市街地にクマが出た時に自治体の判断で発砲できる『緊急銃猟』。これまで4つの自治体で実施されていましたが、23日新たに、富山市と秋田県仙北市で緊急銃猟によってクマが駆除されました。1日に2度の実施は初めてです。
市役所周辺から住宅街に移動
23日午前6時過ぎ、盛岡市・中津川付近で「クマ1頭がいる」と警察に通報が入りました。
「現在も富士見橋、約北方100メートルの地点、東岸沿いをゆっくり歩いている」
時に泳いだり、河川敷を疾走したり。通勤時間帯ということもあり、現場に緊張が走ります。
「こっちには(クマを)あげたくなかったが、これだけの人数だとコントロールも効かない」
河川敷に現れたクマは、市役所の付近を流れる中津川に沿って北上。住宅街へ逃げ込んだとみられています。市内では22日、住宅街付近の公園などからも目撃情報が寄せられています。市によると、クマは複数出ている可能性が高いといいます。
緊急銃猟“1日に2度”は初
22日、秋田県仙北市に現れた親子のクマ。子グマは畑の野菜を食べ、親グマは木に登り実をとって食べています。2頭は、23日午後1時前、緊急銃猟によって駆除されました。
同じころ、富山市でも緊急銃猟が。午前9時50分ごろ、市の職員がクマ1頭を目撃。茂みの中にいたのは体長約80センチ、メスの成獣でした。
5例目の富山市、そして6例目の秋田県仙北市と、1日に2度実施されたことはこれまでにありません。
「緊急銃猟自体が難しいとは思う。今回も場所が場所で、ぼさ(茂み)の中というので見つけにくいというのもあった」
“箱わな”注文が殺到 改良型も
秋田県湯沢市では、3日前に男性4人を次々襲ってけがをさせたクマは、今も住宅に居座り続けています。市や猟友会によると、玄関先に設置した箱わなに入るのを待つとしています。
県の北部に位置する大館市では、23日も午前中からクマの目撃情報が相次いでいます。それにもかかわらず、県内では今、クマを捕獲する箱わなが不足しているといいます。
ドラム缶タイプの箱わなを見せてもらいました。
「これ(輪っか)にエサをぶら下げておく。クマが入っていって、そのエサを取って引っ張ると、ピンが抜けて、このまま落ちていく。下がったら上がらない」
最近では、市街地でのクマに対応するため、改良も随時、行っているといいます。
「これにロープをつけて、下に杭を打って押さえる用だったが、最近は市街地もクマ出ているので、これはまずいと」
1台20万円ほどの箱わな。それでも、これまでにないほど行政から問い合わせがあるといいます。
「この間も秋田県庁から連絡があり『クマのわな、来年の2月までに何台納められますか?』と。(実感は)ひしひしと感じています」
















