時代に合った自由な働き方と言われるフリーランス。その裏にあるリスクと限界について、『ABEMA Prime』では当事者と共に考えた。
【映像】年収5500万円→現在、自己破産の手続き中の有名ブロガー(実際の映像)
■年収5500万円から無職…有名ブロガーの後悔

先日、東洋経済オンラインの記事「年収5500万円から生活保護へ」で大きな話題となった立花岳志氏(56)。2011年のときに17年間務めた会社を辞め、プロブロガーとして独立した。その後、ブログ、著書の印税、セミナー、コンサルなど、2018年には年収5500万円となった。しかしその後、ブログ人気が低下し、約2000万円の借金を抱え、現在は自己破産の手続き中だという。
立花氏は、「動画や音声メディアが多様化するとは思っていたが、僕のビジネスモデルは、ブログを中核にしていた。ブログの広告収入に依存するビジネスモデル自体が陳腐化していってしまった」と振り返る。
さらに、「離婚が同じタイミングで来てしまった。会社を法人化していたが、元妻と一緒に会社を作ってしまったので、身動きが取れなくなってしまい、そこにタイミング悪くコロナもあり、色々重なってしまった」と続けた。
自身の仕事について、「書きたい文章を書いて、やりたいことをやっていればいいと思っていたところはあった」といい、ブログ人気の低下後は、「経費がかかる部分はそのままで、売り上げだけが落ちたので、消費税120万円を払わなきゃいけないのに、会社の口座に3万円しかないみたいな状態になった。だから、まるごと個人のクレジットカードで全額リボ払いした」と明かした。
そもそもフリーランスになった理由については、「両親がミュージシャンで、1回も会社員をやったことがない人たち。そういう家で育ったこともあって、自分の名前で仕事をするのが、当たり前の価値観で生まれ育ってる。なので、会社に入ったときも『フリーランスになれなかったダメ人間』みたいな自己イメージがあった。会社員のときは、まあまあ稼げていたが、どうしても自分の力で、自分の作り出したもので勝負したい気持ちがあった。そういう意味で失敗はしたけど後悔はしてない」。
会社員に戻りたいと思うのか。「絶対にやらない。17年間お世話になった会社を『どうしても独立したい』と言って、辞めさせてもらった。そこまでして、今のフリーランスという場所に来れたので、これからまた再起していきたいと考えてる。雇われて会社員、特にフルタイムは全く考えていない」と答えた。
■「(フリーランスは)会社員よりもコミュニケーション能力が求められる」

リザプロ代表の孫辰洋氏は、フリーランスについて「最近、『サラリーマンは企業家崩れ』と考えてる若い子は多いと思う。成功者は、実際に成功してるかどうかは正直わからない。けど、SNSでは高級車に乗って、年商何億の大学生みたいな人が出てくるから、たとえいい会社に入ったとしても自分を比較してしまう。人間の欲望はキリがないので、そういう陥り方はあると思う」との見方を示した。
コラムニストの小原ブラス氏は、「フリーランスに依頼するのであれば、会社の担保された品質よりもいいのか、安いのか、めっちゃ人がいいのかだと思う。『会社でのコミュニケーションがだるい』と言って、フリーランスになった人は、会社員よりもさらにコミュニケーション能力が求められる。抱いてたイメージほど自由でもないので、そのギャップがうまく埋められない人は困っていくと思う」。
また、「根本にだるいことが嫌だっていう人は、フリーランスをやっても、思っていた依頼と違う依頼ばかり来て、それがめんどくさくなって、『やりたいことと違う』となってしまう。ある程度何かしら犠牲にできるような人じゃないと難しいと思う」との考えを述べた。
(『ABEMA Prime』より)
