社会

ABEMA NEWS

2025年10月18日 12:01

中年男性のパーカー&中年女性のノースリーブ…年齢関係なく好きな服着ちゃダメ?「50〜60代の方が露出した格好で歩いてたら見てしまうのは自然なこと」

中年男性のパーカー&中年女性のノースリーブ…年齢関係なく好きな服着ちゃダメ?「50〜60代の方が露出した格好で歩いてたら見てしまうのは自然なこと」
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 昨年、あるコラムニストの一言「40歳近くになって、パーカー着てるおじさんっておかしい」が話題になり、「パーカーおじさん論争」が勃発。今でもSNSでは「年齢と服装」をめぐる議論が白熱しており、雑誌でも「40代以上のNGコーデ特集」が組まれるなど、「年相応の服装」がたびたび話題になっている。

【映像】週5日ミニスカを履く63歳女性の全身ショット(複数カット)

 では、年齢関係なく好きな服を着ることは許されないのだろうか。20代の若者に話を聞くと、年上世代のファッションに対して、「スウェット短パンおじさん」「ノースリーブおばさん」「胸元出しすぎおじさん」「ハイブランドおじさん」など厳しい意見が相次いだ。

 日本に蔓延る人のファッションに文句を言いたがる風潮。年齢関係なく好きなファッションを楽しんではダメなのか。その是非を『ABEMA Prime』で考えた。

■週5日ミニスカートを履いてファッションを楽しむ63歳・女性

佐藤さん

 年齢関係なく好きなファッションを楽しむ人もいる。都内でブティックを経営する佐藤さん(63)は、週5日ミニスカートを履いてファッションを楽しんでいる。

 しかし、SNSでは「年相応って言葉を知らないの?」「何が目的なんですか?」と誹謗中傷の的になることもある。

 佐藤さんは、「海外のおばあちゃんは年を取ってもカラフルな格好をしたり、年齢とか体型に関係なくファッションを楽しんでいる。しかし、日本でそういう格好をするとなぜか叩かれる。どうしてそんなに人の格好が気になるのかなって思う」と語った。

■年齢×服装への「べき論」なぜ?

柏木由紀

 おじさん・おばさんが着るべきでない服装(SNS参考)について、男性は「パーカー」「短パン」「柄シャツ」「ロゴやブランド」「サンダル」。女性は「ミニスカート」「ヘソ出し」「キャミソール」「ワンピース」「フリル」などが挙げられている。

 元AKB48の柏木由紀は、「ノースリーブおばさん…そういうこと言われるのは、わかりつつ私も夏は結構出しちゃう。でもすごい暑がりだ。?Tシャツだと色が全部変わっちゃうぐらい汗かいちゃうから、半分は仕方なく着てる。天秤にかけたとき、『汗かきたくない』が勝つから、もう意志を持って肩を出してる」とコメントする。

 “大物マダムタレント”のアレン様は前提として「年を取ってようが、その人の人生だから他人がとやかく言うことじゃない」としつつ、「街中を歩いてて、例えば50〜60代の方がすごい露出した格好で歩いてたりすると目はいってしまう。それが人間の自然な反応になってしまうのは事実だ。だけど、それは変な目で見てるとかじゃなく、『すごいな』みたいな目線。だから見られるのが嫌だったら、そういう格好しちゃダメだし、私も見られたくない日は普通の格好してる」と語った。

 この日、パーカー、短パン、ブランド物を身につけてる壁画アーティスト、『OVER ALLs』代表の赤澤岳人氏は、「実は一般企業に勤める男性は、人生の中で好きな格好できるのはたったの3年だ。中学、高校は校則に縛られ、大学3年間だけは髪染めたり、ファッションを楽しむ。就職活動が始まれば、リクルートヘアに戻して、髭を剃って、ピアスを外す。就職すれば、スーツを着て、会社員らしい格好をして、一生を終えていく。そして定年退職して、髪染めようと思ったら、髪の毛はもうないかもしれない。好きな格好ができるのが一生のうち3年って考えたら、すごい儚い。その反動でこうなっちゃってるのかもしれない」と弁明した。

■アレン様「意味のないドレスコードはある」

アレン様

 マイナビによると、職場で服装や身だしなみは、61.9%決まりがあるという。この話の中で、アレン様はドレスコードについて言及する。「シンガポールの最上階でミシュランを取ってるようなレストランがあって、予約してランチに行ったら、少しだけカジュアルに見えやすいサンダルで門前払いされた。結構イラっとしたんだけど、翌日に似たようなサンダルに少しだけヒールがあるのを履いたら通してくれた。その差はなんなの?」との不満を明かす。

 その上で、「意味のないドレスコードはあると思う。レセプションの主観が入って、その人が見て気に入らなかったらダメだし、ある程度オッケーだったらいいみたいな感じがある」とした。

■「年齢でいちいち揚げ足取りする必要はない」

前川裕奈氏

 一連の話を受けて、普段からミニスカ、ルーズソックスを履いているフィットネスブランド『kelluna.』代表の前川裕奈氏(36)は、「自由の場において、年齢を理由に好きなファッションができないのは結構ナンセンスで、『そもそも何歳からおばさんなの?』っていうのはいつも思ってる。その定義がない中で、これはダメとかって、みんな生きづらくなるんじゃないか」と訴える。

 そんな前川氏の服装は「推しのキャラクターがついてるTシャツとかを着ている。推しと一心同体みたいで、すごいテンションが上がるから、お守り的にそういう服装は好きだ。缶バッジだらけのバッグも全然持つが、人によってはちょっと年相応じゃないみたいな見方はあると思う。それでも私の心が潤うからいいと思っている」。

 “こうあるべき論”がなくならないことについて、ファンションライター・スタイリストの角佑宇子氏は、「日本特有なのかわからないが、若いからこそ正義みたいな風潮がある気がしている。若い人もそれをわかっているからこそ、結構意見を強く言いがち。『それっておじさんだよね、おばさんだよね』って好き勝手言っている。だから、実際に30代、40代と年齢を重ねたとき、自分が悪者になったような感覚になってしまう。着るものもちょっと選ばなくちゃいけない風潮になりやすいのかと思う」との見方を示す。

 前川氏は「周りの友だちはどんどん保守的な格好になっている。おばさんだからミニスカはダメとか、逆にタンクトップはいいとか。それってマニュアルになってないし、全部人々の主観だ。そんな感想に合わせて生きづらくなるくらいなら、好きな服を着て、年齢でいちいち揚げ足取りする必要はないんじゃないか」との考えを述べた。

(『ABEMA Prime』より)

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