70年前に閉山した鹿児島県の金山から新たな金鉱脈が見つかったことが分かりました。金価格が歴史的な高騰を続ける中、ゴールドラッシュを期待する現場を取材しました。
地元では早くも期待高まる
「黒いのが砂鉄で、黄色っぽいのが“金”ですね」
「(Q.すごい輝きが…お宝が眠ってますね)眠っていますね」
国内の金の販売価格は2万2000円を超え、いまだ高値が続き、安全資産として世界で争奪戦が繰り広げられています。今、日本の「眠れる金」に熱い視線が注がれています。
その舞台となるのは、かつて国内最多となる金の産出量を誇り、薩摩藩の財政を支えたともいわれる、鹿児島県霧島市とさつま町をまたがる「山ヶ野金山」です。
空港から車で30分。番組が現地を取材しました。
およそ70年前に閉山した山ヶ野金山。今も名残があります。こちらは胡麻目坑口跡。中には使われていたバリケードが残っていて、地下水が外に流れ出す様子も。当時の面影を感じることができます。
その周辺には他にも…。
「自分たちで金を掘ったということになります。自分たちで金を掘って、それをお金にかえたということで、こういった坑口跡がたくさん残っています」
坑口は1人がやっと通れる大きさで、運搬や排水、落盤に苦しんだといいます。
山ヶ野金山の歴史を展示する郷土館には、当時使用されていた工具などが保管されています。
最盛期には、およそ2万人が働いていた山ヶ野金山。閉山後、麓の横川町は過疎化が進みました。
「この通りもずっと商店街で、旅館があったり飲み屋があったりしたけど、もうそれもなくなっちゃって。今は、もう寂しいです」
しかし近年、カナダの鉱物探査会社が山ヶ野金山を再調査。鉱石1トン当たりの金の量が平均3グラムあれば優良な金山とされる中、山ヶ野金山からは最大45.9グラムの金を含む新たな鉱脈の一部が発見されたのです。
地元では早くも“ゴールドラッシュ再来”かと、期待が高まっています。
「『金山がまた動き出したんだ』みたいなところに興味を持って、観光とか遊びで来られる方も来ていただけたらうれしいな」
「我々地元としては、ちょっとでも活性化されていけばいいのかな。非常に期待しております」
砂金探し体験も
さらに、地元では“金”に関連した体験もあります。霧島ジオパーク友の会が行っている砂金探し体験です。子どもから大人まで参加することができ、最終的には親が夢中になるケースも多いといいます。
「この川の上流に山ヶ野金山があって、そこから金の粒が流れてきています。それがこの川底ですとか、あと木の根っことか、草の根とかその辺りによく絡まっているのがあるので、それを洗って探します。やってみましょうか!」
実際に、スタッフがやってみましたが、見つけることはできませんでした。諦めきれないスタッフがもう一度挑戦。すると、砂金を見つけることができました。
見つけた砂金を実体顕微鏡でのぞいてみました。
「すごい。輝きが…。お宝が眠っていますね」
参加費は2500円で、とれた砂金は持ち帰ることができます。
「特に子どもたちに、この大自然の魅力、そして山ヶ野金山の歴史、そして何といっても“金の魅力”。そういったものを伝えていけたらな」
専門家「探せばたくさんある」
新たな鉱脈の発見で盛り上がりを見せる山ヶ野金山。調査を行っているカナダの鉱物探査会社は、こう述べています。
鹿児島事務所 宮武修一所長
「山ヶ野地域の皆様のご期待は大変ありがたいと存じます。これまでの試錐(しすい)結果では金・銀を含む鉱化帯を複数確認しており、地質モデルと整合する有望な兆候が得られています。今後さらに試錐を重ね、資源ポテンシャルを明らかにしていく予定です」
失われたかつての活気を取り戻す起爆剤となるのでしょうか。日本の閉山した金山の可能性について、専門家はこう話します。
「その気になって探せば、たくさんあると思います。まだまだあると思いますよ。(昔は採掘を)地表に近いところしかやらないんですよ。だから現在の技術をもってすれば、かなりあると思いますよ」
(「グッド!モーニング」2025年11月12日放送分より)













