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ABEMA NEWS

2025年11月1日 11:15

日本人と外国人の理想の関係?江戸川区にインド人が約8000人、高度なIT人材が多数 対照的に浮かび上がる「技能実習制度」の課題「5年で帰る人は言葉も文化も覚えない」

日本人と外国人の理想の関係?江戸川区にインド人が約8000人、高度なIT人材が多数 対照的に浮かび上がる「技能実習制度」の課題「5年で帰る人は言葉も文化も覚えない」
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 全国各地で課題とされている日本人と増え続ける外国人との共生。関係が悪化し社会問題化する地域もあり、今年は参院選でも「外国人政策」が争点の一つとなり、「日本人ファースト」を訴える参政党が躍進。高市早苗総理による新政権も、外国人政策を主要課題の一つにしている。その中で、東京・江戸川区は人口の約7.4%を外国人が占めている。さらにインド人は8096人で、これは全国の自治体で最多だ。

【映像】江戸川区で楽しげに踊るインド人

 江戸川区とインド人との関係は良好だという。インド人と地域住民の文化交流を図るイベントも今年で26回を数え、日本人からインド人へのサポート体制も手厚いものになっている。各地の自治体が共生に悩む中、江戸川区にはどんなヒントがあるのか。「ABEMA Prime」では、インド人家庭の生活をサポートする団体の代表者に、状況を聞いた。

■江戸川区のインド人は全国最多

江戸川区の外国人

 江戸川区は東京23区でも最多となる5万1800人の外国人が住んでいる。内訳を見ると最多は中国人の1万8231人だが、2番目がインド人の8096人。これが全国の自治体で最多だ。江戸川区にインド人が増えたきっかけの一つと言われるのが、1999年から2000年への年越しの際にコンピューターが誤作動を起こす可能性があると言われた「2000年問題」。この対応に、優秀なIT人材が豊富だとされるインドから多くの人々が日本にやってきた。

 インド人の生活をサポートする市民団体・ナマステ江戸川区の近藤祐市代表は「2000年問題の50年前くらいから、インドの方が少しずつ住みだしていた。そこに2000年問題でバッと増えた。インドレストランやインドのコンビニも西葛西にできて、インドの方々に住みやすくなった」と、ここまでの流れを語る。IT企業に勤める優秀な人材が多いこともあってか、高所得者も多く「もともとは団地に住まわれていた方も、戸建てを買うケースが増えている」という。

 周囲に住む日本人との関係もおおむね良好だ。課題としては「インドの方々は声が大きくて、夜うるさいというのはよくある話。そもそもインド(国内)が、本当にうるさい環境で生まれ育っているので、日本でもそのまま無意識で生活し、それが日本では騒音としてトラブルになることがある」という。インドでは、チャイ(ミルクティー)を毎日、複数回飲みながらコミュニケーションを取る文化があり、これが日本国内ではうるさく感じられることもある一方、日本人と外国人が交流するきっかけになる場合もあるようだ。

 また2ちゃんねる創設者のひろゆき氏は、インド人が他文化と共生する能力に長けた国民性を持っていると語る。「インド特有の面だと、みんな『インド人』というが、地域によっては言葉も文化も全然違うし、むしろ多国籍や他文化に慣れている。だから日本に来ても『こういう文化か』と融合しやすい。別の国や地域の人たちばかりが集まっていると、日本の文化に合わせるのも難しくなる。そういう意味で、他民族がもともと多い地域で生まれた人は、日本にも馴染みやすいのでは」と私見を示した。

■課題山積の外国人政策

江戸川区の外国人

 国内では埼玉・川口市などではクルド人との問題が繰り返し、メディアでも取り上げられる。その他の地域でも課題は山積で、「外国人政策」は今注目される政策の一つにもなっている。インド人との共生がうまく進んでいる江戸川区と、他地域との違いは、出身国以外に何があるのか。

 番組内で多く語られたのが「特定技能」「技能実習制度」だ。「特定技能」とは、人手不足の産業分野で、一定の専門性や技能を持つ外国人が日本で働くために創設された在留資格。「技能実習制度」は、開発途上国などから外国人を日本で受け入れ、労働を通じて技能を移転し、母国での経済発展に貢献することを目的としたものだ。これにより、多くの外国人が訪日することにもなったが、在留期間の短さや日本の文化の認知度にも差があり、トラブル多発の要因の一つともされている。

 ひろゆき氏は「これは外国人の問題ではなく、技能実習制度の問題だと思う。技能実習制度自体、なくすべき。5年後に帰ることが決まっているなら、その国の習慣も言葉も覚えようとしないし、周りの人とも仲良くしても仕方ない。仲良くしないし、言葉を学ばないし、文化を学ばない人をどんどん入れている。だから、この技能実習制度がある限り『外国人ってこういう人多いよね』という悪影響を増やしている」と語る。

 パックンも、国籍や高度な人材か否かで語るのは区別・差別につながると前置きした上で「合法な形で頑張っている外国人に対して、恨みや怒りが煽られるようにしてほしくはない。法律を破っている人は外国人でも、日本人でも取り締まってほしい。江戸川区のインドの方は、頑張って日本を学んで溶け込もうと頑張っている。5年で国に帰される人はコミットしない」と同調した。

 また、ひろゆき氏は高収入を求める他国の人材が、海外に奪われている現実もあると述べる。「優秀な人がもう日本に来ない、二流や三流の人材が来るようになってしまっている。中国の人が来なくなったのは、中国で働いた方が儲かるから。今はベトナムの人が増えているし、しかもベトナムの中でも稼げないような人が来ている。海外では、働けなくなったら国外退去みたいな人権侵害のようなことが行われているが、日本ではそれもできない」。

 この意見に上智大学教授も部分的に賛同する。「ひろゆきさんの話も極端なようだが、一部に納得するところがある。今は、世界レベルで人材獲得競争が起きている。やはり日本は、より良い人が来てくれるために日本経済を良くしなければいけない。日本国民の全体の賃金を上げ、魅力を高める方向でより一層を受け入れることを考えるべき。低収入の人についての話がよく出るが、そういう人たちをどうやって受け入れるかを努力するよりも、呼ばなくても(高度な人材が)来てくれる『日本づくり』が一番大切だと思う」。 (『ABEMA Prime』より)

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