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2025年11月7日 16:00

急な冷え込み 背中・腰・ひざ“3大ぎっくり”に要注意 血流アップストレッチで対策

急な冷え込み 背中・腰・ひざ“3大ぎっくり”に要注意 血流アップストレッチで対策
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11月4日は、各地で今シーズン一番の冷え込みとなりました。
寒さが原因で起こる、腰と背中とひざ、3つの“ぎっくり”に注意が必要です。
予防策として、自宅で簡単にできるストレッチについてもみていきます。

■今季一番の寒さ到来 体に不調“冬の筋肉”とは

11月4日の最低気温は、寒気の影響で、今シーズン一番の寒さとなりました。
北海道根室中標津は、今季全国で最低の、−7. 7℃まで下がりました。
今週は、晴れる日が多く、朝は放射冷却により冷え込む予想です。

この寒さで、街の皆さんの体調です。

50代の女性
「寒くなって、ひざが痛む。階段の上り下りがつらい。腰もこわばって痛い
60代の女性
「先週の寒い朝、起きるとき伸びをしたら、片足がこむら返りになった。痛みが治るまで布団から動けなかった」
50代の女性
「寒くなると、下半身がむくんで足が疲れることが多くなる」
60代の男性
「寒い朝、起きようとしたら、肩と首のまわりがギプスで固めたように動かなくなった。医者に行ったら寒さによる重度の肩こりだと言われた」

整形外科専門医で、スマートクリニック代表の福田誠さんによると、夏と冬では、筋肉に違いがあるといいます。
夏の筋肉は、熱を逃がすため、末梢の血管が広がり、筋肉がゆるんだ状態です。
そのため、血流がよく、水分量が多くなります。
一方、冬の筋肉は、熱を逃さないように、筋肉や血管が収縮
夏よりも血流が低下し、水分量が少なくなります。

福田さんによると、
「冬は夏よりも筋肉が硬い状態。動かしにくい中で、急に運動すると、筋肉や関節に負担がかかる。また、血流の低下で、疲労物質もたまりやすく、体に不調が出やすい」ということです。

そして、気候の変化も影響しています。

福田さんです。
「近年は、秋を飛び越えて、夏から冬になる“二季”状態夏に運動をあまりせず、筋肉量が減っている中で一気に寒くなり、血流が悪くなるので、余計に支障をきたしやすい」
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■11月以降に要注意 “3大ぎっくり” どんな時?症状は?

これからの時期は、“3大ぎっくり”に注意が必要です。

整形外科専門医の福田さんのクリニックで、例年11月以降に増える症例が、『ぎっくり腰』『ぎっくり背中』『ぎっくりひざ』の3大ぎっくりです。

福田さんによると、
「“3大ぎっくり”は、寒さに慣れていないまま、急に体が冷えるとなりやすい。いったん、“ぎっくり”になると、最低2週間は治療が必要になり、日常生活に大きな支障が出る」ということです。

実際の症例1つめ、ぎっくり腰です。

50代の男性Aさんは、寒くなり、衣替えのため、家族分の衣装ケースをクローゼットから取り出すことにしました。
高い場所にケースがあったので、背伸びをしてケースを持つと、予想外に重く、腰に激痛が走りました。

実際の症例2つめ、ぎっくり背中です。

40代の女性Bさんは、ある夜、多少の肌寒さを感じながらも、気にせず就寝しました。
翌朝、寒い洗面所で顔を洗おうと前かがみになった瞬間、背中全体に激痛が走りました。

ぎっくり腰と、ぎっくり背中の違いです。

ぎっくり背中は、肩甲骨周辺や、背骨あたりに痛みが出ます。

ぎっくり腰は、みぞおちの裏側から下に痛みが出ます。
痛む場所が違います。

ただ、両方とも『筋膜』という、筋肉の周りを覆っている膜が、過度なストレスや筋肉の緊張で炎症を起こし、腫れた状態になります。

実際の症例3つ目、ぎっくりひざです。

70代の女性Cさんは、早く寝たかったので、夕飯後は、シャワーだけ浴びてすぐに就寝しました。
朝、気が付くと、布団から足がむき出し状態で、起き上がろうとするとひざに激痛が走り、そのまま動けなくなりました

なぜ、ぎっくりひざが発症したのでしょうか。

気温が下がるとひざの温度も低くなり、血管が収縮します。
そうすると血流が悪化して、周囲の筋肉に老廃物がたまります。
その結果、ひざ周りの筋肉が硬くなり、ひざの関節の動きが悪化して、軟骨や半月板を圧迫して痛む、ということです。

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■冬本番前に「寒冷順化」“3つの首”血流アップで不調対策

3大ぎっくりを防ぐため、冬本番を迎える前の準備です。

整形外科専門医の福田さんによると、
「今の時期、体を寒さに慣れさせる『寒冷順化』をしておくことが、大切」だということです。

寒冷順化すると、寒くても筋肉がスムーズに動き、血流が保たれる状態になり、自律神経も安定します。

寒冷順化の方法1、外出です。

福田さんによると、
軽いウォーキングを15分程度、週2、3回行う。外気を肺に取り込むことで、体の内側からも、筋肉・血管が収縮しづらい体になっていく」ということです。

寒冷順化の方法2、室内では換気をして、外の空気を取り込むことです。
暖房は利かせすぎず、22℃くらいが適温です。

福田さんです。
「寒くなったと感じても、いきなり真冬の装備にしない。早々にこたつを出したり、床暖房をつけたりせず、徐々に寒さに慣らす」と良いそうです。

ただ、寒さに慣れると言っても、『急激な寒さは逆効果』です。

防寒のポイントは、“3つの首”を守ることです。
首、手首、足首は血流の要所で、それぞれ皮下の浅い部分に動脈があるので、ここを温めれば血流が良くなり、筋肉の硬直をやわらげる効果があります。

こんなデータもあります。
マフラーを巻いた場合と、巻かない場合の足の皮膚の温度の変化です。
気温10℃の部屋、15分間座った状態で、マフラーをしないと、足の皮膚の温度が約1℃低下しました。

3つの首の血流をアップする、福田さんオススメのストレッチです。

1つ目、首周りは『ペンギンストレッチ』です。
両腕を体の横にぴったりつけ、肩をすくめて上げ下げする動きを、5回
その後、首をゆっくり左右に回します。

2つ目、手首は『ぶらぶらドラム』です。
両手を前に出して、軽くドラムを叩くように、上下に10秒動かします。
手のひらを返してさらに10秒、動かします。

3つ目、足首は『かかとアップ』です。
両足交互につま先立ちをして、かかとをトントンと踏みます。これを10回2セット、行います。

福田さんです。
「日本の気候が、昔とは変わっている中で、変化に順応できる体日頃からつくることが大切。短期的に行える寒冷順化のほか、健康な食生活や運動習慣を心がけることで、中長期的なけがや病気の対策につながる」

(「羽鳥慎一モーニングショー」2025年11月6日放送分より)

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