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埼玉県八潮市で、車のエンブレムやシャワーの金具などが変色する被害が相次いでいます。今年1月に起きた道路陥没事故の影響はあるのでしょうか。
車やシャワー 金属が“変色”
被害を訴える木下史江さん
「車の腐食なんですが…点々と」
「車の腐食なんですが…点々と」
変色してしまった車のフロント部分。
木下さん
「最初は色が変わっているな。触ってみると削れているような。色も黒くなってガサガサしている。ブレーキもキーキー音が鳴りますし」
「最初は色が変わっているな。触ってみると削れているような。色も黒くなってガサガサしている。ブレーキもキーキー音が鳴りますし」
陥没現場近くに住む木下さんは、6月ごろ異変に気が付きました。
今年1月に起きた八潮市の道路陥没事故。現在も復旧工事が続く一方で、住民から県に「車が変色した」という相談が38件寄せられているということです。
被害は現場から半径100メートル以内で起きていて、その中に木下さんの家もあります。家の中も…。
原因について県は、「硫化水素の影響は否定できない」としています。
硫化水素に詳しい同志社大学理工学部の北岸宏亮教授はこう話します。
「地下を掘り返すことによって硫化水素が発生して、金属と反応して黒く変色するのは考えられる」
硫化水素は、陥没当初から救出作業の妨げになるなど問題となっていました。
北岸教授
「我々の排泄物に多く含まれているので、下水管などでは硫化水素が発生しやすい。空気より重いので、地下にたまりやすい」
「我々の排泄物に多く含まれているので、下水管などでは硫化水素が発生しやすい。空気より重いので、地下にたまりやすい」
住民の悩みは、臭いも。
木下さん
「下に滞留するので、寝ているところが臭い。ひどい時は、トイレの中で暮らしているような」
「下に滞留するので、寝ているところが臭い。ひどい時は、トイレの中で暮らしているような」
北岸教授
「硫化水素の臭いもあると思うが、その他いろんな臭いが混じっているのかなと推察します。下水の臭い、工事の臭い、油など複合的に臭っているのでは」
「硫化水素の臭いもあると思うが、その他いろんな臭いが混じっているのかなと推察します。下水の臭い、工事の臭い、油など複合的に臭っているのでは」
県は硫化水素の濃度を測定していて、これまでの最大値は6.4ppmです。
北岸教授
「数十ppm以下では体に影響ないと考えて良いと思う。逆に硫化水素は怖くて、ある程度高濃度になると今度は臭いを感じなくなる。臭いを感じている分には、濃度的に健康被害はない」
「数十ppm以下では体に影響ないと考えて良いと思う。逆に硫化水素は怖くて、ある程度高濃度になると今度は臭いを感じなくなる。臭いを感じている分には、濃度的に健康被害はない」
県は、変色などの被害に関しても補償を検討しているということです。
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