社会

グッド!モーニング

2025年11月14日 13:48

安倍氏銃撃の公判に被告の母 家売るなどして旧統一教会に7年間で1億円献金

安倍氏銃撃の公判に被告の母 家売るなどして旧統一教会に7年間で1億円献金
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 安倍晋三元総理大臣が銃撃され殺害された事件。山上徹也被告の母親が旧統一教会の本部がある韓国に何度も渡航したことや、1億円にも及ぶ献金の異常な実態が明らかになりました。

「家売り4000万円」教団へ献金

弁護士
「おじいさんが亡くなりどんなことをしましたか?」
母親
「家を売って献金しようとした」
弁護士
「合計いくらぐらい?」
母親
「4000万円ちょっと」
弁護士
「4000万円をどうしましたか?」
母親
「献金しました」

 13日に出廷した山上被告の母親が証言台で語ったのは、教団に対して繰り返してきた異常とも言える献金の実態です。

 夫の自殺がきっかけで、1991年に教団に入信したという母親。当時10代だった山上被告ら3人の子どもを家に残したまま、教団本部がある韓国へ何度も渡航していたことを明らかにしました。

弁護士
「子どもたちから韓国に行かないでというお願いは?」
母親
「行くことに一生懸命だったので、覚えていません」
弁護士
「15歳、14歳、10歳で子どもを置いていったのですか?」
母親
「はい」
弁護士
「前もって言ったのか?」
母親
「そう思います。食事は3日分作って、冷蔵庫に入れて行きました」

山上被告は母との面会拒否

 母親は山上家に不幸がある度に献金をしてきましたが、教団側は夫が亡くなって10年以上が経った後も、献金を促してきたといいます。

弁護士
「山上被告が高校のころに献金はしていましたか?」
母親
「夫の供養ということを言われて、1000万円くらい出した」
弁護士
「1984年に死んでいるので、供養は済んでいると思いますが?」
母親
「私は済んでいると思ってなくて。あの世の苦しさは、お寺で何日かやったから消えると思っていません」

 母親の証言が事実であれば、1991年から7年間で献金総額は1億円に上ります。山上被告は、こうした献金が事件の動機になったと明かしています。

山上被告の供述
「母親が旧統一教会にのめり込み、家庭がめちゃくちゃになった」

 山上被告は事件後、母親からの面会の申し入れを拒否してきました。母親は裁判の冒頭、信仰している宗教を問われると「世界平和統一家庭連合です」と答えたということです。

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被告に「死刑求刑の可能性」元検事

 弁護側は山上家の実態を明らかにすることで、情状酌量を求める狙いがありますが、大阪地検元検事の亀井正貴弁護士はこう指摘します。

「いろんな情状的な問題があるにしても、情状的な問題というのはターゲットが違うだろうと。旧統一教会の直接関係する人たちであれば、それは被害者側の過失が考えられますから、当然そこは量刑上も考慮される話」
「安倍元首相についてはいくら統一教会の関係性を言ったところで、命をもって償うような過失はないですから、関係ない政治家を殺害したというような構図は消えないと思います」

 亀井弁護士は2007年に長崎市長が射殺された事件で、1審で求刑通り死刑判決が言い渡された判例が、今回の裁判にも影響を及ぼす可能性があると指摘します。

「この手の犯罪は死刑求刑だと考えます。元検事の感覚としてはそうです。政治的に影響力を持つ者をターゲットにしているということ、同時に旧統一教会に対する打撃になるということですけども、それも政治的な意味合いを帯びてきますから」
「民主主義の政治に影響を与えるために人を殺害するという行為は許されない。政治テロの意味合いが出てきている。ですから(検察は)殺人の類型の中でも最も重い類型と捉えていると思います」

(「グッド!モーニング」2025年11月14日放送分より)

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