30日も、ガラスに激突するクマが現れました。この行動は何を意味するのか、専門家に聞きました。
パニックで人間襲撃リスクも
午前6時半ごろ、建物の外、右側の道路に現れたのはクマです。そのまま道路を歩き、公民館の正面にある出入り口に近づいてきます。
すると、クマはガラス扉に体当たり。施錠された自動ドアにぶつかり、去っていきます。
「かなりパニック状態で。あのような個体と至近距離で人間が遭遇すると、かなりの確率で襲われる可能性がある。かなり危険」
市街地でパニック状態になる危険なクマが続出。なぜ、クマはガラス扉に突っ込んでくるのか。その習性から、人が襲われるリスクが見えてきました。
ガラス激突でパニックに
ガラスには、クマがひっかいたとみられる傷が。血のようなものも付いています。
「異常な感じだった。爪の跡、泥、血も付いていた。『これはクマだな』と直感で分かって。朝6時ごろ、そこで(クマを)見た人がいたみたいで。『もしかしたらクマだ』と防犯カメラを見て」
現場は、秋田新幹線が通るJR雫石駅からおよそ550メートルにある大きな公民館です。周辺には、小学校やスーパーなどがあります。
町役場のすぐ近くにある「雫石町中央公民館」。800人収容のホールや大きな会議室などがあります。
「町内では連日クマの目撃情報が寄せられ、人身事故も発生しております」
多くの人が利用する公民館の入り口にクマが現れたことを受け、「夜、薄暗くなると怖い。周りを確認しながら」という不安の声が。
29日は、山形県の公立小学校の玄関にクマが現れ、ガラス扉の前で“仁王立ち”。そして、ガラスを突き破り、逃げていく姿が捉えられています。
なぜ、クマはガラス扉に体当たりするのでしょうか?
「(クマは)市街地に来て、何かに驚くと隠れようとする行動(習性)があり、森や草むらがあればそこに逃げるが、住宅地で(茂みが)ない場合には建物や暗い場所に入り込もうとする。それで体当たりしたのではないか」
防犯カメラの映像を改めてよく見てみると、クマは公民館の前を横方向に移動してから方向を変えて出入り口のほうへ。クマはガラス扉にまず一度、体当たりします。さらに、この後、もう一度体当たり。前脚をドアに付けて、立った状態になっています。2回、体当たりして、去っていきました。
「過去の事例をみても、自動ドアに思いっきり突進していく。(クマは)透明な扉を認識しづらく暗がりに突っ込んでいく」
クマが現れたのは、公民館が開く前で、建物の中は暗い状態でした。
襲われないための対策は?
専門家が警鐘を鳴らすのは、クマによる人への被害です。クマがガラス扉に体当たりした後は、襲われるリスクが非常に高くなるといいます。
「パニックになって、逃げなくてはならない状態では。クマは目が前に寄っている。視界が前にある。そこに入ってくる人間がいると、すぐに排除しようとする心理状態に」
目が横についているウマなどの草食動物に比べて、クマは顔の前側に目が付いているため、視界は比較的狭いといいます。そのクマが、市街地などでパニック状態になると、人に危害を加える恐れが。
「自分の帰り道、通行路にいる人間を次々に襲っていく。近くに人がいると非常に危険。通勤・通学時間に重なると、出あう可能性もなくはない。自転車や建物など障害物を間に入れて、直接クマが突進してくるのを防ぐ」
建物や車に、速やかに避難することを呼びかけています。











