釧路湿原で進むメガソーラー計画について、新たな問題です。事業者側が工事の着工日としていた3月17日は急速に発達した低気圧で北海道が大雪に見舞われた日でした。
高市総理「規制の総点検実施」
7日の衆議院予算委員会。
「太陽光パネルと自然環境、地域との共生、様々な課題が発生しているというのは、みなさんご案内の通り。総理のこの問題に対しての認識見解、今後の展望含めて伺いたい」
「今、全国各地でメガソーラーの建設によって、森林伐採ですとか不適切な開発によって環境破壊が起きたり災害リスクなどの懸念がみられております。政府としては、安全・景観・自然環境などに関係する規制の総点検を行いまして、連立政権合意に基づいて不適切なメガソーラーを法的に規制する施策を実行してまいります」
メガソーラー業者「工事の早期再開を目指す」
全国各地で問題視されている、大規模太陽光発電所、メガソーラーの計画。
北海道釧路市で工事が進んでいるメガソーラー計画を巡っては、法令違反が相次いで確認されています。
4日、北海道は大阪に本社を置く「日本エコロジー」を釧路市に呼び、ヒアリングを行いました。
「本日の会議につきましては、太陽光発電施設にかかる関係法令に基づく手続きの対応状況などについて、確認を行う場として設定させていただきました」
「関係法令の部分で、一部届け出の提出が遅れたりとか、その辺今後どのようにやっていくのかというのを、しっかり話をさせていただけたらと思います」
道は事業者に対して森林を違法に伐採した場所での植樹や土壌の再調査を求めています。
日本エコロジーは道の指導に従ったうえで工事の早期再開を目指すとしています。
大雪で着工?遅れて提出の工事記録に誤り
事業者にこれまで判明している3つの法令違反。番組が今回注目したのは、森林法、土壌汚染対策法、盛土規制法のなかの盛土規制法に関する、工事を着工した日付についてです。
事業者が着工日として提出した、3月17日の作業日報です。午前8時から午後5時までの間の8時間。3人で「土木シートひき」をしたと書かれていますが…この日、急速に発達した低気圧の影響で、釧路市は大雪と暴風に見舞われました。ホワイトアウトする瞬間もあったといいます。この悪天候の中で、土木シートを敷く作業ができるのでしょうか。
「工事の日報ですが、日報は間違って記載しましたと事業者から報告を受けました」
道によると、事業者は大雪の日、「シートをひいた」のではなく「シートを切っていた」と訂正。道が、それを着工とは言わないと指摘すると、木の伐採を始めた3月21日が着工日であると現在は説明しているといいます。
この問題点を指摘する釧路市議の木村隼人氏は「ちょっと無理があるなと私は思います。僕はもう事業者に(手を)引いていただきたいですね」と話しました。
そもそも、3月中旬に着工したのであれば4月中に道に届け出る必要があります。ところが8月末、道が現地調査に入ると、届け出をしていなかったことが判明。後になって9月に提出されたのが、今回、大雪の日に着工したという工事記録でした。
「本来だったら4月の中旬までに届け出さなきゃダメなんですよ。それが9月17日に受理されたと、5カ月遅れだった。セカンドチャンスで提出してきたわけですよね。そしてその日報がでたらめだった」
事業者が新たに示した3月21日の着工日について、道は日報と作業員への聞き取りで正しいかどうか判断したといいます。
事業者はこの着工日を修正した届け出をまだしておらず、道は届け出をし直すよう求めています。
「(Q.きょうお話しされた中でも、ある程度誤解は払拭されたとお考え?)そうですね。建設的な話し合いはできたなと手応えは持っています。地域の皆様に安心していただけるように道とも協議をしっかり重ねていきますので、よろしくお願いします」
(「グッド!モーニング」2025年11月8日放送分より)









