名古屋駅のすぐ近く、通勤ラッシュで多くの人が横断歩道を渡っているところに、猛スピードでやってきた軽自動車が突っ込みました。この事故で1人が死亡し、2人が重傷、運転していた71歳の男がその場で逮捕されました。
猛スピードで横断歩道へ進入
現場は名鉄名古屋駅に、ほど近い交差点です。15日午前7時40分ごろ「車と歩行者複数人との交通事故」という通報がありました。
事故の瞬間を捉えた映像。駐車場の出口に向かう軽自動車が猛スピードで反対車線に入り、そのまま横断歩道へ。中央の縁石に乗り上げたのか片輪走行の状態で突っ込んでいきます。車は歩行者にぶつかっても止まることなく、交差点に進入し、数十メートル先で停止したとみられます。
はねられたのは横断歩道を渡っていた男女3人。全員が病院に運ばれましたが、田中幸子さん(49)が亡くなりました。36歳の男性と48歳の女性が、それぞれ骨折などの大けがをしています。
「(被害者は)意識はあったが、頭が痛いと言って血を流している感じ。まさか急に飛び出してくるとは思わないので、いつもの通勤ルートというか、皆さんいつもどおりに歩いていた。たまたまランニング中の消防士や看護師がいて、そういう人が助けてくれた」
車を運転していたのは名古屋市に住む、鳴海洋容疑者(71)。過失運転致傷の疑いで現行犯逮捕されました。現場には明らかなブレーキ痕は見当たりません。
(Q.事故を起こした後、運転手の様子は)
「救急車や警察が来るまでは車から出ていなかった」
“下り坂とカーブ”制御不能か
かなりのスピードで歩行者に突っ込んだとみられる鳴海容疑者。改めて映像を見ると、軽自動車は画面に映り込んだ直後に制御を失っているように見えます。いったい何が起きたのでしょうか。
この駐車場は少し珍しい構造をしています。入口を入ると、すぐ登り坂。車を止める場所は200メートルほど登った先にあります。つまり、出口に向かう際は、この長い坂を下ることに。そして下った先にあるのは左回りのカーブです。途中で一時停止をしなければいけない場所が複数ありますが、速度が速ければ速いほど曲がりづらくなります。遠心力がかかり、カーブで制御を失った可能性は否定できません。
鳴海容疑者は「人にぶつかっていない」と容疑を否認。警察は、信号が赤の状態で、車が横断歩道に突っ込んだとみて捜査を続けています。