社会

グッド!モーニング

2025年11月12日 11:24

役場職員に悪質カスハラ800件 400万円の賠償求め提訴へ 町議会が全会一致で可決

役場職員に悪質カスハラ800件 400万円の賠償求め提訴へ 町議会が全会一致で可決
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 愛知県美浜町は、役場の職員に暴言を吐くなどのカスハラ行為を800件以上繰り返したとして、町民の男性に対し、400万円の損害賠償などを求めて提訴する異例の議案を可決しました。

カスハラ行為やめるなら…提訴しない方針

60代 男性
「職員同士が結婚するのは風紀上悪い。あいびきしていいのか」
「お前より上司のほうが、頭がいいんじゃないか。男とは話したくない、女に代われ」

 役場の職員に暴言を吐くなどカスハラ(カスタマーハラスメント)をしたとされるのは、愛知県美浜町に住む60代の男性です。

 5、6年前から始まったという男性のカスハラ行為。近隣住民との土地の境界を巡るトラブルの解決や、建物の耐震化に関する補助金申請が退けられたことなどに関し、職員が対応できない要求を窓口や電話などで求め続けたといいます。

職員が対応できない要求を求め続けたという
職員が対応できない要求を求め続けたという
美浜町 総務部 宮原佳伸部長
「電話や窓口のやり取り、直接話をして対応したけれど、なかなかご納得いただけなかった。職員から『なんとかならないのか』という声が大きかった」
職員への懲戒請求書も
職員への懲戒請求書も

 先月1日には、午後2時半ごろから役場の閉庁時間である午後5時15分ごろまで、8つの部署に電話。過去には、職員の懲戒処分を請求する文書が町長宛てに届いたこともあったといいます。

 今年4月からだけでも、すでに800件以上にも上るという男性のカスハラ行為。困り果てた町は、異例の手段に打って出ることに。

宮原部長
「本町の住民から不当な要求、対応の強要。職員個人への誹謗(ひぼう)中傷などが繰り返されており、一個人の要求のために膨大な職員の労力が割かれ、他の住民への行政サービスに著しい支障が生じている」
珍しいケース
珍しいケース

 美浜町議会は、男性に対し行為の差し止めと対応した職員の給与相当額400万円の損害賠償を求めて提訴する内容の議案を全会一致で可決しました。

 住民のカスハラ行為を役場が訴えるという珍しいケース。町民からは…。

美浜町民
「何を言われても仕方ない人というイメージが若干あるように思うので、公務員に関して。でも、そういうことはない。他の働いている人と同じように、何を言われても仕方ないような存在ではなくて、もう少し尊重し合える関係になれば」

 議案は可決されましたが、町長はカスハラ行為をやめるなら提訴はしない方針です。

「訴訟ありきではない」
「訴訟ありきではない」
美浜町 八谷充則町長
「訴訟ありきではなくて、こうしたことを進めることによって、相手方とお話をして、今後そうしたことについて、少し穏やかになっていただければということも当然考えている」

 美浜町はこれから、男性にカスハラ行為をやめるよう再度伝える予定です。

(「グッド!モーニング」2025年11月12日放送分より)

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