10日に登山道の冬季閉鎖を迎える富士山には多くの駆け込み登山客が訪れました。一方で、外国人観光客が急増するなか、石川県金沢市では日本人離れが急速に進んでいます。
富士山に登る階段 観光客殺到
富士山をバックに階段でジャンプ。富士山と階段のコラボ!「富士山に登る階段」としてSNSで話題の観光名所、静岡県富士市の「富士山 夢の大橋」には8日も、いろいろな外国語が耳に飛び込みます。しかし、8日はあいにく曇りがち。台湾から来たカップル、何のポーズでしょうか。
「富士山の姿は、頭に焼き付けてきたので平気です。富士山が見えない代わりに、山のポーズをして撮りました」
ウェディング・フォトを撮りに来たカップルもいました。
「来月、結婚式を挙げるので、その時に使う写真を撮りたいなと」
ただ、こんな場面も。縁石に上っている子どものすぐ近くには車道が…。
さらに、車道を横断し、中央分離帯に上がっていく人もいます。以前は、写真を撮るため、中央分離帯を乗り越える迷惑な観光客もいました。
しかし、現在は警備員を配置し、看板を設置するなど、富士市の対策が功を奏し、マナー違反は少なくなったといいます。
「うちの駐車場も違法駐車されて、他の客が止められないこともあった。迷惑行為は最近減った」
富士五湖のひとつ、山梨の河口湖。標高の高い湖畔は紅葉が見頃を迎えています。
「YouTubeでオススメされていたから来ました。秋に来られてよかった」
東京から来た観光客
「土曜日だし、このシーズンだから混むかなとは思っていました」
富士山スカイライン 10日閉鎖
ほんのり雪化粧を始めた富士山。富士山スカイラインが10日、冬季閉鎖されるのを前に、週末、駆け込みで5合目を目指す行楽客がいました。
雲ひとつない青空に映える富士の頂。
「山頂まで見えたので撮りました」
「宝永山からの雲海がとてもきれいで、よかった」
眼下に広がる雲海。山頂までよく見えるはずです。5合目付近では、秋の最後を飾るカラマツの黄金色が輝いていました。
「楽しかった」
「(Q.どんなところが楽しかった?)鹿がいた」
母
「鹿、見えたね」
富士山スカイラインが再開するのは、来年4月の予定です。
日本人宿泊26%減の石川県 外国人は殺到
日本三名園のひとつ、石川県金沢市の兼六園。モミジが色付き始めるなか、冬支度「雪つり」が始まっていました。雪の重みで枝が折れるのを防ぐために行われるこの作業。日本ならではの技術に、外国人観光客も興味津々です。
「カナダでは多くの雪が降りますが、この作業をしないので枝が落ちてしまいます。とても賢い技術ですね」
こちらは金沢名物、豪華に1枚、金箔(きんぱく)が乗ったアイスを一口。
「(Q.金箔の味はどうですか?)味はないね。でも、抹茶味のアイスはおいしいよ」
それにつけても、目を引くのは外国人観光客の多さです。
「外国人はずっと増えているので、(観光客の)7割くらいが外国人かなと思います」
外国人観光客に向けたメニューを設置した店もあります。
「1回1回説明していたら大変なので、英語でこんな味ですよと書いてあるので」
みたらしだんごには、「甘辛いたれの団子」、納豆もちには「しょうゆ味の餅に納豆を入れ、のりをトッピング」など商品名だけでなく“味”の説明を英語で書き加えました。
金沢市で年々増え続けている外国人観光客。一方で、こんなデータもあります。
“観光地の日本人離れ”です。観光庁の調査を基に、日本人の宿泊動向を調べたところ、東京、京都でそれぞれ10%以上減少。それを大きく上回るのが石川県のマイナス26%です。「北陸応援割」が終わった影響もあるとみられるものの、その穴を埋めているのが外国人観光客です。
石川を訪れた日本人観光客(20代)は、「本当に日本かなという感じで、めちゃくちゃ外国人がいるのでびっくりしています」と話します。
古い町並みが楽しめるひがし茶屋街も、写真を撮ったり、通りを散策して楽しむ多くの外国人の姿が見られました。
「日本の伝統的な通りで、建物が木でつくられていて、日本のイメージ通りの風景を見ることができてうれしいです」
地元の新鮮とれたての海鮮が楽しめることで人気の近江町市場。長年、金沢市民の台所として親しまれてきましたが、こちらも年々外国人観光客の数が増えています。
「お寿司を食べています。たくさんの魚が入っていました。マグロにイカにエビに…名前が分からない魚もあります」
鮮魚店の店員も慣れない言葉と身振り手振りで対応します。
「指さしで教えてあげる。これはマグロ、ツナですとか。カジキなんてのは分からないし、毎日大体入るようなメニューをここに貼るんです。(外国人観光客の増加は)いろいろと賛否はあると思うけど市場なんでね。我々にとってはにぎやかでいいですよね」
一方で、言語の壁による“マナー”を伝える難しさも。組合も対策に乗り出します。
「日本語で打ち込むと、指定した言語に自動で翻訳してくれて、音声化して場内放送で流すことができる」
なんと、放送可能な言語は10カ国語!システムの導入後、「食べ歩きの禁止」など、場内のマナーを多言語で伝えることができるようになりました。
「素晴らしい場所だと思いました。たくさんの魚を見ることができて、とてもいい匂いがして、ここに来てとても幸せでした」
(「グッド!モーニング」2025年11月9日放送分より)




















