クマによる被害が止まりません。森のエサ不足が指摘されるなか、秋田県では畑で作業をしていた人ら4人がクマに襲われ、30代の男性1人が亡くなっています。深刻化するクマ被害は産業にも影響が出ています。
北海道 初の『緊急銃猟』を実施
秋田県東成瀬村では4人がクマに襲われ、佐々木喜行さん(38)が亡くなりました。叫び声を聞いて助けに行ったところ被害に遭ったとみられ、他の3人も重傷です。
「人を襲ったクマはたぶん1頭だと思う。被害者見ればなんとも言えない。やっぱり駆除しないではいられないな」
クマは街中にも出没。北海道札幌市の公園で目撃されたのは体長1メートルほどのクマ2頭です。北海道で初めてとなる緊急銃猟を行い、住民に被害が出る前に駆除しました。
「こちらもやりたくてやっているわけではないとご理解いただきたい。今年はどうもちょっと出没の仕方が、これまでに経験のないような異常な出没の仕方をしている」
富山県立山町では午後0時半ごろ「自宅の庭にクマ2頭がいる」と通報があり、その10分ほど後に。
「『クマがいるらしいから気をつけて』と声かけたが、もう様子がおかしかったので、あっこれはもう襲われたんだと思って。頭部の方やられちゃってたので、だいぶひどくは見えました」
最初の通報から離れた場所で襲われたのは70代の女性でした。病院に搬送されましたが、顔を骨折するなど重傷です。
クマが鶏舎に…約180羽が被害
山形県小国町の鶏小屋では、クマがニワトリを食べる様子が撮影されました。その姿が現れたのは21日のこと。小屋にいた『やまがた地鶏』のひな、36羽のうち34羽が食べられてしまいました。被害額は34万円に及ぶといいます。
「2羽残っているけど、すごくおびえているはっきり分かる。普通ここを開けるとあいさつに出てくるけど、それが来ない」
町内では別の鶏小屋も襲われています。
「もう見せられないくらいの状況だったが撤去して。全部死骸まみれになっていて」
約150羽が犠牲になり、フンから見て2匹のクマに襲われた可能性があります。クマは外に通じる小さな穴から入ったとみられます。
「危ないからふさいだんですけど」
(Q.こんな小さな穴から入ってきた)
「直径40センチくらいですけど、1.2メートルくらいのクマでも、このくらいの穴は通れる」
「対処をするっていうのは、ちょっともう僕らでは市街地では鉄砲を撃てないし、対処するのは専門の機関が作られるべきかなと思う」
なぜ多くのニワトリが犠牲になったのか、専門家に聞くと。
「ニワトリのエサにつられて入って、ニワトリを完全にエサと認識して、それが成功体験になってニワトリ小屋を頻繁に襲っている。常習化してしまうと、かなり危険な状態」
観光やイベントも中止に
クマ被害の影響は観光やイベントにも。万が一の事態を警戒して中止が相次いでいます。番組が調べたところ、300人以上が参加予定だったスポーツイベントも安全のため、取りやめに。行楽シーズンを迎えるなか、この週末、全国で少なくとも9件が中止となりました。
長野県松川町の特産品にも影響が出ています。観光客向けのマツタケ狩りツアーが中止に。それでも直売所などに卸す必要があるため、松下武史さんは仲間と山に向かいます。そこは去年もクマが出た場所です。対策を万全にして入山。やっとマツタケを発見しましたが。
「まだまだ新しそうな傷痕というか爪痕ですね。この辺はクマが登ってますね」
クマによる被害は11月まで続く恐れがあるといいます。















