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コメを使った“飲むワクチン”の開発が進んでいます。「飲むだけで感染症を予防できる」時代が来るかもしれません。
飲むワクチンで「粘膜面に免疫を誘導」
瓶に入った白い粉末。実用化を目指して開発が進む「飲むワクチン」です。
千葉大学 未来医療教育研究機構
清野宏卓越教授
「これが“飲むワクチン”のもとになります」
「これを水に溶かして、飲む」
清野宏卓越教授
「これが“飲むワクチン”のもとになります」
「これを水に溶かして、飲む」
研究を行っているのは、千葉大学の清野卓越教授らの研究チームです。
「注射型ワクチンは、通常、冷蔵や冷凍保存をしないといけない。ワクチンを作って接種する費用の約3分の1にもなる。さらに開発途上国では、注射器や注射針を使い回すことで二次感染のリスクも」
ワクチンを常温で長期保存できるようにするには、どうしたら良いのか。清野教授らが目を付けたのは、コメでした。
「(コメは)常温で保存できる植物ということに気がついた。さらに有能なタンパク質を作り、貯蔵するシステムを持っていることも学んだ」
さらに、コメを使うことで、ワクチンの成分を胃酸などの消化酵素から守りながら、腸の粘膜面から抗原を取り込むことができます。
重症化を防ぐだけでなく、従来の注射型ワクチンでは難しかった感染の予防も期待できるといいます。
「注射型ではできなかった粘膜面に免疫が誘導できるので、家に例えれば、玄関や窓にも鍵がかかった状態が作れる」
千葉大学に今年新たに開設された施設では、企業と共同で実用化を見据えた研究が進んでいます。
ワクチンのもととなるイネは、遺伝子を組み換えているため、隔離された環境で厳重に管理されています。
現在、実用化を目指しているのはコレラ下痢症のワクチンです。将来的にはインフルエンザなどへの応用も視野に研究を進めています。
「腸管下痢症だけではなく、呼吸器感染症に対する備蓄型経口ワクチンの研究開発を進めている。国民の皆さんの健康を守る新しいワクチンとして開発を積極的に進めていきたい」
(「グッド!モーニング」2025年11月6日放送分より)
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