社会

グッド!モーニング

2025年11月8日 12:21

強風でイベント中止、客への返金義務ある 大阪地裁判決 「非常事態に該当しない」

強風でイベント中止、客への返金義務ある 大阪地裁判決 「非常事態に該当しない」
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 強風を理由にイベントを中止した主催者が返金に応じないのは妥当か否かについて、7日に大阪地裁で裁判がありました。強風は返金が免除される理由にはあたらないという判決が言い渡されました。

屋外イベント強風で中止

 LEDライトを使ったランタンがゆっくりと空へ浮かび、幻想的に夜空を照らします。SNS映えもすることから、ここ最近、日本各地で開催されている人気のイベント。しかしながら、このイベントには避けられない課題があります。

 それは悪天候です。ひとたび強風が吹くと、ランタンが右に左に飛び回り、空に浮かばないことも…。

強風で中止
強風で中止

 裁判になっているのは2021年、大阪市で行われたイベントについてです。強風により2回が中止となり、大人1人4500円のチケット代を返金するか、しないかが争われていました。

 主催者である「スターリーナイトカンパニー」は、チケットの規約にこう記載していました。

スターリーナイトカンパニーホームページから
スターリーナイトカンパニーホームページから
スターリーナイトカンパニーホームページから
「天災や感染症拡大防止等のやむを得ない理由、お客様都合によるお申込み後の返金はお受けしておりません」

 中止した2日間ともに、強風注意報が発令され、当日に中止が発表されました。

チケット返金拒否
チケット返金拒否

 主催者側は、「やむを得ない理由」に強風も含まれるとして当時、チケット代を返金しないと判断したのです。

スターリーナイトカンパニー
「本件対象消費者は、チケット規約2条により、本件イベントが中止された場合に、チケット代金が返還されないことを認識したうえでチケットを購入した」
7日に判決
7日に判決

 これに対して、消費者支援団体が返金義務の確認などを求めて大阪地裁に提訴し、7日に判決がありました。

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チケット返金拒否は認められず

 大阪地裁は、強風注意報が出ていたため、主催者側の中止の判断は妥当とした一方で…。

大阪地裁
大阪地裁
「強風で中止したことについて主催者に責任はないが、不返金の事由とはならない」
チケットの規約
チケットの規約

 チケットの規約では、返金しない理由として「地震、噴火、大雨」は書かれていますが、「強風」はありません。「非常事態」との文言もありますが、裁判所の見解は。

裁判所の見解
裁判所の見解
「一定の強風が吹いていたからといって、直ちに非常事態に該当するとは認められない」
客への返金義務ある
客への返金義務ある

 そのため、大阪地裁は返金義務があるとする判決を言い渡しました。

 原告側の記者会見では。

消費者支援機構関西 松尾善紀弁護士
「今回の判決は屋外開催型のイベントが中止になった時に、チケット代金を返さなきゃいけないことを認めたところが非常に大きい」

 少なくとも数百人以上が返金を求める権利があるとみられます。

消費者支援機構関西 薮田高広代表理事
「当該の消費者にスムーズに返金していけるように鑑みて(主催者は)行動をお願いできればと思います」

 判決について、主催者は。

判決について
判決について
スターリーナイトカンパニー
「当社は、現時点で判決を受領しておらず、具体的な内容等について把握できておりません。今後、内容を精査のうえ、対応を検討して参ります」

(「グッド!モーニング」2025年11月8日放送分より)

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