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京都の伝統的な野菜「京たけのこ」が大きな被害を受けています。原因の一つは外来のガです。飛ぶ力が非常に強く、日本全国に移動する恐れもあります。異例の事態に自治体が対応に乗り出しています。
竹林荒らす外来種「シナチクノメイガ」
小川食品工業 小川修司社長
「かなりの値上げですよ。これだけ上げても、採算に乗っているかと言われたら乗っていない」
「かなりの値上げですよ。これだけ上げても、採算に乗っているかと言われたら乗っていない」
京都の伝統野菜・京たけのこを加工販売する店では先月、定番商品の水煮を918円から1296円に値上げ。タケノコ全商品を2割から3割値上げしました。
京都のタケノコに一体、何が起きているのでしょうか?竹林に案内してもらいました。
「(Q.この時期は(竹の葉は)まだ緑色?)本当は全部緑なんです。今一番濃いササがどーんといっぱいついている」
本来、青々とした葉が生い茂るはずの竹林。しかし、葉は黄色く変色し、枯れ落ちていました。その原因は害虫被害です。
「これ幼虫です」
「(Q.これがガの幼虫と思われるもの?)そうですね」
「(Q.これがガの幼虫と思われるもの?)そうですね」
京都では3種類のガによる食害が確認され、なかでも日本に来てまだ数年の外来種「シナチクノメイガ」が竹林を荒らしていました。
「こうなってしまうと、ここの畑では全然タケノコはとれない」
去年一気にガによる被害が拡大し、枯れてしまった竹からはタケノコができにくいといいます。今年入荷した京都府内のタケノコはおよそ173トンと、4年前に比べ4割も減少しています。
「(ガの)生態がはっきりすれば対策もあるだろうし、よく分からないということなので、結局何もかも後手に回っているような気がする」
対応にあたっている京都府の担当者は次のようにコメントしています。
「当該のガは生態が不明な点が多いため、まずはその解明を進めています」
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「飛ぶ力強い」外来ガ 全国拡大も?
不明な点が多い外来種のガ。番組は日本で初めて「シナチクノメイガ」を記録に残した林業普及指導員の岩下幸平さんに話を聞くことができました。
「中国でも大発生したという記録がありまして、一晩に何百頭も明かりに飛んできたみたいな記録も残っていまして」
林業に携わる岩下さんは「シナチクノメイガ」の生態を調査。その特徴は…。
「竹の稈(かん)に潜り込むと、中国の論文で記載されている。穴を開けられてしまうと、そこから腐りが入る可能性もありますので、そういった意味では葉っぱを食べられるよりも竹に対するダメージが大きいことが考えられる」
日本では2020年に愛知で初めて発見され、10都府県で確認されている「シナチクノメイガ」。さらに生息範囲が広がる可能性もあります。
「非常に飛ぶ力が強いのではないかなと。私も長野や愛知の海岸沿い等で本種が飛んできたというのを観察。まだ侵入していない(タケノコの)生産が盛んな地域でも侵入に警戒をして準備された方がいい」
異例の事態に京都府は被害が広がっている大阪府などと対策協議会を設置し、対応に乗り出しています。
(「グッド!モーニング」2025年10月23日放送分より)
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