埼玉県鶴ヶ島市にある老人ホームで15日朝、女性2人が血を流して倒れているのが見つかり、その後、死亡が確認された事件で、22歳の元職員の男が逮捕されました。
午前4時54分「高齢女性2人が血を流している」と警察に通報がありました。4階と5階の部屋に入る89歳の女性2人が、ベッドの上で頭から血を流しているのを職員が発見しました。
(Q.何かあったと気付いたのは)
「午前5時20分です。救急車とかがすごくて。老人ホームだから、たびたび救急車は来るんですが、今朝は異様なほど多かったので」
現場に駆け付けた救急車に、けがをした女性とみられる人が運び込まれていました。2人は病院に搬送されましたが、死亡が確認されました。この施設には64人の入所者がいるということですが、2人以外にけがをした人はいませんでした。
警察によると、施設の防犯カメラには、マスクをしてフードのようなものを被り、ナイフを持って歩く容疑者が映っていました。警察は、2人が事件に巻き込まれたとみて捜査。その後、老人ホームの元職員で20代の男の身柄を確保しました。
男は、埼玉県熊谷市の無職・木村斗哉容疑者(22)。亡くなった2人のうちの1人、5階の部屋にいた小林登志子さん(89)を殺害した疑いで緊急逮捕されました。小林さんは両目に青あざがあり、両耳と上半身から出血していたということです。
(Q.大声で騒いだりとか)
「声も聞こえない。そんな様子はなかったよ」
(Q.暴れている感じは)
「ない」
この施設は、5階建ての介護付き有料老人ホームで、24時間、介護スタッフが常駐しています。木村容疑者は去年7月ごろまで、ここで働いていたということです。
供述から、鶴ヶ島市内の路上で、血の付いた刃物やマスクなどが入ったバッグと、移動に使った自転車が押収されています。木村容疑者は取り調べに対し、容疑は認めていますが、動機については一切供述していないということです。
4階で亡くなった、上井アキ子さん(89)の遺族は「どうして母が亡くならなければならなかったのか。母はどんなに辛い思いをしただろうか。考えるほど悔しく、悲しみをこらえることができません」とコメントしています。