「宗教に入ってます」。自分の信仰はパートナーにいつ伝えるべきなのか。時に、伝えるタイミングを誤ることで、お互いの人生が狂ってしまうことも…。
【映像】新興宗教2世・まどかさんが夫の前でも毎日欠かさずやっている“お祈り”(実際の映像)
そのタイミングに悩む人は少なくなく、SNSでは「恋人に宗教をカミングアウトしたら別れ話になった」「プロポーズ前に言うべきだった、タイミングを失った…」と様々な声があがっている。『ABEMA Prime』では信仰カミングアウトについて、当事者と共に考えた。
■義理の両親から拒絶された当事者

今年、新婚生活をスタートさせた、まどかさん(27)。一見、幸せそうに見えるが、「自分が信じている宗教が理由で義理の両親とうまくスタートが切れなかった。今も結婚に納得をしてもらえていない」と話す。
幼少期から、母親の勧めで“ある新興宗教”に入信。今でも、毎日欠かさず手を合わせているという。「特に決まりはないが、帰ってきてから『無事に帰りました』ってお祈りをしている」。今は教えに共感し、「死ぬまで続けるつもり」だそうだ。
そして2年前、いまの夫と交際をスタート。結婚報告のため夫の実家を訪れた際、初めて信仰のことを打ち明けると、義理の両親は怒りを隠せない様子だった。まどかさんは、「それまで和やかで結婚も祝福してくれていたけど、それを聞いた瞬間に拒絶というか、『ちょっと待ってください』と。『ただの結婚ならいいけど、ちょっと理由が違うだろう』と言われた」。
この日以来、義理の両親とは会うことすら叶わず、両家顔合わせも結婚式も行えないまま、夫と2人だけで静かに婚姻届を提出。「(義理の両親からすると)いざ結婚相手として挨拶しにいったときに突然打ち明けられたっていう衝撃と驚きがあったのかなと。前もってお伝えできていたらよかったと思う」と後悔している。
■夫が新興宗教3世の当事者

一方でカミングアウトされる側はどうなのだろうか。夫が新興宗教3世・ちひろさん(40代前半)。20代後半に現在の夫と交際スタートし、その1年後に婚約。結婚目前に「実は新興宗教3世」とカミングアウトされた。夫からは「生まれたとき、両親に入れられただけなので、信仰は全くしてないし、私に対しても宗教に入らなくていいと言ってくれた」という。
しかし結婚後、義母から「私や私の母親への勧誘が始まった。入るつもりはなかったので、お断りしていた」。
また、息子への信仰強要もあったといい、「まだ物心もついてないときに、『じいちゃん、ばあちゃんと一緒にお出かけしてくる』と言って、息子を連れていった。遊びに行くという話だったが、宗教活動をするところに連れていって、活動に参加させていた」。
こうしたことがきっかけで、「夫の方から義母にお断りした。それが面白くなかったようで、ちょっと関係が悪化し、不縁の状態になっていた。その後、夫は宗教を脱会したが、それを知った夫の父親が怒って電話してきて『絶縁だ!』となってしまった」と明かした。
ちひろさんは、「信仰する自由があるのと同じように、信仰しない自由もあると思う。そういったことを義理のご両親に説明しても全く理解してもらえず、『信仰しない私が悪い』となってしまい…わかり合うのは難しい」と述べた。
■カミングアウトのタイミングは?

伝えるタイミングについて、ぺこぱ・松陰寺太勇は、「自分が信じてる宗教だったら、もう最初に言うべきだと思うし、交際前に言えないのは後ろめたさがあると思う。もしかしたら、世間の理解が追いついてないのもあるかもしれないが、本当に信じてるなら、言ってもいいんじゃないかと思う」との考えを語る。
生成AI系会社員のハヤカワ五味氏は、「言いづらい気持ちはすごくわかる。自分の場合、障害があるので、それを今インターネットに書いて、オープンに言っているが、知識がない人に対して説明するのは、めちゃくちゃコストが高い。気を遣われたり、違う風に想像されて避けられてしまう。やっぱりその気持ちはすごいわかる」との見方を示す。
まどかさんは「振り返ってみると、もっと早く言えばよかったが、実際に顔色を見てしまったり、どう思われるんだろうって考えると、今も難しかったと思う」。
ちひろさんは「夫が義理の両親よりも私の味方をしてくれたのが大きかった。カミングアウトのタイミングよりも、味方がいるかどうかが重要だと思う」と述べた。
(『ABEMA Prime』より)
