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2025年11月7日 20:32

子グマの鳴き声「クァ」に注意 秋田県警で警官にライフル講習 対策も

子グマの鳴き声「クァ」に注意 秋田県警で警官にライフル講習 対策も
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 子グマの鳴き声が聞こえたら、すぐに逃げて下さい。

山形初の「緊急銃猟」で駆除

 数時間にわたって、クマが居座った温泉旅館。木片が散らばり、障子は破れています。その奥には…食料を探していたのでしょうか、発泡スチロールが散乱していました。

 現場は山形県米沢市の創業250年の老舗温泉旅館。緊張が走ったのは、7日午前7時半ごろのことでした。

緊張が走る
緊張が走る
旅館の経営者 110番通報・午前7時半ごろ
「1階にクマが1頭いる」
クマは、体長およそ1.2メートルの成獣
クマは、体長およそ1.2メートルの成獣
福島屋旅館 笹木和夫代表
「気配は感じました。いつも我々が寝ている部屋の前にいました。もちろん、おっかないです」

 旅館の1階に居座っていたクマは、体長およそ1.2メートルの成獣。旅館は冬季休業中で、館内には経営する家族3人しかいませんでした。3人は2階に避難をすると…。

福島屋旅館 笹木代表
「パトカーが来て、非常階段の横につけてもらい逃げた」

 駆け付けた警察官に保護されました。

山形県としては初めてとなる「緊急銃猟」の駆除
山形県としては初めてとなる「緊急銃猟」の駆除

 そして午前11時49分、市の担当者が建物内の発砲を許可。山形県としては初めてとなる「緊急銃猟」の駆除が行われました。

「安全を確保して入っていけたので正当なものだった」
「安全を確保して入っていけたので正当なものだった」
米沢市 市民環境部
遠藤直樹部長

「扉を開けた廊下の所にクマが横たわっていたので、即ハンターが発砲して1発で仕留めた。建物の中に居て危ない状況で、安全を確保して入っていけたので正当なものだった」
現場には、クマのものとみられる毛が
現場には、クマのものとみられる毛が

 発砲した現場には、クマのものとみられる毛が残っていました。

「とにかくひどい」
「とにかくひどい」
福島屋旅館 笹木代表
「今見て来たばかりだけど、(中は)かなりひどいです。冷蔵庫は全部開けているし、とにかくひどい。これまでもクマはいたんでしょうけど、こんなことは初めて。中まで入られたことは初めて」

警官にライフル講習 対策班も

富山市が設置したカメラにクマの姿
富山市が設置したカメラにクマの姿

 午前1時ごろ、暗闇の中を歩くクマ。体が大きく、成獣だと見られます。富山市が設置したカメラが捉えた映像です。カメラが設置されたのは、市街地の国道沿い。近くには、小学校があります。

 この小学校では、保護者に送迎依頼。下校時に教職員が付き添うなど対応をとったということです。

地元猟友会から説明を受けている秋田県警の機動隊員
地元猟友会から説明を受けている秋田県警の機動隊員

 連日のように人里に現れるクマ。対策が急ピッチで進んでいます。

地元猟友会
「おととしも餌(えさ)不足でクマが出てきた。その時にクマも何を食べられるか、食べ物を学習する」

 地元猟友会からクマの説明を受けているのは、秋田県警の機動隊員です。

 13日から、警察官がライフル銃でクマを駆除できるようになります。北秋田警察署では、それに向けた講習会が午後4時から行われていました。

猟友会
「脂肪を蓄えたクマは、弾が当たっても簡単にはまいりません。できるだけ一発で倒せる腕前をもってやらないと怖い」
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子グマの鳴き声「クァ」に注意

 秋田県湯沢市では連日、クマが捕獲されている
秋田県湯沢市では連日、クマが捕獲されている

 箱わなの中で、鉄格子にかみつき暴れるクマ。吐く息が白く染まり始めた秋田県湯沢市では連日、クマが捕獲されています。

 その様子を撮影した映像の中に、クマの珍しい生態が映っていました。

「モー」という聞きなれない鳴き声
「モー」という聞きなれない鳴き声

 体重およそ70キロの子どもとみられるツキノワグマ。荒々しく息を吐いてはいますが、発する声は対照的で、「モー」という聞きなれない鳴き声です。

 この鳴き声が、危険のサインかもしれません。

北海道で撮影されたヒグマの映像
北海道で撮影されたヒグマの映像

 北海道で撮影されたヒグマの映像では…。このツキノワグマの鳴き声とは、ずいぶんギャップがあります。

ヒツジのような「メェー」とういう鳴き声
ヒツジのような「メェー」とういう鳴き声

 クマの鳴き声は、これまで様々確認されています。

 親子のクマでしょうか。カメラの前を3頭続けて横切ります。どのクマが発しているかは分かりませんが、ヒツジのような「メェー」とういう鳴き声です。

「アー」と発して方向転換
「アー」と発して方向転換

 こちらのクマは「アー」と発して方向転換した後も…。鳴いた後に、動き出した様子を見ると、何か意図があるようにも感じます。

 様々な鳴き声に、どのような違いがあるのでしょうか。

鳴き声の違いは「個体差」
鳴き声の違いは「個体差」
岩手大学 農学部
山内貴義准教授

「個体差だと思う。実際には犬みたいな声や猫みたいな声で鳴く個体もいて。体の大きさによって音程が違う」
「(Q.鳴き方に意味がある、状況で変わる)ない」

 そもそも本来、クマは“鳴かない動物”として知られています。ただ…。

クマは“鳴かない動物”として知られているが、子グマは…
クマは“鳴かない動物”として知られているが、子グマは…
山内准教授
「子どもは比較的よく鳴くと言われていて、何かに困ってしまった時に泣き叫ぶように鳴くことはある」
去年の秋、長野県で撮影された
去年の秋、長野県で撮影された

 「クァクァ」という鳴き声の主は、子グマとみられます。去年の秋、長野県で撮影された映像です。

撮影者
「聞いたことない声だったので『これ何の声?』って言って。かなり小さかったので『子グマだな』と。(体長は)40〜50センチくらい」

 男性は、すぐその場を離れたそうです。

 専門家は、こうした子グマの鳴き声こそ、“危険のサイン”だと話します。

子グマの鳴き声こそ、“危険のサイン”
子グマの鳴き声こそ、“危険のサイン”
山内准教授
「基本的に子グマは親を呼ぶ時、助けを求める時に鳴く」

 北海道でも「ワン」とヒグマの子どもが鳴くと…。対応にあたるハンターたちもあせるほど。

大声を出さず近づかないこと
大声を出さず近づかないこと
山内准教授
「もしかしたら、すごいスピードで子グマのほうに走ってくる可能性も。ただちに距離をとる(ことが重要)」

 クマが生息する地域で聞きなれない鳴き声を聞いたら、大声を出さず近づかないこと。これは鉄則です。

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