々が渡っています。
そこへ突然、画面の左から1台の車が猛スピードで進入。あまりの勢いで縁石に乗り上げ、左側のタイヤは浮き上がっています。赤信号を無視して交差点に突っ込み、歩行者3人を次々とはねました。
「通行止めになります」
「ただいま事故のため、通行することができません」
名古屋の中心部。朝の通勤ラッシュに起きた、まさかの事態。一体なぜ、事故は起きたのでしょうか?
事故を起こしたのは軽自動車。フロントガラスは激しく割れ、波紋のようにひびが広がっています。
現場を目撃した女性は、こう話します。
「人に当たっているので『ドン』という感じ。30〜40代の女性2人と男性1人。血を流している感じ」
消防によると、歩行者とみられる30代の男性と40代の女性2人、合わせて3人が病院へ搬送。このうち、女性1人が死亡、2人が重傷です。
車を運転していたのは、名古屋市の鳴海洋容疑者(71)。過失運転致傷の疑いで、現行犯逮捕されました。
なぜ、事故は起きたのでしょうか?現場には不可解な点が…。
車は、まるで逆走したかのように反対車線に止まっています。一体、なぜなのでしょうか?その答えは、現場にありました。
逆走で横断歩道に…なにが?
通勤時間帯に、名古屋駅のすぐそばで起きた車に3人がはねられた事故。
事故が起きたのは名古屋駅から南におよそ700メートル離れた交差点です。午前7時40分ごろ、「車と歩行者複数人との交通事故」との通報がありました。
車はまるで逆走したかのように反対車線に止まっています。その答えは、交差点の北側にありました。
警察によると、車はこの駐車場へつながるスロープを曲がり切れず、反対車線側に突っ込んだとみられています。
改めて映像を見ると、画面左が出口、右が入口。車は本来とは逆の入口に猛スピードで突っ込んでいます。
「(Q.車のスピードは?)結構出ていた。先頭集団ぐらいで(横断歩道を)歩いていた。真後ろにいた人たちが3人、勢いよく来る車にひかれた」
「(Q.横断歩道には何人くらい?)そんなに多くはなく、20人くらい」
5月に同じ時間帯に現場近くを撮影した映像。横断歩道へ向かう人の列が途切れることなく続いています。
「通勤ルート。皆さん、いつも通り歩いていたので、たまたまランニング中の消防士や看護師がいた。そういう人が助けてくれた」
鳴海容疑者は、警察の調べに対し、こう話しています。
容疑を否認。
「(Q.事故後の運転手の様子は?)車から出てこない、出てこられないのか。救急車や警察が来るまでは車から出なかった。(運転手は)意識はあって軽傷だというのは聞こえた」
警察は、車が制御を失った状態で横断歩道に突っ込んでいった可能性もあるとみて、事故の詳しい状況を調べています。
83歳運転 建物に突っ込む
高齢ドライバーの事故は、各地で相次いでいます。
兵庫県加古川市、車が突っ込んだのは市内の信用金庫。割れた窓ガラスは散乱、車には高齢者のマークが。カウンターには、大きくへこんだ跡が残されています。
運転していたのは83歳の男性。この事故で、客と職員合わせて7人が足の打撲や擦り傷など軽いケガをしました。
なぜ、事故は起きたのでしょうか?
「ブレーキとアクセルを踏み間違えた」
警察によると、83歳の男性が運転する軽自動車が、信用金庫の駐車場で方向転換する際に、運転操作を誤って店舗に突っ込んだとみられるといいます。
警察は、事故当時の詳しい状況を調べています。