警察官によるライフル銃の使用が決まった6日、連日深刻な被害の秋田では、今何が起きているのか。番組ではクマハンターに密着しました。
秋田県で連日クマ捕獲
箱わなのオリにかみつき暴れるツキノワグマ。クマの被害が相次いでいる秋田県で5日、猟友会によって捕獲された個体です。
体長は1メートル35センチ。体重は150キロ。冬眠を控えるこの時期、クマは脂肪をたっぷりと蓄えています。
連日、クマが捕獲されている秋田県湯沢市。6日、番組の取材班は現場へ。市街地でクマの目撃が相次ぐ緊迫の事態です。
「空き家なんですけど、この辺みんなクマが寝転がって。クマが寝転がった跡。あそこずっと道(獣道)になっている」
クマが出没した形跡は、他にも。
「これ、みんなクマが」
肥料の袋が引き裂かれています。
「(クマが)何回も来ている」
自宅のすぐ目の前にも、クマが現れます。
ガラス扉の向こう側、畑の奥に1頭のクマが。林の境を走り抜けていきます。
住民はクマに襲われる不安にさらされています。6日、取材中にも爆竹が鳴りました。
「クマ追い。爆竹を鳴らして畑作業をしている」
畑作業の際にはクマ対策が欠かせません。音楽を流しながらの畑作業となっています。
「クリ林とかカキの木があったりするから(それを)目的に来る。カキの木だけど、実がほとんどない。あれは全部クマが食べた」
親子グマ“驚異の学習能力”
4日午前6時ごろに撮影された映像です。住宅の庭にあるカキの木に現れた親子のクマ。どのようにしてカキの実を食べているのか、その一部始終が捉えられていました。
右側にいる母グマが口を動かし、しきりに食べているのが分かります。
しばらくすると、母グマが移動します。すると、すぐ近くを車が通り過ぎていきます。
母グマは辺りを気にする仕草をみせた後、カキの木に脚をかけて、するすると登っていきます。
母グマの近くにカキの実がなっています。ただ、この位置からは離れていて届きません。
すると、母グマは体の向きを変え、反対側の枝を登り、さらに上のほうへ。この後、クマの学習能力の高さが分かる行動に…。
前足を使い、カキの枝を折ったのです。揺れている枝の先を見ると、カキの実が付いているのが分かります。子グマがいる高さまで落としたとみられます。
枝を折った後、母グマはすぐさま子グマがいる所まで降りてきます。
目の前には複数のカキの実が。じっと待っていた子グマも動き出します。さらに、下からもう1頭の子グマが登ってきます。
母グマと子グマが一斉に食べ始めます。左側の子グマがカキの実をくわえました。母グマも実を口にします。親子のクマは、このようにして住宅の近くにあるカキの実を食べていたのです。
「毎日(来る)。きょう来ないだけ。毎日寝不足。夜も電気つけっぱなし」
住民に迫る“親子グマ”の脅威
親子グマの脅威は、住民にも迫っています。
住宅街の茂みを走るクマ。よく見ると、母グマの後ろに子グマがいます。
車の中から目撃した男性は、この直前、母グマに襲われていました。
「後ろから親グマがすごい勢いで追いかけてきた。『あ、クマだ』と認識した。(母グマが)車を攻撃してきた。四つ足で走ってきて、車の前で中腰になって爪でガンとやられた。2〜3回攻撃してきた」
その後、親子のクマは茂みに入り去っていったといいます。
猟友会ハンターに密着
猟友会は、市街地でクマ対策に追われています。
「危ない。どんどんこっち(市街地)に来ているから。結構けが人もいる。死亡者、殺された人もいる。けがもひどい。普通のけがと違ってクマにやられたら大変。ひっかかれるとばい菌もすごい。先月けがをした人は、まだ入院している。1カ月過ぎても」
クマの捕獲は、危険と隣り合わせ。
車の荷台には、巨大な箱わなが。
秋田県湯沢市の「雄勝猟友会」では、今年、箱わなでクマを39頭も捕獲しているといいます。
5日も、体長1メートル35センチのクマがかかりました。大きな箱わなは、運搬や設置が容易ではありません。
猟友会の鹿角事務局長は6日、市役所で自衛隊との打ち合わせにも参加。自衛隊が、秋田県内で箱わなの運搬など、後方支援にあたっていることに感謝しています。
クマの脅威を伝えるため、駆除したクマの爪を保管しています。
全国で相次ぐ被害を受け、警察官によるライフル銃を使ったクマの駆除が13日から可能になることが6日に決まりました。
















