今シーズン一番の冷え込みとなった東京。寒さを喜んでいる人たちに、その理由を聞きました。
“今季一番の寒さ”なぜ歓迎?
岐阜県にある北アルプスの乗鞍岳。21日朝、初氷が観測されました。青い池で知られる北海道美瑛町でも21日朝、雪が降る様子が撮影されました。
21日、北日本を中心に11月並みの寒さとなった列島。最高気温が17.2℃となった東京都心では今季一番の寒さとなりました。
待ちゆく人の装いは、一気に秋モードに。
「(気温)下がりました〜だからフワフワ着てきたけど、寒いかもこれでも」
「先週まで暑かったのに、何着ていいか分からない」
ところが、この急な冷え込み、ある人たちにとっては大きな喜びに。
「これからが一番いいんじゃないでしょうか」
「ちょうど気候が良くなってきた」
旬野菜たっぷり豚汁に行列
寒いとうれしい?一体どうして。寒さを歓迎するスポット、まず訪れたのは…。
東京・品川区にある飲食店。店の前には、オープン前から行列ができていました。ここで提供しているのは、野菜のたっぷり入った豚汁です。なんとこのボリュームで、価格は1000円というお安さ。
皆さん、寒くなるのを待っていたとばかりに舌鼓を打ちます。
「寒いんですよね。豚汁があれば温まるんでカレーも相まってすごく温かい」
「体も温まって心も温まっていいですね」
「ほかほかでおいしい」
気温が下がるとなぜうれしいのか、聞いてみると?
「どうしても涼しくなってきて、これからが一番売れる」
豚汁の売り上げが増えるポイントとして、長年の経験から導き出したのは…。
寒くなると、豚汁もさらにおいしさを増します。
豚汁は、大根やニンジンなど、およそ11種類の野菜に加えて、時季にあわせて旬の野菜をたっぷりと使っています。
この時季、旬の野菜として使用するのは、しいたけや白菜に加えて…。
「高級品だけど豚汁に入れる」
実はこの豚汁屋さん。八百屋も経営しており、そこで仕入れている、高知産の四方竹という珍しい秋のタケノコを豚汁に使用しているんです。
「もう10月にしか来ない」
ちょうどこの時期に旬を迎える、珍しい秋の味覚です。
「歯触りがコリコリしてておいしい」
「おいしい。幸せ」
寒くなり野菜の買い方にも変化が…。
「急に寒くなってきて、皆さん鍋をやるようになっている。キノコ類あとは白菜ですね。白菜が急にキャベツと逆転して、白菜が売れるようになっている」
気温も下がり、本格的な食欲の秋の到来です。
「前は暑くて食欲もなかった。やっと涼しくなってね、食欲も出てきたので。少しずつでも秋のものを探そうと思って」
“華麗すぎるダリア”見ごろに
寒さを歓迎するスポットは、ここにも…。
「最近になってようやく涼しくなって、ダリアにもちょうど気候が良くなってきた」
東京・町田市にあるダリア園。関東最大の面積をほこり、およそ500品種、4000株のダリアが見ごろを迎えています。
実は、このダリア。10月まで長引いた残暑の影響で、いつもより咲く時期が遅れていると言います。
「この夏の酷暑でダリアも成長が止まっていたが、最近の涼しさでようやく育ち、現在とても良い見ごろを迎えている最中です」
気温が下がり、鑑賞に来た人たちにとっても、楽しみやすい環境になっているようです。
「過ごしやすいかな、ちょっと寒いですけれど。暑い時はあまりお花に元気がないのは人から聞いていたので、涼しくなってから来ようと思っていた」
「やっぱり綺麗ですね。もう少しね、夏場が暑かったので、もう少し傷んでるかなと思ったけれど、やはり手入れが行き届いてるので見事」
町田ダリア園では、11月の初めまでダリアを楽しむことができます。