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凶暴なクマと立ち向かうハンターたちが命がけにもかかわらず、今の報酬では赤字続きだと悲鳴の声を上げています。
「300kg」巨大ヒグマが車襲撃
箱わなが壊れんばかりに荒々しくかみつきます。秋田県湯沢市で捕獲された凶暴なクマ、体重およそ150キロの大型です。
雄勝猟友会のハンター
「すごく暴れて本当に怖かった。見ているだけでも。今年のクマは凶暴。今年は違う。こっちに向かってくるからね。そうなれば危険。怖いですよ」
「すごく暴れて本当に怖かった。見ているだけでも。今年のクマは凶暴。今年は違う。こっちに向かってくるからね。そうなれば危険。怖いですよ」
車に突進してくる巨大なクマ。北海道浦河町に現れたヒグマです。
クマの専門家 岩手大学農学部 山内貴義准教授
「口を開けて追っかけてきている状態なので、かなり攻撃行動の一つ。ヒグマだと体長、鼻から尻まで最大2メートルくらい、体重も300キロくらいになる。この個体に関しては、それくらいほぼマックス」
「口を開けて追っかけてきている状態なので、かなり攻撃行動の一つ。ヒグマだと体長、鼻から尻まで最大2メートルくらい、体重も300キロくらいになる。この個体に関しては、それくらいほぼマックス」
住宅地にクマ2頭出没 緊急銃猟の瞬間
例年以上に凶暴化しているというクマ。今年、クマによる全国の死者は過去最多の13人。猟友会への出動要請が大幅に増えているといいます。
そんな猟友会のハンターが緊急銃猟を行う緊迫の瞬間をカメラが捉えました。
秋田県仙北市で、畑に入り込んで白菜をむさぼり食べる2頭のクマ。駆け付けたハンターが息を殺し、屋根の上で銃を構えます。そして、クマが潜む畑に向けて発砲。
撮影した人
「びっくりした。当たったか」
「びっくりした。当たったか」
別の場所で狙いを定めていたもう1人のハンターも発砲し、2頭のクマは駆除されました。
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命がけでも実質ボランティア 猟友会訴え
凶暴化するクマを相手に、立ち向かうハンターたち。しかし、その報酬は危険度に見合ったものとは言えません。北海道では、自治体からの日当がわずか9000円ほどの場合もあるといいます。
北海道猟友会 堀江篤会長
「自分たちは命を懸けてやっている。それなのにこれですかと。なかには行政とうまくいかない支部部会があります。一番少ないところで9000円前後、1回の出動すべてで」
「自分たちは命を懸けてやっている。それなのにこれですかと。なかには行政とうまくいかない支部部会があります。一番少ないところで9000円前後、1回の出動すべてで」
ガソリン代や銃弾の購入費などを考えると赤字だといいます。
堀江会長
「1万円前後なら低い。弾代も1発につき1000円前後かかる。今は燃料代も高いし、(仕事を)休んで、有休を取ってまで出る人もいる。本来ならば足りない」
「1万円前後なら低い。弾代も1発につき1000円前後かかる。今は燃料代も高いし、(仕事を)休んで、有休を取ってまで出る人もいる。本来ならば足りない」
実質ボランティア状態で、猟友会のハンターたちの犠牲の精神に頼っているのが現状です。
堀江会長
「一番に『市民の方は不安だろう』という気持ちがあるから、皆さん出てくれる。使命感です。常時出ているところ(猟友会)は負担が大きすぎる」
「一番に『市民の方は不安だろう』という気持ちがあるから、皆さん出てくれる。使命感です。常時出ているところ(猟友会)は負担が大きすぎる」
左目失明のハンター「誰かがやらなければ地域崩壊」
実際に、生死の境をさまよったハンターもいます。
北海道岩見沢市の原田勝男さんは25年前、60歳の時にシカ猟の最中、突然現れたヒグマに襲われました。
原田さん
「ふっと振り向いたらクマが来ていた。2発撃ったんだけれども急所を外れて(クマが)飛びかかってきて押し倒した。ガリガリガリガリとかじって目から何からかじって。一時気を失って、自分で死んだと思っていた」
「ふっと振り向いたらクマが来ていた。2発撃ったんだけれども急所を外れて(クマが)飛びかかってきて押し倒した。ガリガリガリガリとかじって目から何からかじって。一時気を失って、自分で死んだと思っていた」
幸い、一命を取り留めた原田さんでしたが、左目を失うというあまりにも大きな代償を払いました。そんな経験をしてもなお、ハンターを続けています。その理由もやはり、犠牲精神にほかなりませんでした。
原田さん
「命を取るということはやりたくないんですけれども、誰かがやらなければ地域が崩壊する。クマは特に人の命を奪う状態にもなる。それだけは絶対に避けなければならない」
「命を取るということはやりたくないんですけれども、誰かがやらなければ地域が崩壊する。クマは特に人の命を奪う状態にもなる。それだけは絶対に避けなければならない」
(「グッド!モーニング」2025年11月9日放送分より)
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