政治団体・NHK党の党首、立花孝志容疑者(58)が逮捕されました。死亡した元兵庫県議の名誉を傷つけたとして、元県議の妻が刑事告訴していました。
元県議の妻「1つ区切りに」
「けさマスコミなどから電話やニュースで逮捕の一報を知りました。逮捕の報道が出たことで、主人の仏前に報告しました。どうなるのか不安や心配もありましたが、今はほっとしております」
9日、立花容疑者の逮捕を受けて、亡くなった竹内元県議の妻がオンラインで会見しました。
「ひとまず何よりも安堵(あんど)したところですが、まだ今後の推移を見守りたいと思います。きょう1つ大きな報告が仏前にできたことは、1つ区切りになったのかなとは思っています」
今年1月に亡くなった元兵庫県議の竹内英明さん。NHK党党首の立花容疑者は、竹内さんの虚偽の情報を投稿するなどして、名誉を毀損した疑いが持たれています。警察は認否を明らかにしていません。
竹内さんの妻は今年6月、兵庫県警に立花容疑者を刑事告訴。8月の会見では、こう述べていました。
9日の会見で、竹内さんの妻の代理人である弁護士は、今回の立花容疑者の逮捕は大きな意味があると話します。
「(立花氏が)死者の名誉毀損はハードルが高いから、こんなものは犯罪にならないんだという、たかをくくったような発言をしていたんですね。逮捕事実の中に死者の名誉毀損の事実が加えられたということは非常に大きな意味がある」
「立花孝志というのはずっと政治活動の自由というものを振りかざして、他者の人権を侵害し続けてきた政治家だと思っています。立花孝志的な模倣をしている政治家に対しても大きな牽制(けんせい)になる」
竹内さんの妻は、会見の最後に今の思いを語りました。
妻語る「生活一変」
斎藤元彦県知事のパワハラ疑惑を調べる「百条委員会」の委員を務めていた竹内元県議。
「知事、ここはパワハラを認めて反省するってことじゃないんですか?気持ちだけじゃなくて」
「私は自分が行った行為で不快に思われた人がいるのであれば、そこは本当におわびしたい」
当選5回のベテラン県議で、パワハラ疑惑解明の急先鋒(きゅうせんぽう)として知られていました。
斎藤知事が失職し、去年10月、出直し選挙に出馬すると…。
「彼(斎藤知事)は何一つ悪いことしていないんです。犯罪どころか違法行為もしていないし、パワハラもしていない」(兵庫県知事選 去年11月)
立花容疑者は斎藤知事を応援するために自らも出馬し、いわゆる「2馬力選挙」を展開します。
そして選挙期間中に竹内さんを「斎藤知事を失職に追い込んだ黒幕の1人」と名指し、竹内さんの事務所に押しかけると宣言します。
竹内さんの妻は、9日の会見で当時の状況を振り返りました。
このころからSNS上で竹内さんは誹謗(ひぼう)中傷に悩まされるようになり、周囲に不安を漏らしていました。
「うちの事務所までXなどで狙われる宣言受けて家族も退避してます。警察からも退避しておくように言われています」
斎藤知事が再選した翌日、竹内さんは議員を辞職します。
虚偽の情報拡散「死者にむち打つ行為」
その後も立花容疑者は、去年12月に出馬した大阪・泉大津市長選の街頭演説で…。
「何も言わず立ち去って行った(辞職した)竹内議員は、めちゃめちゃやばいね。警察の取り調べを受けているのは多分間違いない」
そして今年1月、竹内さんは亡くなりました。
立花容疑者は、竹内さんが亡くなった翌日にも。
「本人は逮捕される前に自ら命を絶ったのではないか。お亡くなりになったからといって、私はそれは自業自得でしょとしか言いようがない」(川越市議会議員補欠選挙 1月19日)
埼玉県川越市で行われた市議会議員選挙の応援演説だけでなく自身のYouTubeにも投稿し、SNS上には同じような情報が拡散されました。
「竹内元県議会議員、あす逮捕される予定だったそうです」(立花容疑者のYouTubeから 1月19日公開 ※現在は削除)
これに対し、当時の兵庫県警のトップは、拡散されている情報を「事実無根」「明白な虚偽」と完全に否定しました。
「謝罪をさせていただきます。大変失礼しました」(立花容疑者のYouTubeから 1月20日公開)
一度は謝罪をする立花容疑者ですが、その後も批判を続けました。
「悪いことしてるから死んでるんやろ。まともな人間は言い返せよ」(千葉県知事選 3月)
今年6月、竹内さんの妻は立花容疑者を名誉毀損の疑いで刑事告訴します。
立花容疑者は刑事告訴に対して…。
「訴えていただいたことについては、これで白黒はっきりつくということ。私としては非常に感謝しています」
立花容疑者が逮捕されたことについて、兵庫県の斎藤知事は…。
「これから捜査が進むという話でもあるので、私のほうからのコメントは控えたい。誹謗中傷や名誉毀損につながるような発信は控えていただくことが大事だということをしっかり広報啓発していきたい」
同僚県議「許すことはできない」
「年は違いますけども、無二の親友という感じかな」
兵庫県議会の百条委員会のメンバーとして竹内さんと一緒に活動していた上野英一県議。ひょうご県民連合のホームページに掲載されている写真では、中央に竹内さんと上野県議が並んで映っています。
「彼が亡くなった損失は兵庫県議会にとっても県民にとっても、大変大きいというふうに思います」
今回、立花容疑者が逮捕されたことについては…。
「やっとここまで来たかっていう感じですね。なかなか難しいというふうには思っていたんです。やっぱり議員の責務、この問題が起きてから多くの議員がものを言わなくなっている。攻撃にさらされますんでね。今攻撃されるからこそ、逆に頑張って発信をしていかなきゃいけない」
そして、竹内さんと同様に立花容疑者に虚偽の内容の演説をされたという丸尾牧県議。
今年3月以降、1万通を超える誹謗中傷のメールが届いたとして、警察に被害届を提出しています。
「彼の影響力も含めて、そんなことを発信したら当然攻撃がいくというのは分かるだろうし、まさにそれを堂々と行ってしまう彼の人間性だとか、人としてやはり、そこは許すことはできないですし、きちんと裁きを受けてほしいなというふうに思いますね」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2025年11月10日放送分より)



















