新潟県新発田市で12日、見回り中だった猟友会の男性がクマに襲われました。各地で被害が相次ぎ、生活にも大きな影響が出始めています。求められる、これまで以上の“クマ対策”。政府が近く取りまとめる『対策パッケージ』の概要が判明しました。
猟友会ハンター襲われる事態も
宮城大学は爆竹を使った巡回などを行っています。それでも。
「宮城大学事務局からお知らせします。ただいま敷地内でクマが目撃されました。危険ですので校舎から出ないようにお願いします」
すぐに学生は屋内へと避難することに。
ハンターが襲われる事態も発生しています。新潟県新発田市で警戒にあたっていた猟友会の男性が、クマに襲われて顔などをけがしました。
「撃つまでは装填したり袋外したりできない。本当に撃つ手前でやらなきゃいけないので。それで弾を詰めたりする余裕がなかったと言っていた」
男性は自らクマを駆除し、命に別状はないということです。
13日から警察によるライフルを使った駆除が可能になります。岩手県滝沢市で県外から派遣された銃器対策部隊の警察官などに向けて講習会が開かれました。ハンターが心得を伝えます。
「(猟友会メンバーに)クマを撃つ時には『お前クマになれ』って言う。『お前がクマだったらどこに逃げる?』ということをいつも言っています」
空港にも出没 運航に影響
いわて花巻空港の駐機場で駆け回るクマ。その先には飛行機が動いています。この空港では初めて出没を確認したということです。無事に捕獲されたものの、1時間以上、滑走路は閉鎖することに。離陸が遅れた航空機が2便出るなどの影響がありました。
「まさか自分が巻き込まれるとは思わなかった。家の近所でも時々出ています」
盛岡市の中心部でもクマが目撃されました。その影響で中学校が臨時休校となりました。警察は、クマが歩いていた河川敷などで注意喚起しました。
緊張の灯油配送 コンビニも対策
灯油の配達をする業者も警戒を強めています。12日のルートは滝沢市から盛岡市方面へと向かいますが、その周辺では、この3日間、約30件の目撃情報がありました。
「灯油のホームタンクが家の裏手に付いてる時が多いので、入れる時は細心の注意を払う。風で木がカサカサってなったりする時はグッと力が入る」
回るのは1日30件ほど。配達先には山に近い場所もあります。屋外のタンクへの給油など作業は1人。いざという時のため、腰に着けているのはクマ撃退スプレーです。
「クマ出ているというのはニュースで頻繁に出ていた。山間の所も配達するのでどうしても。いざという時にパパッと判断よくできればいいんでしょうけど」
全国で相次ぐ出没と被害。買い物で当たり前の光景も一変します。ローソンでは店舗の周辺でクマが出没した場合は、自動ドアを手動に切り替えます。さらに、クマスプレーの用意や、ごみ管理の徹底などの対策を準備しました。
「今クマが出ていますので鍵を常に持って、油モノとかゴミだけはこちらに。そして常に鍵は閉める状態」
もしクマが近くに来たら。
「厨房(ちゅうぼう)じゃなく、事務所に逃げなさい。ドアもあるし匂いもないので、クマはこちらには来ないと思います。レジの従業員が『クマだ』と言ったら、もし中にいてもお客様と共にこちらに駆け込むと」
人材確保や交付金で自治体を支援
生活に影響が出ているなかで、政府が発表するクマ対策の内容が明らかに。自衛隊や警察官のOBを対象とした人材の確保を急ぐほか、箱わなや電気柵の整備を進め、必要な費用は交付金などで支援するとしています。高市総理大臣も。
「補正予算も活用して必要な施策を順次実行に移してまいります」
支援の対象になるかもしれないと待っている人がいます。クマを引き寄せるかもしれない果物の木。この撤去費用を補助するという支援案が12日に出ました。
(Q.ボランティアで空き家の柿の木を切っているが実費だといくら)
「(1本あたり)4〜5万はかかると。こういった形の木を切る時の伐採の費用ですとか、そういった意味での補助はあったらありがたい」














