東京・八丈島の台風被害が甚大だ。10月6日に22号、13日に23号と続けて勢力の強い台風の直撃を受けると、7000人弱が住む島内では、死者は出なかったものの土砂災害は100カ所近くと見られ、屋根の破損など建物の被害報告も約600軒にのぼった。一時は約2700軒が断水するなど、島民の生活にも大きな影響が出た。22号の直撃から約1カ月が経過し、各種メディアの報道も減る中、まだまだ島が元の生活を取り戻すには程遠い。
「ABEMA Prime」では、被災した現地の人々から状況を聞いたが、この中で議論されたものの一つが、復旧支援として行われているクラウドファンディング。これに2ちゃんねる創設者・ひろゆき氏は「(復旧支援を)東京都の予算でやるべき」「個人で1億、2億集めてどうするのか」と異を唱えた。
■金銭的支援、クラファンは必要ない?

2度の台風直撃によって、八丈島には大きな被害が出た。強風で建物の屋根が飛び、また倒木が屋根を突き破って建物の中に入り込んだケースもある。道が塞がれ流通が止まり、断水は日常生活だけではなく、氷が必要な漁業にも影響を及んだ。現在でも152軒が断水、8世帯11人が避難生活を送っている。都からは救援物資などが届いたが、その後は日々の暮らしに必要な物資が届くべきところ、悪天候が続いたことで飛行機・船の欠航が相次ぎ、物流が滞っている。
島外のボランティアも11月に入り、ようやく募集が始まるという状況で人、物、ともに足りない中、金も足りていない。観光業を営む島民からは「一定の稼働率を3カ月下回れば、だいたいどこも倒産する」という声も出る中、八丈島の復興を支援するクラウドファンディングが複数、進んでいる。八丈町議会議員・浅沼碧海氏は「八丈島は、少しずつ立ち上がるためにクラウドファンディングを始めている方たちもかなりいるし、みなさまの応援を必要としている。SNS等で懸命に発信してもいるので、拡散のご協力をしていただけると非常に助かる」と呼びかけた。
ただ、この流れに異を唱えたのがひろゆき氏だ。「クラファンなんかしちゃダメ。東京都の予算は8兆4000億円ある。どう考えても東京都の予算でやるべき。クラファンで個人が1億円、2億円を集めてどうするのか。必要なのは政府の金。政府を動かせというのはわかるが、個人が『クラファンしよう』は明らかにリソースの無駄遣い。まずは東京都に何かやらせるべき」と、強く指摘した。
これには被災した八丈島を現地で取材した8bitNews代表・堀潤氏は「気持ちはわかる。だが(現地の)事業者に聞くと、この半年で生き延びるための、直近の資金が必要だ」と、都に金銭的な支援を求めた場合のスピード感を考慮し、個人・民間から今すぐ入る支援も進めるべきだと述べていた。 (『ABEMA Prime』より)
