5日朝、クマが現れたのは、外国人も訪れる人気の観光スポットでした。さらには、一つの畑に11頭ものクマが出没する事態となっています。
住宅地を駆け抜けるクマ
体を揺らしながら、悠然と歩くクマ。体長は1メートル以上あるとみられます。
現場は、秋田県仙北市のJR角館駅のすぐ近く。武家屋敷通りのそばにある美術館の敷地です。時刻は午前6時ごろ。県外から観光客が集まるエリアにクマが現れました。
「日中はかなり観光の人が訪れ、にぎやかな場所。すぐ脇に国有林の山がある。いつクマがおりてきてても、おかしくない。ついに来たかという感じ。クマが映った5分後に、犬の散歩をしている人の姿も。朝方は気を付けてほしい」
秋田県内では、今年クマによる被害で4人が死亡、56人がけがをしています。
クマの被害を防ぐため、自衛隊が秋田で本格的な支援活動を始めました。
隊員は防弾チョッキなどを装備し、箱わなの運搬や設置訓練を実施。今後は、要望のあった市町村ごとに活動を拡大する予定です。
秋田市内。夜の歩道を駆け抜ける1頭のクマ。一度、壁に手をかけたかと思うと、再び急加速。しばらく走ると、数メートルの壁を軽々と登り、クマは住宅の方向へと姿を消しました。
撮影者によると、この周辺では目撃情報が相次いでいるといいます。
そして岩手では、さらに衝撃の映像が…。ソバ畑に現れた2頭のクマ。カメラを振ると、さらにまた1頭。なんと画面で確認できるだけでも、同じ畑に9頭ものクマがいます。
「落ち穂を拾い食いしている状態。草かげで見えない子グマも含め、11頭が集まっていた。100メートルくらいの畑に11頭が集まるのは見たことない」
今までにない数のクマに、危機感も高まります。
「標高が高い奥山にしかいなかったクマが、人と接する場所で1年中生息している状況。いつ街の中にはみ出してきてもおかしくない」
北海道旭川で撮影された映像。カメラの前に姿を現した2頭のクマが、じゃれあっている様子が記録されています。巨体を揺らして組み合い、転がっています。
この地域ではクマの出没が相次ぎ、近くの畑では農作物の被害も出ています。
雨が降るなか、宮城県の住宅近くの柿の木に現れたクマ。3日、通りがかった人が撮影しました。細い枝に座り、器用に柿の実を食べているのが分かります。
「体長1.5メートルくらいの大きさに見えた。柿の木にのぼって木になっていた柿をクマ自らとって食べていた。1個とって食べて、また1個とっては食べて。私が見ていたなかでは、4〜5分続けていた。住宅の庭先にある柿の木だったので、こんな近くまでクマが来ているのには恐怖を感じた」
富山市の国道沿いのやぶに潜んでいるクマ。すぐ近くにクマがいるのか、猟友会が銃を向けます。そして、「緊急銃猟」による発砲が2発。さらに、もう1発。クマ1頭が駆除されました。「緊急銃猟」は富山市で4回目です。
出没予想の最前線 AIがカギ
クマの出没が常態化するなか、その脅威を先回りしようと、最新技術による予測も始まっています。
上智大学の研究チームが開発したのは、AIでクマとの遭遇確率を予測する「クママップ」。
「×印が直近でクマと遭遇が発生した場所。赤い丸の所は、クマとこれから遭遇する可能性が高いことを示す」
マップ上には色分けした丸が並び、色が濃いほどクマとの遭遇率が高いと予測しています。丸一つの範囲は一平方キロメートル。街中でも、過去にクマが出没した場所と似た特徴があれば、遭遇確率は高いと予測されます。
例えば先月23日、クマが出没した盛岡市中心部の河川敷。AIは「遭遇の確率が非常に高い」と予測していました。この周辺では銀行の敷地にクマが入り込む事態も起きました。
「山の際と川が流れているところで、遭遇する可能性が高いと予測。実際にクマも出ているというふうになっている」
現在、この予測マップは東北や関東に加えて京都などでも公開されています。
「自分が思っていた場所と違う所が警戒が高い表示なら、注意してほしい」










