社会

グッド!モーニング

2025年11月6日 11:17

冬眠前のクマはより凶暴に 秋田では自衛隊の活動始まる 武器なし、後方支援のみ

冬眠前のクマはより凶暴に 秋田では自衛隊の活動始まる 武器なし、後方支援のみ
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 5日にクマ対策のため、秋田県に自衛隊が派遣されました。これから現れるクマはより凶暴になっている恐れもあるため、早急に対策を取る必要があります。

秋田で自衛隊支援も武器NG

 4日からクマの目撃情報が相次いでいた富山市。クマが見つかったのは、交通量の多い道路です。カメラの前を次々と車が行き交い、近くには住宅もあります。

富山市役所 森林政策課 中島光輝課長
「(緊急銃猟は)どこでもできるものではないので、判断には気を使います」
秋田県が自衛隊の後方支援を受ける協定を締結
秋田県が自衛隊の後方支援を受ける協定を締結

 新たな展開を迎えたのが秋田県です。

陸上自衛隊 第9師団長 松永康則陸将
「危機的な状況であると認識しています。色々なニーズを踏まえながら活動していきたい」

 多くの被害が報告されている秋田県は、自衛隊の後方支援を受ける協定を結びました。

自衛隊法があるため銃など武器は持たず
自衛隊法があるため銃など武器は持たず

 5日、自衛隊による支援活動が始まりました。今月30日までの間活動しますが、自衛隊法があるため銃など武器は持たず、箱わなの運搬や猟友会メンバーの輸送、駆除したクマの運搬など後方支援に限られます。

観光地の美術館に現れたクマ
観光地の美術館に現れたクマ

 そんな人間の動きなどお構いなしのクマ。5日に現れたのは、多くの人が訪れる観光地の美術館でした。体長1メートルほどのクマが、ゆっくりと移動している様子が捉えられていました。その後の行方は分かっていません。

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ツキノワグマが「OSO18」化?

深刻化するクマ被害
深刻化するクマ被害

 深刻化しているクマによる被害。こうした事態を受け自民党は5日、「クマ被害緊急対策プロジェクトチーム」の会合を開きました。

自民党 クマ被害対策PT
笹川博義委員長

「政府に対して口頭での申し入れをさせて、申し渡しを行ったところでもあります」

 ハンターの人材確保や育成、捕獲手当など予算措置について、来週にも提言をとりまとめる方針です。

「寒くなってから冬眠するわけではない」
「寒くなってから冬眠するわけではない」

 専門家の藤本靖氏は、これから現れるクマはより危険性が高まると話します。

「冬眠に向けての体力づくりがまだ間に合っていない場合には一生懸命、餌(えさ)探しますし。寒くなってから冬眠するわけではないので、勘違いしないでほしい。まだ気をつけなくてはならないという時期は続くと思う」
「特殊だったクマ」OSO18
「特殊だったクマ」OSO18

 狂暴化したクマと言えば記憶に新しいのが、おととし捕獲され大きな話題となった「OSO18」です。藤本氏はこう振り返ります。

「OSO18というのは、特殊だったクマだと思う。具体的な中身が全然分からない。何とかしてでも捕まえなければならないヒグマだった」
40年以上ヒグマ研究の藤本靖氏
40年以上ヒグマ研究の藤本靖氏

 藤本氏は40年以上、ヒグマを研究。2021年には「OSO18特別対策班」のリーダーになり、およそ2年にわたり追跡を指揮しました。

北海道で65頭のウシを襲ったヒグマ「OSO18」
北海道で65頭のウシを襲ったヒグマ「OSO18」

 2019年から2023年までのおよそ4年間、北海道の標茶町と厚岸町を中心に65頭ものウシを襲ったヒグマ「OSO18」。今年、東北や北陸で出没しているツキノワグマも「OSO18」のように肉食化してしまう危険性はあるのでしょうか。

「OSO18というのは、人間によって放置されたシカを食べて肉食化になってしまった。人間がしっかりとしたルールを守ることによって、特殊なクマを作らずにできる」
「より早い対策班の組織づくりが必要」と藤本氏
「より早い対策班の組織づくりが必要」と藤本氏

 藤本氏はより早い対策班の組織づくりが必要だといいます。

「人間の安全性を考えると、早急に作ることが大切だと思う。しっかりと研修を積んだうえで、対策にあたることが今後求められる」

(「グッド!モーニング」2025年11月6日放送分より)

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