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2025年10月29日 20:02

校舎にクマ“体当たり”なぜ? 人を恐れず、食べ物に執着

校舎にクマ“体当たり”なぜ? 人を恐れず、食べ物に執着
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 市街地に鳴り響く銃声。29日も、各地でクマの被害が相次ぎました。

正面で“仁王立ち”小学校に侵入

 粉々に砕かれたガラスの扉。小学校の職員用の玄関です。

防犯カメラが捉えたクマの姿
防犯カメラが捉えたクマの姿

 防犯カメラには、クマがガラス扉に体当たりする様子が映っていました。

 午前5時ごろ、体長1メートルほどのクマが目撃されています。警戒にあたっていた警察官が、小学校で割れたガラス扉を発見。校庭にはクマの足跡が続いています。

この高さのフェンスを乗り越えてきたのか?
この高さのフェンスを乗り越えてきたのか?

 足跡をたどるとフェンスが…。クマは、この高さを乗り越えてきたのでしょうか。

住宅地を通り過ぎて、校庭に入ってきたとみられる
住宅地を通り過ぎて、校庭に入ってきたとみられる

 現場は、山形県南陽市の赤湯小学校。クマは住宅地を通り過ぎて、校庭に入ってきたとみられます。

 クマの出没を受け、赤湯小学校と近くの中学校が臨時休校に。市は警察と猟友会とともに学校内を細かく捜索したものの、クマは見つかっておらず、警戒が続いています。

南陽市立赤湯小学校 須貝賢志教頭
「校舎の中にクマが、まだ潜んでいるのではと心配した。恐ろしかったのが率直な思い。(クマの出没が)市街地にまで及んでいることに驚いている」

 29日も、クマによる人への被害が。福島県では午前7時すぎ、70代の男性が散歩中にクマに襲われ、顔や右腕をけがしました。

 福井県では、こども園のすぐ近くの茂みにクマ2頭が潜み、住宅街が騒然。合わせて11発の銃声が鳴り響く、緊迫の瞬間をカメラが捉えました。

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市街地に響く銃声

 住宅街に緊張が走ります。

クマが出没
クマが出没
まつぶんこども園 園里香園長
「フェンス1枚目と2枚目の間、低くなっている所から(クマが)出てきた」

 現場は観光名所の「福井県立恐竜博物館」からも近い市街地です。住宅に囲まれたこども園のすぐ近くの茂みに、クマが潜んでいるのを園長が目撃しました。時刻は午前8時50分ごろ、園児たちが登園する時間帯です。

園園長
「(クマが)うなり声をあげていたので必死に逃げた。本当に怖かった。四つんばいで、ウオーと飛びかかるような勢いで。柵があったので襲われはしなかったが、柵がなかったら危なかった」

 午前10時すぎ、猟銃を持った猟友会が現場に到着します。

猟友会が現場に到着
猟友会が現場に到着
警察
「あの辺にいる」
猟友会
「隣の家の」
警察
「草むらにいる」
職員
「家と車庫があってL字形になっている。その角に親子のクマがいる」
猟友会
「見えているなら」
職員
「今、屋上から見えると思うので」
猟友会
「見えているなら撃つのが早い」
職員
「撃つと思ってお願いした」
合わせて11発が撃ち込まれた
合わせて11発が撃ち込まれた

 勝山市は、市民に危害が及ぶ可能性が高いと判断。自治体の判断で発砲できる「緊急銃猟」に踏み切ります。

 周辺の半径100メートル圏内を避難・立ち入り制限区域に指定して、住民に屋内避難を呼びかけます。

 猟友会が、こども園の屋上から、下の茂みにいるクマを狙います。そして正午すぎ、立て続けに銃声が響きます。さらに発砲は続きます。合わせて11発が撃ち込まれました。

 緊急銃猟でクマ2頭を駆除。けが人は、いないということです。

「信じられない」親子グマ目撃

市街地の道路を横断する親子のヒグマ
市街地の道路を横断する親子のヒグマ

 北海道では、市街地の道路を横断する親子のヒグマも目撃されています。

 母グマの後を子グマが追います。すぐ近くには住宅地があります。ヒグマが横断する道路では、車が通行できずに停止しています。

 地元週刊誌の編集長が、停車中の車内から撮影しました。

地元週刊誌の編集長は…
地元週刊誌の編集長は…
週刊みなみ空知 末永直樹編集長
「2往復、3往復、行ったり来たり。本当にヒグマを発見した時には、心臓が飛び出るくらい驚いて。山奥にいるならまだしも、日常で車や人が通る所に、見るからに凶暴な動物がいるのはにわかに信じられない出来事」

 親子のヒグマは、この後、奥の住宅街のほうへ向かったといいます。

人を恐れないクマ 食べ物に執着?

27日に捕獲されたヒグマ
27日に捕獲されたヒグマ
猟友会
「ヒグマ1頭捕獲しました」

 北海道上砂川町で、27日に捕獲されたヒグマです。地元の猟友会によりますと、この子グマは、今月市街地に出没した個体だといいます。

クルミを食べる子グマの姿
クルミを食べる子グマの姿

 今月11日、中学校の校舎のすぐ近くでは、クルミを食べる子グマの姿が。向かいにあるコンビニ店から撮影した映像です。

 近くの住宅でも同じころ、親子のヒグマが目撃されています。

北海道猟友会 砂川支部 池上治男支部長
「子グマは全く人を恐れず、ずっと食べ続けていた」
シカの肉に執着
シカの肉に執着

 猟友会は町からの依頼を受け、ヒグマの通り道である山林に箱わなを設置。すると、捕獲された子グマが、餌(えさ)として入れていたシカの肉に執着する姿が。

猟友会
「『土まんじゅう』のように隠した。絶対にとられまいとしているのが分かる」

 子グマは人を警戒することなく、シカの肉を食べ続けています。

 各地でクマの被害が相次ぐなか猟友会は、“人を恐れないクマ”が食べ物を求めて市街地にやってくる現状に警鐘を鳴らします。

食べ物を求めて市街地にやってくる現状に警鐘
食べ物を求めて市街地にやってくる現状に警鐘
池上支部長
「ヒグマ、クマの恐ろしさは、餌として人を見ているということ。とにかくクマの姿を見たら、そこには近づかないこと。家のすぐ横でオスヒグマの足跡が付いていた。そういうことが今起きていると、現実として受け止めなくてはならない」
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