猛暑の影響がキノコにも及んでいます。秋が深まるなか目立つのは、夏に見られるキノコやかつては南国でしか見られなかったキノコが増加していることです。
「キノコ育たず」猛暑で?
秋の味覚の代表格キノコ。東京・六本木にあるキノコしゃぶしゃぶ鍋専門店「Shangri-La’s secret 六本木」では、国産の珍しいキノコを提供しています。
一年中、旬のキノコが楽しめる店ですが、近年、猛暑の影響に悩まされています。
「今年の夏の暑さで非常に育ちが悪かったり、ちょっと状態が悪くなることが多いという生育具合が少し遅れて納品が数日遅れてしまうということが起きた」
山のキノコも減少
影響は山のキノコにも及んでいます。
埼玉県小鹿野町にある「みどりの村」指定管理者、高橋造園の千島一好専務はこう話します。
この日の参加者は6名。番組スタッフも専門家とともにキノコを探します。
埼玉きのこ研究会の福島隆一会長は、世界で初めて「ハナビラタケ」の人工栽培に成功したキノコのスペシャリストです。
今回の最大の目的はこれです。
「イッポン見たいですよね」
正式名称は「ウラベニホテイシメジ」(※毒のあるクサウラベニタケとよく似ていて判別が難しいため注意が必要です)。歯切れがよく、ほろ苦い味が特徴の食用キノコで、秩父地方では「イッポン」の通称で親しまれています。
クマ対策をして、敷地内の山へと入っていきます。
参加者はキノコを見つけられず、どんどん山の中へ入っていきますが、福島会長は次々とキノコを発見します。
「テングダケの仲間。もうちょっと成長しないと分からないが、シロオニタケと言われる毒キノコ」
「ヤマドリダケモドキだ、これ。これはポルチー二の仲間です。先に虫たちが食べてしまった。おいしいキノコはすぐ食べられてしまう」
これだけのキノコが見つけられるのは、専門家の目があればこそ。やはり、キノコの数は少ないといいます。
今回、お目当ての「イッポン」は見つけることができませんでした。
関東地方にも亜熱帯地域のキノコが
別の場所を探していた参加者から連絡がありました。
見つけたのは「タマゴタケ」。8月から9月に多く見られる夏キノコと呼ばれる食用キノコです。
「ちょうどいい時期に、秋のキノコと夏のキノコが一斉に出るということもある」
近年は猛暑の影響で、キノコの生息域にも変化が出ていると福島会長はいいます。
「オオシロカラカサタケ」は、かつて台湾や九州・沖縄の一部など熱帯・亜熱帯地域でしか見られませんでした。
(「グッド!モーニング」2025年10月17日放送分より)