社会

ABEMA NEWS

2025年10月28日 11:30

クマが民家居座り、4人を襲撃…なぜ捕獲に6日間も?ハンターが言及「家の中に入ると緊急銃猟・銃があっても安全ではない」

クマが民家居座り、4人を襲撃…なぜ捕獲に6日間も?ハンターが言及「家の中に入ると緊急銃猟・銃があっても安全ではない」
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 秋田県湯沢市の中心部にある住宅街で、クマが民家に6日間も居座り捕獲された。     

【映像】クマが6日間居座った民家の様子(実際の映像)

 10月20日4時すぎ、湯沢市にある消防本部の防犯カメラが、駐車場を猛スピードで走り抜けるクマの姿を捉えていた。その4分後、クマは自動ドアを開けて中に侵入。さらに20秒後に再びドアにぶつかりながら外に出る。現場には血痕や爪あとが残されていた。

 それから約1時間後、街でクマが目撃される。近隣住民は「そっちの通りで出た」「ここを(クマが)走った」「5時〜5時30分ごろに『あ〜』という声を聞いた。どこかのおじいさんが叫んでいると思った。こんな街中で、まさかクマだとは思わないから」と、生々しく証言する。

 そして5時すぎ、63歳の男性が背後からクマに襲われ、背中などにケガを負った。近隣住民は「ローソンに新聞を買いに来て、その途中にやられた」と話す。5時40分ごろには、犬の散歩をしていた40〜50代とみられる男性が、クマに襲われ腕にケガをした。

 その5分後には、近くのホテル駐車場で70歳の男性従業員が襲われ、鎖骨を折るなど重傷。6時20分ごろには、65歳男性が自宅で襲われ、右太ももをケガした。クマは、この男性の住宅に侵入し、そのまま居座った。

 4人がクマに襲われた現場は、JR湯沢駅から約200メートルの住宅や飲食店の密集地だった。

 現場近くにある寿司店の店長は「うちの横を通って現場まで行った」と語り、オーナーも「左曲がって行った。あぁ、おっかねぇ」と証言する。

 クマの居座りは6日間に及び、10月25日2時15分ごろ、箱わなで捕獲された。クマが居座った家の住人の知人は、「(居座った家は)1人暮らし。退院して、どこにいるかわからない」と明かす。なお住宅に居座ったクマが、消防本部の防犯カメラに写った個体と同一かどうかは判明していない。

 では、なぜ家に居座ったクマの捕獲に、6日間も要したのか。ヒグマハンターである北海道猟友会砂川支部長の池上治男氏は、「家の中に入ってしまった状態で緊急銃猟となれば、銃の種類にもよるが、散弾銃でバラ弾を使うと家の中に(弾が)散る。そうすると建物に被害がないことはまずない」と解説する。

 また、「家の中どこから出てくるかわからない。クマもパニックになって隠れている状態。しかも4人襲われている。ハンターといえども危険が伴う。銃があれば安全かというと、それはまったく違う。襲ってくるクマに対して銃を撃つこともできない。そういうチャンスがなければただの棒だ。『銃を持ってさえいれば安全』というのはまったく違う」と語った。

 今回の被害を受けて、現場周辺では自動ドアを手動にするなど、クマが侵入しないようあらゆる場所で対策が取られた。近隣住民は「駆除するハンターもあまりいないと聞いている。大変だなあ」と嘆く。

 ABEMA的ニュースショー・ディレクターがクマ捕獲後の10月26日12時時点の様子を伝える。「26日未明にもクマの目撃情報があった。住民はこの1週間クマが居座ったことで、本当に恐怖を感じている。新たに目撃情報もあり、緊張感がずっと続いている状態だ」。

 また、クマが居座った家の中の様子について「湯沢市長が家の中は非常に荒らされていたと述べている。クマが散らかした状態になっているのではないか」と推察する。

 地元の反応は「今までクマは山で出るものだったが、駅の近く、市の中心部に来るのは初めてだと、皆が言っていた」。

(『ABEMA的ニュースショー』より)

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