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安倍元総理を銃撃し、殺害した罪などに問われている山上徹也被告(45)の裁判。旧統一教会に1億円を上る献金をしていたとされる母親が13日、初めて出廷しました。
法廷に立ったのは、息子のためになればという思いからだったそうです。
山上被告の母(発言のまま)
「本来は、事件が起きたとき、すぐに謝罪をしなければならなかったのに、すぐにはできませんでした。いま、ここで謝罪をしたいと思います。ここに、安倍前首相も来ているかもしれませんが、徹也が大変なことを起こし、心よりお詫び申し上げます。安倍前首相と昭恵夫人、遺族に心よりお詫びしたい」
「本来は、事件が起きたとき、すぐに謝罪をしなければならなかったのに、すぐにはできませんでした。いま、ここで謝罪をしたいと思います。ここに、安倍前首相も来ているかもしれませんが、徹也が大変なことを起こし、心よりお詫び申し上げます。安倍前首相と昭恵夫人、遺族に心よりお詫びしたい」
事件後、母親との面会を拒否し、連絡を絶ってきた山上被告。母親の謝罪を、眉間にしわを寄せるようにして聞いていました。ついたてが置かれ、傍聴席からは母親の姿は見えませんが、弁護人の隣に座った山上被告からは見ることができます。時折、母親の方に数秒間、目を向ける場面もありました。
謝罪する母親の声は震えていましたが、その後は、はっきりとした口調で証言しました。
弁護人
「いま、信仰している宗教はありますか」
「いま、信仰している宗教はありますか」
山上被告の母
「はい、世界平和統一家庭連合です」
「はい、世界平和統一家庭連合です」
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母親が入信したのは、1991年の夏。
夫の自殺や、病気を抱えた長男の失明で心を痛め、約半年間で、合わせて5000万円を献金したといいます。
弁護人
「5000万円払えば、長男が助かるかもしれないと思ったということですか」
「5000万円払えば、長男が助かるかもしれないと思ったということですか」
山上被告の母
「はい。ほかの子に申し訳ないと思いましたが、あの子の命を守りたいと思いました」
「はい。ほかの子に申し訳ないと思いましたが、あの子の命を守りたいと思いました」
裁判長
「ほかの子に申し訳ないとは、当時、思っていましたか?いま思っていますか?」
「ほかの子に申し訳ないとは、当時、思っていましたか?いま思っていますか?」
山上被告の母
「いまのことです。当時は、そこまで頭が働いていませんでした」
「いまのことです。当時は、そこまで頭が働いていませんでした」
裁判の主な争点の一つは、“情状”。
検察側と弁護側で、犯行に至った経緯に争いはなく、意見が分かれているのは、生い立ちが犯行に与えた影響を、どの程度、考慮するかです。
弁護側の冒頭陳述
「生まれ育った環境が児童虐待にあたり、その生い立ちが事件に与えた影響について、刑の重さを判断する際に、十分、考慮するべきだ」
「生まれ育った環境が児童虐待にあたり、その生い立ちが事件に与えた影響について、刑の重さを判断する際に、十分、考慮するべきだ」
弁護側は、母親の証言は、家庭環境の“証拠”となるため、一つひとつ引き出していきます。
山上被告が高校3年生だった1998年秋、祖父が亡くなり、その後、母親は、家族で暮らしていた自宅を売却。4000万円を献金したことを明らかにしました。
山上被告の母
「さすがに、住んでいる家を売るのは、ためらいがありました。長男が死にたいと言ったので、これは、やっぱりしないとと思いました」
「さすがに、住んでいる家を売るのは、ためらいがありました。長男が死にたいと言ったので、これは、やっぱりしないとと思いました」
弁護人
「子どもたちのことは考えませんでしたか」
「子どもたちのことは考えませんでしたか」
山上被告の母
「何か道があるだろうと思いました」
「何か道があるだろうと思いました」
弁護人
「進学の時期でしたが」
「進学の時期でしたが」
山上被告の母
「とにかく、それよりも献金することが大事だと思いました」
「とにかく、それよりも献金することが大事だと思いました」
一方、検察側は、山上被告の生い立ちが、安倍元総理の銃撃に直接関係するものではないと否定します。
検察側の冒頭陳述
「母親の旧統一教会問題は、事件と関係があるが、山上被告は社会人として生活し、規範意識を十分に持っていた。不遇な生い立ち自体は、刑罰を大きく軽くするものではない」
「母親の旧統一教会問題は、事件と関係があるが、山上被告は社会人として生活し、規範意識を十分に持っていた。不遇な生い立ち自体は、刑罰を大きく軽くするものではない」
13日、安倍元総理の妻・昭恵さんの上申書が読み上げられました。
安倍昭恵さんの上申書
「夫の手を握り、耳元で『晋ちゃん、晋ちゃん』と名前を呼んだ。手を握り返してくれたような気がしました。死を実感してからは、思い出すと涙が出るようになりました。失った悲しみを昇華することはありません。夫に、ただ生きていてほしかった。長生きしてほしかった」
「夫の手を握り、耳元で『晋ちゃん、晋ちゃん』と名前を呼んだ。手を握り返してくれたような気がしました。死を実感してからは、思い出すと涙が出るようになりました。失った悲しみを昇華することはありません。夫に、ただ生きていてほしかった。長生きしてほしかった」
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