農業ハウスで育てていたのは、バナナではなく小松菜で、バナナ事業は数年前に失敗していたことが分かりました。
“忍者テーマパーク”人影まばら
「みんなで大家さん」側は先月31日、出資者に対して10月末に予定していた17商品の配当が払えないと告知。集団訴訟が拡大するという報道が事業活動に大きく影響を及ぼしているなどと説明しました。
今回も配当が出なかった施設の1つが、戦国時代の文化を体験できる、「親子3世代が楽しめる」と銘打った巨大施設です。
ところが、客が撮影した施設内の映像を見ると、施設内はガラガラです。
「(客は)だいぶ少なかったですね」
「(アトラクションなどに並ぶことは)ないです。もうすぐ、もう待ちなしで」
10月からは水曜日が休園になり、11月1日からは1時間、営業時間が短縮されます。
この施設で配当が出せなくなったのは3商品で、大家さん側は70億円を集めています。
“バナナ事業”栽培の形跡なし
「こだわりの栽培の完全無農薬、純国産バナナ」
一方、82億円を集めて投資トラブルになっている不動産が鹿児島県にあります。大家さん側は、バナナを栽培する「Z社」に建物を貸し、「Z社」からの賃料で投資家に7%を超える配当を出すという商品です。
実際に現場へ行ってみると…。もとは仏壇の会社だったものが、今はZ社の本社です。先月29日に訪ねてみても応答はありませんでした。
Z社のホームページには、栽培用ハウスが3カ所あると記載されています。そのうちの1つでは葉物野菜のようなものは見えますが、バナナはどこにもありません。2つ目のハウスでも、バナナの木は見当たりません。
取材を進めると、Z社とは別の農業法人が7月からこのハウスを借りて農業を始めていました。
「(Q.今何を作ってる?)小松菜です、まだ始めたばかり」
「(Q.ここは前はバナナを作っていた?)そうです、そうです」
3つ目のハウスは佐賀県にあります。中は何かを作っている様子はありません。
栽培の実態はありませんが、「Z社のバナナを使った食品」は今も販売されています。
Z社と取引がある業者を取材すると次のように話しました。
「冷凍保存をされているバナナを。冷凍保存して真空パックに入ったものを送っていただいている」
Z社は数年前に出来たバナナを冷凍保存。その後はバナナ栽培がうまくいかず、現在は冷凍バナナを出荷している状態だといいます。
Z社の元社員を取材すると、バナナの生産事業に失敗したことを明かしてくれました。
「バナナの栽培は、1回目はうまくいきましたが、2回目からはなぜかうまくいかなくなりました」
配当遅れの理由「資金繰りに窮した」
「みんなで大家さん」は、2024年7月からトラブルになっている投資商品の1つの販売を始めました。
すでにバナナの事業がうまくいっていないにもかかわらず、どうやって収益をあげ、大家さん側に賃料を払っていたのでしょうか?
Z社の内部を知る関係者が仕組みを明かしました。
「当社は、みんなで大家さん側からの農業関連事業の委託や請負いを中心に運営して参りました。それらの『委託料』等により賃料も支払って参りましたが、それらがストップしたことで運営が立ち行かなくなり、賃料等も支払えなくなったという事情です」
「Z社」はバナナの生産がなくても、大家さん側からもらった「委託料」で「賃料」を支払ってきました。この「委託料」のストップで、賃料が支払えなくなり、配当が止まったことになります。
この金の流れはホームページには何も記載がありません。
大阪府に聞くと、不動産特定共同事業法に触れることはないということですが、集団訴訟を行う弁護士は「仮に民事裁判になった場合は違法性を主張することになる」と話します。
「委託料」について、大家さん側にコメントを求めましたが、回答はまだありません。
一方、大家さん側は先月31日、出資者に対してメールを送り、配当遅れの理由をこう説明しました。
「諸物価や燃料費、人件費の高騰などにより、経済環境が悪化し、(中略)何とか支払いを行っていたものが、いずれのテナントもここに至って経営支援や事業協力が縮小し、更に経営が厳しくなり資金繰りに窮したことが原因となります」
(「グッド!モーニング」2025年11月1日放送分より)










