今度は北海道で体長2メートルの巨大なヒグマが現れました。ハンターなしでクマを追い払う新兵器に注目です。
また居座り 納屋にクマが…
「なんか声が大きくなってきたよ」
思わず、小声になるほど緊迫した現場。富山県砺波市にある住宅の敷地内。ハンターが猟銃を構える横で、警察官でしょうか、大きく足を広げ身構えます。そして、「バン」という乾いた音が響くと、一気に安堵(あんど)の空気が広がりました。
「すげえな…」
10日午前7時半ごろ、複数の住民から「クマを目撃した」などと110番通報がありました。
クマは農機具などをしまう納屋の中で見つかりました。猟友会のハンターが小窓から猟銃を向け、駆除したということです。
「ここから撃った」
「(Q.この窓からこういうふうに撃った?)そういうことです」
クマはおよそ1メートルの成獣でした。自治体の判断で、市街地でも銃器を使える「緊急銃猟」で駆除されたということです。
「『全員鍵をかけて出ないで2階へ上がってください』と連絡があった」
「岐阜県のクマ牧場によく行ったが、実際の野生のクマは見たことがない」
山形県酒田市でも、神社にクマが出没し3頭が駆除されるなど、10日も「緊急銃猟」の事案が相次ぎました。
2m巨大ヒグマ 目の前に
アスファルトの上を歩くクマ。北海道では、クマが行く手を阻む異常事態が相次いでいます。
太平洋に面する北海道浦河町。橋の上に現れたのは、巨大なヒグマです。突然、車に突進してきました。周囲には建物も点在するエリア。 幸い、車に乗っていた人は無事でしたが、車には衝撃の強さを物語るヒグマの爪痕とへこみが残されていました。
映像を見た専門家は…。
「口を開けて追っかけてきている状態。かなり攻撃行動の一つ」
運転する先に、攻撃的なヒグマが待ち受けているという恐怖。それは、ここだけの話ではありません。
北海道石狩市でも、温泉施設につながる道路にヒグマが出没。同じ日の朝には、近くのトンネル付近で体長およそ2メートルのヒグマが目撃されていました。
「黒い物が道路脇にいてその脇を通り過ぎて、『ああ、クマだ』と思って。(車に)当たらなくて本当に良かった」
車を襲ったヒグマ 大きさは?
本州に生息するツキノワグマに比べ、北海道に生息するヒグマは大きいことで知られてはいるものの…。どんな大きさのクマなのでしょうか?
浦河町のヒグマが現れるおよそ1カ月前、北海道の日本海側に位置する苫前町でも、巨大なクマが捕獲されています。
実際に測ってみたところ、体重はちょうど300キロだったそうです。
この苫前町のヒグマと比べても、浦河町のヒグマの大きさは遜色ないようにも見えます。
「ヒグマだと体長、鼻から尻まで最大2メートルぐらい。体重も300キロくらいになる」
こうした巨大なヒグマが、複数、人里の近くに潜んでいてもおかしくない状況なのです。
“空から新兵器” クマ追い払う
一方、クマ出没が急増するのは、北海道・東北だけではありません。先週、中部地方の岐阜県でも、寺の駐車場にツキノワグマが居座りました。岐阜県内では、今年度のクマ出没件数が10月末現在で836件と、すでに去年を大きく上回り、人身被害も発生しています。
その岐阜県が新たに導入するのが、ドローンを使った新たな対策です。京都府内の山のふもと。ドローンを操縦しているのはハンターです。
手元のコントローラーにある「音」というボタンを押すと、動物の鳴き声が聞こえます。このハンティングドローン。クマへの活用が広がっています。
「(クマは)元々オオカミが怖かったので、犬の鳴き声で追い払えるんじゃないかと」
ハンターの相棒と言えば、そう、狩猟犬です。昔からクマの狩りには犬のサポートがありました。
これは、クマ対策の特別な訓練を受けた犬、“ベアドッグ”がクマを追い立てる様子です。鳴き声に反応し、慌てて木から下りる様子がうかがえます。実際に使用している音声も、猟犬の鳴き声を高性能のマイクで録音したもの。
「直接クマに対して脅威を与える。ドローンは追い立てる感じ」
「巻狩り」と呼ばれる猟犬が獲物を追い立て、逃げた先で仕留める狩猟方法もドローンで再現できているといいます。
さらに、こんな性能も。
「花火ではなくて『動物駆逐用煙火』というもの。空中で発射して音で(追い払う)」
「クマがいる森の中に入らなくてもいい。安全な距離を保ちながらドローンを飛ばして、クマの追い払いができるのが大きなメリット」













